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『#ウラリミコン』[Trace To Growth] #2 自分の解説編

S.KT.です。
曲を作っています。


第1回はこちら:

#ウラリミコン関連記事 [Trace To Growth] の第2回(最終回?)は、私S.KT.が制作したリミックスについて解説してまいります。

はじめに

記事はスリムに、しかし内容は充実。
そのような記事を書こうと頑張ってはみたものの、なかなかうまくはいかない…

それでも、頑張るしかないんだ!
…ということで、今回は簡潔にまとめる方向性で書いていきます。
結局いつも通りになるかもしれませんが…

それではご覧ください!


楽曲解説

概要

今回の楽曲タイトルは「Time To Go(S.KT. Pirate Metal Remix)」です!

海賊をテーマにした楽曲ですが、その中身は非常にゴリゴリ! 「誰なんだあの男の声は」などいろいろなツッコミが入るような素っ頓狂な世界により、いろいろお騒がせいたしました…

ここからは、そんなリミックスができた経緯と秘密に迫ります。


ここで唐突に、語尾がハム太郎みたいと形容された試聴会の全文をこちらに貼っておきます。

Ahoy Matey(アホーイ、マイティ)!
いつもお世話になっているS.KT.(エス・ケーティー)だ。
今回はウラリミコンだから、ちょっと違うあいさつだ。心を海賊にしてみたのだ。
ただ私は海賊かぶれだから、ちょっと変なところがあっても... 許してほしい。

さて、今回の航海は荒波が激しくて、乗りこなすのは困難だ...
しかしながら、こちらにはゆかいな乗組員たちがいる! 飲んで笑い飛ばそうじゃないか!
それに我らが船長がついている。どんな敵がやってこようと、あの二人がいれば大丈夫さ!

...おっと、あまり時間を取っては他のみんなの迷惑になる。
そろそろ行く時間だ!準備はいいか?
夢と期待の宝をつめて... いざ未知の旅へ、出港!

https://www.youtube.com/live/zh-1pASo3k4?feature=shared&t=3276

1.モチーフの決定

  • 楽曲を聴いた時のイメージ

今回のリミックスの制作にあたっては、まずリファレンスを聴くところから始まりました。
そもそも「Time To Go」のリミックスであることを知ったのは、2ndミニアルバム「本当のDTM」に付属する「秘密の招待状」を読み取ってからでした。それまではコンテストの開催についても、対象楽曲についても全く知らない状況でした。

そして改めて「Time To Go」を聴くことになったのですが、この楽曲から私は次のようなメッセージを感じとりました。
「船」「宝物」「詰め込んだカバン」「夢と期待」「BRAVE」「ALIVE」…
時計の針を参照できなかったのは許していただきたい

何やら冒険しているような感じですね!
このアイデアを後押しするきっかけになったのは、次に紹介するリファレンスによるところが大きいです。

  • リファレンス

私の楽曲の中核をなす要素です。このアイデアの供給がなければ、私はたちまち袋小路に陥ることでしょう…!
私は取り入れたアイデアをどうにかして使おうとする傾向があり、今回も気になる楽曲ジャンルの再現を試みました。

今回再現しようとした楽曲ジャンルは「パイレーツメタル」なるものでした!
船出と聞いてポップな出港を想像された皆さんにつきましては、ご期待に添えず申し訳ありません…

このジャンルはヘヴィメタルの一種ですが、往年の海賊の伝説を象徴するような猛々しい要素が含まれているのが特徴です。
まだ見ぬジャンルを探そうといろいろな楽曲をディグっていたとき、偶然発見されました。

最初に出会った楽曲はこちら…

そしてあらゆる楽曲を聴き漁り、なんとなくのイメージを掴んだ私は、なんとかしてこのジャンルの再現を試みることとなったのです…

"Time To Go"の歌詞にも「船」の要素があったのでちょうど良いと思いましたが、原曲が澄み切った雰囲気なのに対してこちらは結構イケイケな感じ
しかしこの「意外性のあるアレンジ」こそがリミックスの醍醐味であると私は考えていたため、全てを投げ打つ覚悟で舵を切ったのです…!

