初めて【選んだ降板】のお話。

いつも桜井ゆるのを応援くださり
誠に有難うございます。

この度
二人芝居企画『パラダイム-case 1-』
ミズタニ会議『十字路』
上記、2作品の舞台を降板いたしました。

座組の皆様へのたくさんのご迷惑と
応援くださる皆様へのご心配をおかけし
誠に申し訳ございません。

降板の理由を、改めて説明させてください。

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5月23日の朝、5時半くらいに
母から連絡がありました。

父がステージ4の肺ガンになり、
入院しているという報告でした。
症状など詳しく聞いたところ
抗がん剤治療で1年くらい、
緩和処置で2.3週間というのが
医師の見立てではあるそうなのですが、
状況が進行しつつあり、
いつ急変してもおかしくないと。。

最初は、
なんとか6月の舞台が終わるまで
頑張ってくれないかな、、、。
と思っていました。

同日17時前くらいに母から再度連絡があり、
父が私に「帰ってきてほしい」と言っていると
連絡があり、急遽福島に帰省いたしました。
本来であればミズタニ会議の稽古があったのですが
主宰である水谷健吾さんにご相談させていただき
そのまま新幹線に飛び乗りました。

そこから、父に付き添い
姉や弟と今後のことなど
話し合いをしたりとあっという間に
時間は過ぎていきました。

母も年齢的に一人では負担が多くなってきていて
入院している間のサポートや
精神的な面での支えも必要になっており
少し時間がかかると考えました。
ここまで、わがままを許してくれて
たまに電話越しでの説教をしながらも
活動を応援し、いつも心配してくれていた両親に
私はいままで、なにひとつ
親孝行をしていませんでした。

ここで、今家族のそばでできることをしないと
私は絶対に後悔してしまう。

そう強く思ったんです。

そして帰省した日の23時頃。
出演する舞台、それぞれの主宰である
福田晴香さん、水谷健吾さんにご連絡し
現状と降板したいという私の思いを伝えました。
受け止めてくださり、本当に有難うございます。
代役としてガマズミでは原敬子さん
十字路では真僖祐梨さんが
出演して下さる事となりました。
本当に本当に有難うございます。

どちらも私にとってとても大切な作品で
出演したいという思いはもちろんありました。
座組のみなさんも素敵な方ばかりで
本当に一緒に創り上げたい気持ちがありました。
帰省するまではその気持ちでいたのです。
会ってみたら、意外と元気な父で
すぐに東京へ戻って稽古に参加できるんじゃないかと。

今までありがたいことに
身内の不幸で活動できなかったり
そういったこともなかったですし
これからもないだろうと
漠然と他人事に考えていました。

私は芝居してるから親の死に目に会えない覚悟だ!
と思って、芝居をしていました。
そうなったとしても、舞台をやりきるぞ、と。

お芝居、大好きです。
小劇場も大好きです。
けれど、今、目の前で起きていること
命にはかえられませんでした。

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これが、私が人生で初めて
【選んだ降板】です。


そして、2024年5月27日21時02分。
父は死去しました。
家族みんなに見守られながら
最後まで声をかけながら。
とても優しい顔で
まるで眠っているかのような
そんな綺麗な顔でした。

姉と姪っ子とエンゼルケアをした父は
本当に亡くなったとは思えないほど
朗らかで幸せそうな顔をしていました。

現在はお通夜やお葬式の準備など
様々な手続きがあり
もう少し忙しなくなってしまいますが
応援してくださった皆様と
わがままを許してくださった座組の皆様へ
改めてお話をさせていただきました。

また東京に戻ったら、
色々な想いが出てくるかもしれません。
そのときは、また吐き出させてください。

この度は大変なご迷惑とご心配をおかけしまして
誠に申し訳ございませんでした。
そして、たくさんのお気遣いのお言葉など
有難うございます。
いつも支えられています。

ゆるのんは元気です!
元気、という言葉は適切ではないかもしれませんね。
でも、倒れていられないので!
しっかりご飯は食べて
やるべきことに向き合っています!
また、お会いしましょう。
ここまで読んでくださり有難うございます。

桜井ゆるの

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