[3]社会人0年生|限りある時間の使い方 オリバー・バークマン 

はじめに

こんにちは、社会人0年生です。今回は「限りある時間の使い方」という本から得られたものをアウトプットしていきます。まだあまり数を読めているわけではありませんが、今回の本は私自身の考え方を大きく改める機会となった1番好きな本です(すでに3.4人に勧めたくらいおすすめです)。来年度社会人になる方に、「時間の使い方」「時間に対する考え方」について考えてるきっかけとなり、残りの時間を”有効活用”していただければなと思います。それでは行きます!

時間に追われている理由

唐突ではありますが、みなさん人生は何週間あるかご存知ですか?人生80年と言われているこの時代、80年を週で換算すると人生は4000週間になります。私もそうでしたが、「短っ」と思った人が多かったのではないのでしょうか。すでに20歳になっているなら残り3000週間しかありません。しかも、歳を重ねるごとに1年間が早く過ぎ去る感覚に陥るので、「今まで生きた1000週間」の3倍というわけにもいきません。どんどん時間は早く過ぎ去り、時間が足りない感覚に陥ります。だから、みんな効率良く時間を使い、時間をつくろうとします。生産性を高めて、仕事を早く終わらそうとします。それは、本当に時間をつくることに繋がるのか。見ていきましょう。

効率化ツールは逆効果?

皆さん、30年前と現在を比べてどちらの方が便利で効率良い仕事が出来ると思いますか?おそらく皆さん現在だと答えると思います。では、なぜ現代人はこんなにも時間に追われて「忙しい」という感覚を持っているのでしょうか。その理由の1つは「効率化を求めること」にあります。
電子メールを例に挙げましょう。一昔前では(50年前の話になっちゃうんですけど)、電子メールが存在せず手紙でやりとりをしていました。手紙をポストに投函し、数日掛けて相手の元の届いてまた数日掛けて自分の元へ返信が返ってくる。1回のキャッチボールで1週間ほど時間が掛かっていました。しかし電子メールの発明により、私たちは世界中の人々と数秒単位でやり取りができます。メールを送信してから10分ほどで相手から返信が返ってきます。
昔に比べ、1回のキャッチボールが何倍にも早く成立します。しかし、逆に1週間にキャッチボールできる回数が何倍にも増えていることにも目を向けないといけません。メールを早く返すことで相手に伝えるまでが早く終わるけど、またすぐに返信が返ってきます。送信ボックスを空にしたらまた次のメールが来る終わらないループを体験した人は少なくないのではないでしょうか。まずは、本当に効率を求めることが時間をつくることにつながるのか疑問を持つ必要がありそうです。

効率を求めると自分の首を締める

「仕事の量は、完成のために利用可能な時間を全て満たすまで膨張する」とう有名な法則があります(パーキンソンの法則)。この法則の本質は、時間があると「やるべきこと」の定義がどんどん広がっていくということです。先ほどの電子メールだけでなく、プライベートにおいても同じようなことが言えます。Facebook上で、多種多様なイベント開催の告知を見て、良し悪しを見極め効率良くイベントに参加することができます。マッチングアプリの登場で、同時に色々な人にアプローチ可能で効率良くデートの予定を立てることができます。効率良く情報収集できることで行きたいイベントやデートの数も膨張し、時間が足りないと感じてしまいます。効率を上げたとしてもやることが膨張して、結局時間に余裕はできません。
現代は、色々な場面で多くの選択肢が存在します。趣味、旅行先、レストランなど、多い選択肢の中から出来るだけたくさん選ぼうとします。私たちは自分の期待以上のことをやり遂げると満たされたと感じるけど、効率を求めることで多い選択肢からできるだけ多くの経験をしたいと自分の期待値が膨張し、いつまで経っても満たされたいと思えず満たすための時間が足りないと感じてしまうのです。

本当に重要なことが蔑ろに

時間効率を求めることで、「自分がしたいこと全てができる」前提で動こうとしていませんか?例えば、「死ぬまでに行きたい国が20ヵ国あるし、絶対に行くんだ」と考えているとします。すべての国に行ける前提なので、費用が安い国や近い国をまず制覇して、その後に遠くて費用がかかる国に行こうという思考に陥りがちです。だけど、色々な国に行ってみると同じ国の違うエリアに行ってみたくなったりSNSで見た綺麗な海のある国にも興味が出てきて行きたい国が増えたりします。そして、遠くて費用の高い国が後回し後回しになると思います。仕事でも、大きな仕事は集中して時間をかけたいから、すぐ終わりそうな小さなタスクを先に終わらそうとします(私もそういうタイプでした)。だけど、もちろん新しいタスクが増えたり上司に呼ばれて思うように時間が使えず、大きな仕事に思った時間を割けないまま質の低いアウトプットになることもあるでしょう。自分がしたいことが全部出来る前提で動いてしまうと、自分が本当に成し遂げたいことが蔑ろになる可能性があることはしっかりと頭に入れておくべきだと思います。

