完璧な奴隷

あるところに、奴隷を買った金持ちがいた。

金持ちは機械をいっぱい持っていたが、金を使ってもっと幸せになりたかった。そして自分より不幸な人々を手元に置いて優越感を味わえればもっと幸せになれると思った。

金持ちは奴隷たちを毎日こき使ったので、奴隷たちに恨まれていた。

そうして次第に奴隷たちは金持ちに対して時折、歯向かおうとしたり、逃げ出そうと企てるようになった。金持ちは、せっかく金を払って買った奴隷たちがなまいきな態度をとるので腹を立てていた。

金持ちは医者に相談した。医者は奴隷の感情をなくす手術を勧めた。金持ちは感情のない奴隷は機械と同じであまり楽しくないような気がした。

ある日、金持ちは医者に奴隷たちを手術してもらうことにした。

その日から奴隷たちは、金持ちに彼らの妻や娘を犯されるとまるで何年も思い焦がれた人に告白されたかのように浮かれた気持ちになり、金持ちに彼らの家族を殺されると何度も落ち続けた試験についに受かったかのような喜びを感じるようになった。

こうして奴隷たちは世界で一番幸せな人々になった。



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