納骨堂が決まるまで
一昨年の春、義父(舅ではなく、母の再婚相手)が亡くなりました。新型コロナではありませんが、割と突然でした。
その前年の夏、胃ガンが見つかり、手術で全て取ったはずでした。転移もないと医者は言っていました。
しかし半年と少しで再発し(全部取れてなかったんじゃないのかなと少し疑ってる)、3月後半に入院、肝臓への転移が認められ、レントゲンを見ても素人目にももうダメだろうという連絡が来た数日後、4月の初めに亡くなりました。
通夜、葬儀はもう母も訳がわからない中それでもいろいろ葬儀屋さんの手を借りながら進み、義父は小さな骨壷に収まり、家に帰ってきました。
四十九日法要は実家の近所のお寺で執り行い、戒名を付けていただくのにウン十万もかかり(ビビった)、しばらくお骨をそのお寺で預かっていただいていました。(それは無料)
母が月命日に心付けを包み、お花とちょっとした手土産を持ってお参りしていたのですが、それもバカにならんということで、去年のお盆にお骨を引き取って、今は実家にあります。
お仏壇の横に置いているのですが、果たして仏壇に手を合わせるべきかお骨に向かって手を合わせるべきか未だ悩みます。
余談ですが、昨年秋に伯母(母の姉)が亡くなった時は1日葬というのにしたのですが(参列者も伯母家族(伯父、従兄、従姉)、従姉の旦那、うち家族(母、私、妹)、田舎の伯父の所の従兄(関東在住)の8人)、義父の戒名を付けた時の金額で執り行えた(戒名込み)らしいので、義父の戒名がどれだけ高いものなのか何となく想像していただければ。
母は「お母さんが死んだら、伯母ちゃんと同じでいいから」と言っていました。私もこのぐらいでいいや…と思いましたね。通夜要らん。
閑話休題。
しかしいつまでもお骨を家に置いておくわけにもいきません。
伯母の四十九日法要は、伯母たちが購入していた納骨堂で執り行われたので、同じ納骨堂ならお参りも一緒にできるねえと、その納骨堂で購入する予定で、資料をいただいて帰るつもりでした。
しかし、満員。
同県内にある系列のお寺で、納骨堂の新造が決まっているのですが、それも「いつ着工するか」が不明。要するにいつできて入ることができるかも不明なのです。
母はそこの見学にも行ったようですが、結局何も全て不明ということだけが判明しました。
しょうがねえなこればかりはと、我が家で一番ネット中毒の私がネットで納骨堂を探した結果、「いいお墓.com」というサイトを見付け、いくつか条件を入れて資料請求したのが4か所。ただしうち1か所は母が見学に行ってたので母には資料を渡さず。
残りのうち1か所は母が「遠い」と。まあね、母も私も妹もこれから老いるだけだし、そうなると遠い所(片道多分1時間ちょい)は確かにしんどいわねえ。却下。しかしここがいちばん営業熱心だった。「いかがですか」と、こちらの進捗を確認する電話を(3回も)掛けてきたのはここだけでした。しかし(3回目で)お断り。
さて残るは2か所。
年が明けて今年、1月上旬に1か所、数週間後にもう1か所の見学に、母と2人で行きました。
(妹は日曜のみが休みなので休ませておいて、見学は平日に済ませてた)
2か所目の見学が終わった後、母に「どっちがいい?」と訊かれたので、「私は先に行った方がいいかなあ」と答えたら、「お母さんもなんかあっちの方がいいと思う」と。
金額的なものはどちらも殆ど同じなんですよ。管理費が年間で3,000円違うけど、例えば30年お願いすれば、なんやかんやでトントンになるかな?ってぐらい。両方とも宗教宗派問わずだし。
(経営するのは宗教法人なので、そのお寺が何宗か、というのはありますが)
しかし、私が「先に行った所の方がいい」と思った理由は、後から行った納骨堂(お寺)はYouTubeにチャンネルを持っていて、そのお知らせがエレベーターの中に貼ってあったんですよ。
そこに載ってた、動画のキャプチャだと思われる画像に、ご住職が写っていたのですが、「うーん、なんか嫌だなあ」と。
「説明できないけれど嫌な感じ」って感覚ないですか。「生理的に嫌」という嫌悪感とも違う、「なんか嫌」としか言えない感じ。
それが決め手でした。あくまでご住職にお会いしたことはない私の感覚なので、嫌な人ではないだろうなとは思います。
まあ、それがなくても先に見学に行った納骨堂の方が私の中ではポイントが高かったのですが。
後から見学した所も、まだできて10年経っていないので新しくてキレイだし、立地や駅からのアクセスは凄く良いんですよ。駅からバリアフリーのルートもあるし。
こちらも充分良い所なのでお勧めできます。
さて、母と話をまとめてから妹に説明、「いいんじゃない?」ということで決定。
最初は三回忌前にというつもりでしたが、結局は三回忌は実家近くのお寺にお願いし、三回忌を終えた約1か月後の本日、契約手続きとなりました。
妹もGWでお休みなので一緒に行き、中をもう一度見学させていただきました。
納骨堂の何がいいって、お墓周りの手入れとか墓じまいの煩雑なことがないんですよ。
