初投稿です!
暑くてたまらない。
「夏だね。」
人々が言う。
その言葉に含まれているのは、これから始まる新しい季節への期待ではなく、憎悪である。
かく言う俺も、頭上にある太陽を避けて目線はずっと足元。
しかし気に入らない。
こんなにも日差しを忌み嫌っても、視線を落として逃げるだけで対立さえ出来ないのだ。
一言ぐらい文句を言ってやろう。
そうして顔を上げると。
視線を落とす人々の中、ただ一人、向日葵のように佇む女性。
さきぽんだ。
視線に気付いたさきぽんは、俺の元へ一直線に駆けてきた。
汗は噴き出し、手に持つアイスは手首にまで垂れている。
『夏だね!』
その言葉に淀みは無い。
「…変な女。」
暑くてたまらない。
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