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【web3週報⑦】Japan Open Chain

こんにちは

Skyland Venturesの愛川です。一橋大学の3年生です。

毎週web3の気になったプロジェクトを紹介しています。

前回の記事:

今週は今話題のJapan Open Chainについて ~G.U.Sandbox Chainを添えて~です。

概要

Japan Open Chainは日本発のブロックチェーン・インフラ・プロジェクトです。運営パートナーが豪華であることなどが良い点で、今話題になっています。

豪華メンツ

また、Japan Open Chainのテストネットの一つであるG.U.Sandbox Chainにて、ブロックチェーン開発を体験することができます。
このnoteでは実際にG.U.Sandbox Chainを触ってみつつ、Japan Open Chainについて書いていこうと思います。

近藤さんについて

Japan Open Chainを開発している会社のCTO近藤さんについてのインタビュー記事があったので、情報や好きなところを抜粋しました。
まず、近藤さんの経歴についてです。

  • 早稲田大学大学院卒業・工学博士号取得

  • 大学院在学中にWebブラウザ「Lunascape」を開発

  • 2005年に経済産業省より「ソフトウェア・プロダクト・オブ・ザ・イヤー」を受賞

  • ソニー株式会社に勤務

  • Lunascape株式会社を設立

  • 2007年 Microsoft Innovation Award にて、Lunascape社が開発したレーザーポインタードローイングツール「Afterglow」が最優秀賞を受賞

  • 2008年 Business Week誌から「Asia's Best Young Entrepreneurs」に選出

  • 2011年 AERA誌から「日本を立て直す100人」に選出

  • G.U.Labs/G.U.Technologies株式会社の代表取締役CTO

近藤さんはweb開発畑出身の方で、crypto畑に今いらっしゃる方のようです。
また、好きなパートも抜粋します。

たとえばイーサリアムの世界ではMetaMaskが非常に有名ですが、まだまだ自分の母親に使わせるようなものではないと思っています。この部分は、母親だけではなく老若男女、誰でも使えるようにしないといけないと思います。

実際にはブラウザのみならずいろいろな領域でものすごく大きいハードルがまだまだあります。ここをクリアしていくことで、エンタープライズ領域で安心してお客様に使っていただけるものになると考えています。そこを弊社が支援することが、今後非常に重要になってくると考えています。

老若男女、誰もが使えるようすることこそ、弊社の大きな使命の一つかなと思っています。

G.U.Technologiesは日本発Ethereum互換チェーンで何を目指すのか|G.U.Technologies 近藤秀和|インタビュー │ BaaS info !!

このパートは私が強く共感している点で、web3に今足りていない「マス層への広がり」ということに着目した時に、自分の親世代が使えるUI/UXかというのはかなり大事な点だと考えています。
この思いがあるから近藤さんはブロックチェーン周りのUI/UXを改善すること、日本の企業が(頭の硬いお偉いさんを説得できて)安心して使えるブロックチェーンを作ることをしているのかなと思いました。

G.U.Sandbox Chain

では、実際にG.U.Sandbox Chainを触ってみます。

非常にシンプルなUXで
1. Welletの作成
2. トークンの取得
3. 独自のトークンの発行
を行うことができます。

1. Walletの作成

これは2番以降のステップを実行するにあたってEthereum互換ウォレットを所持する必要があるため行うものです。
私はMetamaskのWalletを既に持っていたのでこのステップはスキップしました。

韻ふんじゃった

2. トークンの取得

こちらからSandbox Chain内でのトークンを受け取ることができます。

ドルや円などの法定通貨に換えられるものではないので、お金としての価値が特にあるわけではないのですが、自分のwalletにトークンが追加され、トークンを所持するという体験をすることができます。

ネットワーク追加するときに単位の設定ミスっちゃった

3. トークンの発行

ここがG.U.Sandbox Chainのサビだと思います。自分でトークンを発行することができるのです。
本来、Ethererumのメインネットなど本番環境にトークンを発行することは多額の手数料がかかりますし、テストネット上に作るのもちょっとめんどくさいようなので、自分でトークンを発行したことがない人は多いのではないのでしょうか。