ただ、自分の親戚、ご先祖、友人など、自分がお参りする対象の人たち「だけ」にお花を供えたい、好物を供えたいというのができないのはデメリットかなと。
お花やお供物を持っていくことはできるのですが、お墓の仕組み上そこに供えることはできず、持ち帰るか納骨堂に預けて、本堂にお供えしていただく形になります。
納骨堂の仕組みって、大雑把に分けてふたつあると思います。私の知る限りですが。
ひとつは、伯母たちが買った、ロッカータイプの納骨堂。
ずらりと並んだ扉の中に骨壷を収め、お参りの時はその扉を開けていただきます。
生物でなければお供物も入れられるし、お花もお供えできます。(多分その後、お寺の方でまとめてしまうとは思うけど)
もうひとつがうちが契約したような、「立体駐車場」(by納骨堂のスタッフさん)タイプ。
奥に、お骨を収める「厨子(ずし)」がマンションの部屋のように並び、お参りに来て手続き(説明割愛)すると、機械でその厨子が運ばれてきて、お参りの場所に置かれ、お参りが終わるとまた所定の場所に戻る、というもの。
どっちが良いかはその人の価値観によるので何とも言えません。ロッカータイプを古いと思う人もいれば、後者を「機械的で温かみが足りない」と思う人もいるかもしれません。
私はどちらも「へえー、いろんなのがあるのねえ」でした。バカっぽいけど平和な感想。
私が知っているのがこのふたつのパターンなだけで、他にもいろんなタイプがあるかもしれませんが、調べるのも面倒なのでパターンの話はここまで。
さて本日、無事契約手続きを済ませましたが、この後は支払い、義父の納骨(日程未定)があります。
納骨の時はうち家族だけなのか、義父の妹さんにも来ていただくのか、その場合駐車場の予約は、などなど。
母はボケてはいませんが、たまに歳なりに判断や理解が鈍い時があるので、私(暇人)がサポートしつつ(納骨堂のスタッフさんもそのつもりなのか、母と私と同じぐらい話を振ってきた)、恙無く納骨まで済めば、と思います。
まあ、難しいことはないし、大丈夫でしょう…。
めんどくせえのは義父の田舎のほうで、「分骨してくれ」と葬儀の日に言い出したかと思えば(火葬後に急遽小さな骨壷と埋葬許可証を用意していただいた)、誰に何を吹き込まれたのか知らんが、「骨を分けるなんて」とか言い出してるらしいし、まだお墓に入れてないと知るや「タカシはお墓にも入れないで可哀想だ」(東京はお墓も住宅難なんだよ)だの何だのと…。
私は義父の田舎とは何のしがらみもない(ついでに言うと書類の繋がりもない。後述)ので、「うるせえ」の一言で済ませられるのですが、私がそう済ませた後にめんどくさい目に遭うのは母なのでな。
私は、母が義父(初婚)と再婚した時に、義父と養子縁組をしなかったので、苗字が違うのです。母が離婚した学生時代から名乗ってた、母の旧姓を名乗っています。未だに。未だに。
別に母と義父の結婚に反対だった訳ではなく(むしろ大賛成)、私もこの苗字で作り上げた人間関係もあったし、いろいろめんどくさいので(この理由が一番大きい)、苗字は変えない方向で、となりました。
別に義父を嫌ってるわけではないよという事は、母から伝わってたようなのでご心配なく。
なので、銘板(お墓の正面に当たる部分)に名前を彫るのに、うちは義父・母・妹の苗字と、私の苗字の両方を入れることになります。何せ私(も妹も)今のところ未婚なので、家族4人で同じお墓に入る予定です。
今日納骨堂のスタッフさんに訊ねたところ、義父の苗字を普通サイズに、私の苗字を小さいサイズにしてもらうことが可能でした。割と自由が効く。
何がめんどくさいって、もし同じサイズでふたつ苗字が並んでるのを見たら、義父の田舎で何を言うかわからねえということです。
何のしがらみもない私が「私も入るのだが何か?」と立ちはだかればいいのですが、私がいないところでそういう話になると立ちはだかれないのでな。
あ、同じお墓に入ることについては義父が生前、「ハレは1人じゃ可哀想だから、一緒のお墓に入れるようにしよう」と言っていたそうなので、母のゴリ押しとかではないです。ご心配なく。(2回目)
(義父が、「ハレは一生結婚できない」という認識でいたことに関しては不問とする。事実なので(泣))
私は別に、陰で誰に何を言われようと気にしないんですが(正面切って言われても、正しいこと以外は「めんどくせえなこいつ」ぐらいの認識)、私が「うるせえな」と弾き飛ばしたところで、全てをぶつけられるのは母なのでね、その辺の塩梅がめんどくさいね。
納骨をいつにするか、それについては母の気持ちに任せようと思います。
納骨堂だけはね、伯母たちの買ったところで空きがないと聞いて慌てたので急いで探したけれど、どうにかこうにか、場所は見つけたので、一段落ついたかなと。
めんどくせえ田舎の戯言はいつでもきやがれ、四十路後半図々しいオバチャンパワーで薙ぎ払ってやるわい。
(※四十路後半女性がオバチャンパワーを常備しているとは限りません)