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日記#43 セカンドオピニオン当日、そしてキリスト先生の悩ましい選択肢

2023/11/15

火曜日はセカンドオピニオンへ。
さんざん悩んだ挙句受けることに決めたセカオピの日がついに来た。もはや後には引けない。

朝早く、通勤の人たちに揉まれつつ電車に乗って辿り着いたセカオピ病院。2度目の訪問だけど、やはり現代的で綺麗な巨大建造物。定刻よりやや早めに着いたので少し待ってから受付。説明を受け、先に会計を済ませ、セカオピを受ける部屋前に案内される。

そしてセカオピ。室内で対面したのは眼鏡をかけた、まだ年配ではない男性の先生。メモを取る了承を得て着席。書類を渡しに行った際の担当の方に言われた通り、話が始まる前に主治医の先生からは余命やステージについては伝えられておらず、またそれを伝えられることを希望していない旨をお伝えすると、その点に気をつけてお話しましょうと仰ってくださった。

まず私が最初の開腹手術を受けた日にちについての確認から、しかしながらそれは今の病院で治療が開始した日付であった。のっけから間違い。気を取り直してこれまでの経過の確認を続けるセカオピ先生。だけどゼジューラ開始日も間違い。8月ではなくて7月なんですよ…恐縮です。割と重要な日付が2つも誤りであったことにやや不安を覚えるも、書類に元々不備があった可能性があるし(キリスト先生は超良い先生だけど、私の通っている大学病院はたまにアレッ?ていう情報の行き違いがあるのだ)、訂正しつつお話を聞くことを続けた。

結果として、当初キリスト先生から伝えられていた手術という治療法は私にはおすすめしないというお話だった。再発した卵巣がんに対して手術が有効な場合というのは色々条件が絞られており、私はそれに該当しないこと、またその条件に合っていたとしても、そもそものエビデンスとして使える症例数が少ないということで、ではどのような治療法になるかというと抗がん剤による治療ということだった。そして、前回行ったTC療法から4ヶ月あまりでの再発であるため、プラチナ製剤の効果の薄いタイプの卵巣がんであるということで、それとは別の抗がん剤治療が標準治療ということになるそうだ。把握。

概ね以上のようなお話をして、ドキドキのセカンドオピニオンは終了した。時間にして15分くらい。最大45分までということだったが持ち時間よりも短く終わった。でも長くかかれば良いというわけでもないし、セカオピ先生のお話は分かりやすく明瞭であり、十分納得行くものだったのでセカンドオピニオンを受けて良かったと思った。病院スタッフの方の対応もきめ細やかで、当初キリスト先生の秘書Nさんが仰っていたようなお高く止まっている感じでも、ソーシャルワーカーOさんが仰っていたような杓子定規な感じでもなかった。セカオピ終了後セカンドオピニオン改善のためのアンケートがあったので、あちらも顧客満足度の上昇のため努力しているのだろう。素晴らしい心意気。

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まあそんな感じで私のセカンドオピニオンは無事終了した。その後は病院のカッフェで昼食を摂り、マッサージ店で肩と首をほぐしてもらい、モールで買い物をして帰宅した。



そして本日は我が主治医、キリスト先生の診察日。セカオピ先生のしたためてくださったお手紙をカバンに忍ばせいざ病院へ。予約では先に緩和ケアカウンセリングでキリスト先生の診察は午後からだったけれど、受付後すぐにお呼ばれし、診療科の受付で確認したところNさんがいらして先にキリスト先生の診察を受けることになった。セカオピ先生のお手紙は診察前にあらかじめNさんにお渡しした。

そしていざ診察。セカオピ先生のお手紙を参照しつつ、キリスト先生はまず手術については色々な考え方があると仰った。そして、手術は効果があるかないかのどちらかであり、一方で抗がん剤治療はある薬が駄目でも別の薬がある、という風に余地があるというようなことを仰った。何にせよ、どのようにするのが良いかというのは悩ましいところだけれど、過去二回の手術は私にとってあまり良い記憶とはなっていないだろうし、またセカオピ先生の方からかなり強めに手術はおすすめではないと言われている以上その選択は得策とは言えないだろうということで、手術の線は無くなった。そして、今行っている治療というのは痛み止めで痛みを誤魔化しているというに留まるものであるので、今後は抗がん剤治療を行っていくということになった。