このサイトからERC20という規格のトークンを発行することができます。

自己主張激しめトークン

結果として、AIKAWA Tokenというトークンを発行することができ、めでたく10AKWを取得することに成功しました。

やったね

このトークンをPeer to Peer(人から人へ)の形で送金することもできます。

Proof of Authority(PoA)

さて、先ほど触ったG.U.Sandbox ChainはJapan Open Chainと同じ仕組みで動いています。その中の合意形成アルゴリズムであるProof of Authority(PoA)について説明します。

そもそもの話

ブロックチェーンはめっちゃでかいスケッチブックのようなもので、それにみんながどんな取引をしたか、といった情報が全部書き込まれていくため中央管理者がいなくても取引ができるよ!というものです。
そこで、どの情報が正しいか、などを決める合意形成アルゴリズム(コンセンサスアルゴリズム)が必要になってきます。

Proof of Work(PoW)

まず、最初に用いられていた合意形成アルゴリズムはProof of Workと呼ばれるものです。これは解くのに機械のスペックと運が必要になる問題を出題し、それを解いた人のブロックに書いてある情報を本当と信用する仕組みです。Bitcoinなどはこの仕組みを採用しています。
良い点としては*51%問題(過半数を誰かが独占して非分散になる状態)を防げる点が挙げられますが、悪い点としてめちゃくちゃ人が集まって処理が激重になる(スケーラビリティ問題)ことや、電気をたくさん消費するため環境に悪いことが挙げられます。

*仮にめちゃくちゃ計算力が高いコンピューターを持っている人がいたとしても、非分散になった瞬間にBitcoinの価値が消失して大損するので51%は超えないようにするような圧力が働く。

Proof of Stake(PoS)

PoWの環境に悪い点やスケーラビリティ問題を解消し、分散性を保っている仕組みがProof of Stakeです。この仕組みにおいては意思決定に参加したい人が自分の所持しているトークンを預け入れ(ステーキング)し、預け入れ量が多い人ほど当たる確率が高くなる仕組みでランダムに誰のブロックを信用するかが決められます。
先ほど述べた環境への負荷とスケーラビリティ問題を解決する方法として注目されておりEthereum上でこの仕組みは使われています。
しかし、お金持ちに有利な仕組みであるというデメリットも存在します。

Proof of Authority(PoA)

Proof of Authorityという仕組みはPoWの環境に悪い点やスケーラビリティ問題を解消している、管理された分散を実現するための合意形成アルゴリズムです。特定の信頼された人にブロックを作る権利が与えられている仕組みになります。
これは完全な分散と言うことができないと私は考えますが、大企業や組織間での利用を想定するならばこのくらいの分散がちょうどいいのだと思います。

感想

G.U.Sandbox Chainは、初心者の人がcryptoに興味を持った時に最初に触ってみるお試しツールとしての価値がとても高いと思います。近藤さんのインタビュー記事やG.U.Sandbox Chainを見て、Japan Open Chainというプロジェクトはマス層にブロックチェーンを広げていくためのものであり、そのために日本の大手企業を巻き込んで進んでいっているのだと感じました。

また、いつも英語のドキュメントを読んで記事を書いているので、日本語でプロジェクトの情報に触れることができてとても楽でした。
日本初のブロックチェーンプロジェクトはまだまだ少ないので、Japan Open Chainも激応援していきたいです!!

最後に

CRYPTOLAND HUNTERSというTelegramのコミュニティがあります。
200人以上のメンバーが参加している大きめのクリプトコミュニティです。
web3に興味がある人であれば、初心者も玄人も皆歓迎です。以下のリンクから入れます。

次の記事:今書いています

Web3週報一覧:

ありがとうございました。

参考にさせていただいたリンクです。

解説レポート〜「1分でわかる!Japan Open Chain」|Japan Open Chain (note.com)
G.U.Technologiesは日本発Ethereum互換チェーンで何を目指すのか|G.U.Technologies 近藤秀和|インタビュー │ BaaS info !!
はじめに | G.U.Sandbox Chain (gitbook.io)


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