時間は所有物ではない

突然ですが、時間があるとはどういうことでしょうか。お金だと、100円硬貨が3枚あれば300円だし、諭吉が3人居れば3万円です。目に見える硬貨やお札が自分の財布に入っていると自身の所有物となります。では、時間はどうでしょう。仕事までに空いている時間が「10分ある」「3時間ある」と表現するけど本当にそうなのでしょうか。実際に仕事までに3時間あったとしても遠くに住んでいる親御さんが急に電話を掛けてきて長話をされるかもしれないし、いつもは30分しか掛からない通勤時間が電車の遅延で1時間かかるかもしれない。お金は自分で自由に使うことができる所有物ですが、皆同じ時間に生きているため、自身でコントロールできない時間は所有物ではないのです。冒頭で人生は80年生きて4000週間だというお話をしました。不謹慎な話になっちゃいますが(少し話が飛躍しちゃいますが)、実際に何人が4000週間を過ごすことが出来るのか、誰が4000週間生きることが出来るのか誰にもわかりません。一つ前に例を挙げた「死ぬまでに20ヵ国制覇する」という目標は自分が何歳まで生きる前程の話なのか。また本当に仮定した年齢まで生きられるのか。私たちの残りの人生も所有物ではなく、いつ終わりを告げるかわかりません。だから、どれだけ効率良く生きられる自信があったとしても「自分がやりたいことを全部出来る」という前提は捨てて本当に重要なこと、優先順位の高いものを確立する必要があると思います。

時間を有効活用するために

ここからは時間とどういう風に付き合えばいいのか、時間を”有効活用”するためにはどうすればいいか考えていきます。

取捨選択をする

まずは、「やることには限界がある」「やりたいこと全てができるわけではない」と認めることが大切です。全てできることを諦めた上で、自分が本当にやりたいこと・やらないといけないことを選択し、他の選択肢は勇気を持って捨てましょう。選択肢を捨てることは躊躇するし、できるだけたくさん選びたいと思うかもしれません。だけど、取捨選択することで選んだものの価値が高まります。就活も1社だけじゃなくて好きな会社いくらでも選べるなら、会社側からすると1人の社員としての価値は下がると思うし、会社に対する熱い気持ちが分散されると思います。プライベートでたくさんの異性と付き合えて結婚できるなら、結婚することに対する価値が下がると思います。真剣に悩んで1社に絞るから絶対に結果を残そうと意気込めるし、1人の異性としか結婚できないから特別なものだと感じ幸せになるんだと思います。選択して捨てることは、怖いかもしれませんが今の自分は過去の自分が選んだ選択肢で出来ています。今までも上手くいってるんだからよく悩んで自信を持って取捨選択して、選んだ方を楽しみましょう(急に脳筋)。

優先順位を決める

取捨選択に似ていますが、優先順位を決めることはとても重要です。この場合は選んで捨てるのではなく、優先順位を決めてやり遂げる順番を決めるということです。「死ぬまでに20ヵ国行きたい」場合、本当に行きたいところを決めて他の選択肢を捨てるのではなく、行きたい国ランキングを作ってランキング上位3ヵ国を行くことをまず目標にします。それが達成できたら残っている国の上位3ヵ国を行くことを目標にします。そうすることで、本当に行きたかったところに辿り着けるし、3ヵ国中1ヵ国行けたことに対する満足度は、20ヵ国中の1ヵ国行ったことよりも高くなるし、まだ19ヵ国あるという焦りはなくなり1ヵ国ずつ心の底から楽しめるのではないかと思います。
仕事でも同様です。もちろん全部高いクオリティでアウトプットすることがベストだと思います。しかし、どんなに時間があったとしてもいつ何が起きて時間を奪われるか分かりません。だから、締切期日と仕事の大きさを考慮し、タスクに優先順位をつけて取り組むべきです。自分が今1番何をしなければいけないのかを明確にすることが、生産性を向上するよりも大事なことではないのかなと思います。

時間をコントロールすることを諦める

少し前にもお話しましたが、時間は所有物ではなく自分でコントロールできません。時間をコントロールできると思っていると色々なところで損をします。自分が本当にやりたいこと、やらなければいけないことを疎かにするし、渋滞で時間を思うようにコントロールできず予定通りに物事が進まないことに対しての苛立ち、デート中喧嘩してしまうかもしれません。時間はコントロールできないことを諦めると自分が本当にやるべきことが見えてくると思います(デート中の渋滞なら、しりとりしがち?)。

今を生きる

急に哲学っぽくなりますが、未来を見過ぎず今を生きましょう。綺麗な花火やショーを見てるとき、将来また見返すために動画を撮ること。将来安心した老後を送るために貯金をすること。将来子供が良い子に成長するように教育をすること。どれも大事なことだと思います(花火を動画撮ることは大事かはわからないけど)。だけど、自分の目で同じ演出、同じ歓声、同じ感情で花火を見るのは今しかない。今の年齢の自分と今の年齢の友達や恋人と旅行できるのは今しかない。1日1日急激に成長する子供の一瞬の表情や仕草は今しか見れません。確約されていないこと(撮った動画を見るのか、お金があって安心して暮らせるのか、子供が良い子に育つのか)にフォーカスするより今を楽しんで今を生きることが時間を有効活用するための秘訣だと思います。


まとめ

今回は、「限りある時間の使い方」を読んで時間についてあれこれ語りました。私自身、時間をコントロールしようとしたり将来のことを蔑ろにしがちなところがあります。現在も、来年度から会社に貢献するために今勉強に時間を割いたり、健康のためにジムで鍛えたりしています。しかし、よくよく考えると今まで目標のために努力して実らなかったことも振り返ったら努力して良かったと思えるし、1日1日が充実していたと思います。だから、努力する過程そのものが好きで私にとって将来のために努力することが今を生きることなんだなと感じました。
この本を読んで、時間に対しての考え方が大きく変化しました。得た知識を上手く活用し、改善すべき点は改善し取捨選択をして一瞬一瞬の価値を高めていこうと思います。
皆さんにとってこの記事を読んで何か気づきがあり、少しでも時間について考えることができたらと願っています。
今回もお読みいただきありがとうございました。
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