2.アイデアを入れる方法

  • 楽曲のパート

ここからが大変でした。
そもそも私にはあらゆるジャンルに対応できる技術はなく、完全に「楽しいならいっか!」なメンタルで突き進んできたため苦労することになりました…

楽曲のパートは大きく分けて2つに分かれます。
荒れてるところ」と「静かなところ」です。

荒れているところではギターがぐわんぐわん鳴っており、もうめちゃくちゃになっているような感じです!
そして静かなところでは雰囲気に浸れるような音作りを目指しました。

今回の構成だとBメロが静か、それ以外が荒れてると言った感じに大別できますが、2番のサビは例外です…

  • 音の構成

音の構成はリファレンスを参照しつつ、オリジナル要素も足しました。
駆け足で説明します!

まずはパイレーツメタルということでメタルなドラム!
今回初参戦のAddictive Drums 2の"Metal"、そしていつものCASIO CT-S1000Vのドラムを合わせて迫力を出しています。

ベースはDAWであるLogicに付属しているSamplerとAAS の Ultra Analog Session 2です。

ギターは Impact SoundworksShreddage 3 Stratus Free です。ただしボイシングはInstaChord(電子楽器の方)を使って再現しております。

シンセは「モノよりやっぱりポリフォニック」でNative Instruments の Massiveを、モールス信号でYMCKさんのMagical 8bit Plug 2を採用しております。あとはXfer Records の Serumとか…?
そしてLogic 11.0付属の新機能!Session Playerでコード進行から生成したボイシングを採用してパッドを作っています。サウンドはUVI Synth Anthology 4です。

ブラスとストリングスはLogic付属音源のStudio HornsStudio Stringsです。

ベルの音は AASChromaphone 3、ハープシコードはCASIO CT-S1000V、アコーディオンはLogic付属音源。

ピアノはLogic付属音源Studio Piano、そしてMeat Beats  Micro Piano です!

  • サンプル

今回主に使用したのは主に「Pirate Game Designed」と「AAA Game Character - Pirate」。いずれも海賊っぽさに溢れています!
そのほかにも、海賊や海を感じさせるサンプルを大量投入しています。
波の音、グラス?の音、木の音… 

原曲のクールな感じを取っ払うかの如き、強制的な暑苦しさをぶち込むことができたのではないかと思います。アツい!

  • 実は声入れてました

全曲試聴会の90秒の範囲では聞こえることのなかった要素でしたが、実はS.KT.が歌っています。
2番サビが丸々スウィングに入れ替わっており、陽気な感じで歌っています。
ラストのサビでも"Time To Go!!!!"と叫んでいます。
以下に歌詞を貼っておきます(動画でも確認できます)。

Brave and Alive, Sailing the Flag, Yo Ho Ho!
Glaring Sun, Sail, Ho!
Brave and Alive, Sailing the Flag, Yo Ho Ho!
Glaring Sun, Sail, Ho!
Brave and Alive, Sailing the Flag, Yo Ho Ho!
Glaring Sun, Sail, Ho!
Brave and Alive, Sailing the Flag, Yo Ho Ho!
Glaring Sun, Sail, Ho!

TIME TO GO!!!!

S.KT.

3.がんばらないミックス

  • 結局心残りになってしまったミックス

パートがいろいろ埋もれてしまった…っ!

今回のリミックスではさまざまな楽器や音を使って賑やかしてみたのですがうまくまとまらず…
そんな中でも使った楽器に気づいてコメントしてくださった皆さんには頭が下がります…!

そんなわけで消化不良を自覚している今回のミックスですが、実は私の最近のミックスにおけるワークフロー超単純化されています。

音量とパンを確認
iZotopeOzone 11 Advanced そしてNeoverb に読み取らせる 
適当にエフェクト差す
→ラウドネス値をやる
→おわり(制作・著作 S.KT.)

もっと張り切るべきでは…?

ただ「やる気がなかった」で済ませても旨みがないので、自分が思っている課題の一つについて考えてみます。それは「ユニゾンを綺麗にまとめる」ことです。
メロディラインをなぞる展開など、同じ音が重なるパートは迫力やエモさを引き立てる重要なファクターとなりえます。それがまとまっていないと、ふにゃっとした音になりがちです(ただし陽気さは上がるかも?)。
パートが増えれば増えるほど、聴かせるところをはっきり聴かせ、それ以外を抑えるかバッサリ斬り落とすといった対処が重要になる気がしています。

ただ、「何をもって綺麗なミックスとするのか?」は人それぞれですし、作りたい音楽によってその基準も異なってきます。
今回はパイレーツメタルのズンズンくる感じを出しつつ、陽気に仕上げたかったのですが… 迫力不足?
やはりギターが原因なのか…? それとも歌…?

