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洗濯物干しに国境はない?

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3月中旬からの休校以来、約5ヶ月ぶりに職場再開。9月の新年度に向けて、教室の準備中。布製の教材や遊び道具は、除菌対策が難しいので、すべて教室から排除することになった。子どもたちが外遊びなんかで使っていた、色とりどりのスカーフを、箱に詰める前に手洗いをした。紐を吊るして洗濯ばさみでつまんで、フツーに干した。乾燥機のまったく普及していない時代の日本に育ったし、ごくごく当たり前の対処法。
これがウケた。同僚たちに。
職場にはカリビアン諸島出身の同僚が大勢いる。

「うわー、sky先生!ドミニカの人みたい!」

同僚のひとりが、ほかの同僚を呼んでくる。すると

「うわー、プエルトリコの実家みたい!」

「パナマでもやってたー。庭に吊るしてた。で、洗濯物の周りで子どもが走りまわってるんよね」

「母ちゃんがご飯の時間だよ!とかって叫んだりして?」とわたし。

「そうそう」

「ラ・カサ!コメ!」(La casa=家 comer=食べる)

幼児レベルのスペイン語でドミニカの母をやってみる。

「外に干すといい匂いするもんね」

「わかる!」

そういえば、子どもの頃、日が暮れるまで遊びほうけて、公団住宅のベランダに母の姿を見つけて、それを合図に3階まで駆けあがったのを覚えている。

洗濯物の太陽の匂いは国境をこえるのだ。

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