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VRおじさんの初恋、良いドラマでした!


NHK夜ドラ「VRおじさんの初恋」

最初は、孤独おじさんのVRでの世界の中の想いを描いたドラマだと思って観ていた。前半はそんな感じでも充分面白いと思ってた。
後半に、入ってから物語りは大きく展開していく。

ナオキが恋したホナミは、現実ではおじいちゃんの穂波だった。
直樹は混乱し、葛藤する。
穂波の孫の葵が大きな役割を持つ。
直樹自身の中学生時代の生きづらさ。それが葵との会話の中で癒されていく。
VRの世界でも葵と話し合い、現実でも話し合い、作戦を立てる。
穂波の命はあと僅かしか残されていない。
この辺から直樹はどんどん変容していく。
いつかしら孤独では無くなり、直樹本来の姿、本当の直樹が生きてくる。
独りでいる事を好んでいたのに、人間関係が変化していく。
会社の人たちもどんどん変化していく。

最終週は特に素晴らしかった。
父娘の関係性が癒えていく。

穂波はホナミに出会い笑顔で語り合う。現実とVRが重なっていく。

ホナミとナオキが辿り着いた駅の沢山の美しいオーブ。
どこまでも切なく美しい。

最後の地点に行く前に穂波は旅立ってしまう。

最終回、
2人で観るはずだった最後の景色。
穂波はもう居ない。
ナオキと直樹が対話し手を繋ぐところから始まる。
これもVRと現実の融合。

私はどうしてこんなにも感動しているんだろう。
本来の自分に出会う旅がここにもあって、
肉体は現実のもので、この世に生まれ、成長し、経験し、年老いていく。
残された命が短くても、アバターの世界では、年齢も性別も何もかも関係なくお互いが個として話し、笑い、ぶつかり合い、理解し合う。

アバターであるが故のバリアフリー。
ナオキが言った「乗り越えた!」は、バーチャルのホナミであっても、現実の穂波であっても、性別や年齢も乗り越えて、その人のスピリッツを愛する事なのかな。って。


穂波はもう居ないけれど、新しい世界が生まれて、また様々な出会いがあるんだろうな。
そこにはもう孤独な直樹(ナオキ)は居ない。

死という抗えない現実と、哀しみと、愛。
清々しさ。

切なくて
優しくて
温かなドラマでした。

いつか再放送してほしいな。


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