あなたに来た今日が当たり前ではないこと
私は彼と直接面識がある訳ではない。
学年も1つ下だったし
ただ、同じ高校だったというだけ。
それでも私は彼の事を一生忘れないと思う。
高校3年生の時だった
体育館に全校生徒が集められて告げられた。
2年生の野球班の子が事故で亡くなったと。
今でも体育館に響くすすり泣く声が忘れられない。
エレベーターの事故だった。
扉が開いたまま動いたため、その間に挟まれてしまい亡くなった。
2年生で唯一
選抜メンバーに選ばれていた。
大会のためのバットを買いに行った
その、帰りの出来事だったらしい。
その日から私はしばらくエレベーターに乗れなくなった
今でもエレベーターを使うのは怖いし、どこのメーカーか毎回確認するようになった
(シンドラー社のエレベーターで他にも死亡事故やトラブルがあるらしい)
別に知り合いでもないのに、何年も前の話じゃないか、って思う人もいるかもしれないけど
考えるたび、思い出すたびに悔しさで涙が出る。
私の心にとても残っているのは、
市川くんのお母さんの言葉
「そのうち息子のことはみんなの記憶から薄れていく。でも、エレベーターに乗る時に思い出してくれたらいいと思う」
正確には覚えていないけど、そんなような内容だった。
真意とは違うかもしれないけど、
私は彼の事を覚えていようと思った。
あってはならない事故が起きてしまったこと
一瞬一瞬を一生懸命生きていたのにそれがかなわなかった人がいるということ
旅先でいろんな景色を見るたびに
彼ももっといろんな景色を見られれば良かったと悔しく思った。
それと同時に、今こうやってここにいることがどれだけ有難いか
感じさせてくれることに感謝している。
ありふれた言葉ではあるけど、
いつ何が起こるか分からない。
だから後悔はしないように生きよう。っていうのはほんとだよなぁ、と。
今年も母校は決勝戦まで進んだけど、
最後に負けてしまった。
毎年特にこの時期には強く思い出す。
今度は甲子園に行けますように。
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