4.イースターエッグ

S.KT.のリミックス・アレンジでは恒例の隠し要素、今回ももちろんあります。
ただし「クラリミコン3」のリミックスほど多くはございません…
と言いますか、目立つものは1つだけです。

  • モールス信号

1番 BRAVE: -・・・ ・-・ ・- ・・・- ・
2番 ALIVE: ・- ・-・・ ・・ ・・・- ・

1番と2番のBメロに登場します。これでもかとCメロを擦っておりました。
この単語は2番のサビでも歌っていますが、今回は歌詞を聞き取りで判断しているので、万が一間違っておりましたら申し訳ございません…

皆さんからいただいたコメントを見てみましょう

今回は自身の研鑽の意味も込め、全曲試聴会でいただいたコメントについてもまとめていきたいと思います。
※曲が流れる前のコメントについてもフィードバックしています

雰囲気

固有名詞パターン!
具体例が出るとイメージしやすいです!

  • 出港

  • 海上の感じ

雰囲気については概ね計画通り…!

  • 一味

  • 海賊感

  • 船長になったリオンさん

今回は海賊ということで、仲間感が出るというコメントはありがたい…!
ノリノリになれば、誰もがクルー!

  • オンリーワン

  • アイデアがすごい

海賊というアイデア・独創性を誉めてくださったコメントも!
励みになります!

  • 雄々しい

  • 勇ましい

  • ケルティック

  • めっちゃ楽しい、楽しい

  • 爽快感

形容詞関連のコメントです。
今回は地域を限定せずに「海賊ってこんな感じだよな…?」をパイレーツメタル
の観点から吸収しました!
陽気さや猛々しさなどの要素など、原曲とのギャップに笑えるようなシュールさもなんとなく搭載しています。

楽器構成

  • ハープシコード

  • アコーディオン

自分のミックスで埋もれ気味な楽器に気づいてくださったコメントはありがたい…!
もっとしっかり聞こえるように、ミックス頑張ります!

  • 剣戟の音

  • 掛け声以外は普通にかっこいい、掛け声気になる、掛け声欲しい

  • 自分らしい効果音の使い方

今回は血気盛んにドンパチやってます。
掛け声がおじさんなのは狙いました。
「ハハハハ〜!」

  • いろんな音で楽しさが表現

  • ​​音選びってホントに大事なんですね

総じて、楽しげな音によって演出を試みました!
私は雰囲気から入るタイプです。

おわりに

今回のコンテストの前に私S.KT.はM3に参加しており、クランさんとリオンさん、リスナーの皆さんに直接赴いて出会うことができ、大変貴重な体験をさせていただきました。
そしてウラリミコンで改めてみなさんの楽曲を聴き、改めて参加者の多様さを再認識することができました!
受賞された皆さん、おめでとうございます!
今回は規模を絞っての開催となっておりましたが、過去のコンテスト同様にあらゆるアプローチを知ることができたのは非常に良い収穫でした!

…そして、自分の腕をいよいよ磨く時がきた… とも思いました。
やはり自分は個性的(?)なアプローチが多く、それを選択するあまり、クオリティアップのために足りないものをまだ埋められていないのではないか…?と。
もちろん深刻に考えすぎるわけではございませんが、コンテストのない空白の期間を通して「自分の成長を見せる」のもいいな… と考えさせられました!

ウラリミコンの振り返り記事[Trace To Growth] はここで終わるかもしれませんが、今回の経験を機にこれからもいろいろな曲を聴き、そして自分の腕を磨いていきたいと思います!

最後に私S.KT.のリミックスの公開についてお知らせです。
SoundCloudではリミックスのフル尺に加えてオフボーカル・オフパイレーツボイスのトラックも公開しております。聴き比べるのもまた一興…!?
そしてYouTubeでは動画が公開されております。
よろしければご覧くださいませ!


以上、失礼いたします。
(S.KT.)

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