そして、その抗がん剤治療を行う場所として、今私が通院していてキリスト先生が勤務されている大学病院で行うという道以外に、セカオピ病院でその治療を行うという道を示された。
先生によれば、セカオピ病院はがんの専門病院でありその治療成績が優れているが、それだけではなく精神的なケアに関しても今の大学病院より優れているらしい。そして、今後抗がん剤治療を続けていく上で私が被ることになるであろう精神的ダメージを考えると、そのケアに秀でるセカオピ病院で治療を受けるという選択肢も勧められるということであった。

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これまで婦人科腫瘍の治療医として多くのがん患者の方と接してきた上で、先生はそのような提案をなさったのだろう。その経験や知識といった裏付けと、私に対する心遣いから、先生は私にとっての利益を最大限に考えそう仰ったのだ。ならば、その選択肢について、私は真剣に考えなくてはならない。

先生の診察が先んじた事でその後になった緩和ケアの面談で、私は心理士さんに前述の先生の提案についてお話しした。セカンドオピニオンの時もそうだったけれど、今回の選択も到底その場で決められるものではなかった。だから先生にも、この後心理士さんとお話するのでそこでの相談も踏まえ、考えてからまた来週の診察の時にどうするかお答えすると申し上げた。

とはいえ心理士Gさんが私の代わりに答えを出してくれるわけではない。そもそも心理士とはそういう仕事でもない。あれこれお話する中で、自分の考えをまとめていく、その手助けをしていただくのが主だと思う。今回も私のその話を聞いてもらい、それに対してフィードバックをいただいたりして、ふたつの道のいずれにも私にとっての長所があって甲乙つけ難い、心情的には今の大学病院で診てもらいたい気持ちが変わらず強くあるけれど、セカオピ病院での治療についても先生が推されるだけのメリットがある。先生も伊達や酔狂で推しているのではない。そこで迷う私の気持ちをよく理解していただいた。

また一方で、キリスト先生の仰るセカオピ病院の優れた点である専門家によるメンタル面でのサポートについて、そうしたサポートが必ずしも精神科医などの専門家でなければ出来ないとか、またそうある必要があると言うわけではない、ということをご指摘いただいた。キリスト先生はこの大学病院には常勤の精神科医がおらず、一方セカオピ病院には常勤の精神科医が夜間も常駐していてそうした体制が整っていることを根拠にセカオピ病院のメンタルケアを評価しておられるけれど、大学病院の緩和ケアの看護師さんもそうしたケアという点では非常に優れていると、身内贔屓ではないということを付け加えつつGさんは仰った。確かに私がこれまでお会いした緩和ケアの看護師さんお二人はとても頼りになったし助けてくれる方々だった。今そのお二人は残念ながら緩和ケアにはいらっしゃらないけれど、それでも今緩和ケアにいる看護師さんもやはり同様のスピリットをお持ちであるとGさんは仰った。

さらに先日の整体師Fさんから贈り物をいただいたエピソードなど、Fさんについてお話すると、病院の医療者に限らずとも、私にとって精神的な支えになると感じられる、そのことが大事だとGさんは仰った。セカオピ病院の先生方とも私ならば関係を作っていけるだろうと言い添えていただきつつ、Gさんからは今回そのような事を言っていただいた。

キリスト先生がセカオピ病院での治療という選択肢を提示されたのも、患者である私にとって最も良い、納得のいく治療を受けてもらいたいという優れた配慮によるものであるはずだ。であるならば、私は最も自分の心に適う選択肢を選ぶ、それこそが筋であり、キリスト先生の医師としての、そして人としての優しさにお応えする道であるのだろう。次の診察まで1週間、Gさんが仰ってくださったように、悩みすぎないように気を付けつつ一生懸命考えたいと思う。

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セカンドオピニオンに引き続き、またまた非常に悩ましい選択をすることになった。それに際してもキリスト先生からは様々なご配慮をいただき本当にありがたい。先生が私の主治医で良かったと思うのはこれで何億回目だったっけ?まあとにかく、来週の診察までにこの件に関してはきっちり答えを出さねばなるまい。

この日記もここで終わっておく。またしても長くなってしまったけれど、読んでくれたあなた、どうもありがとう。

それではまた、別の日記で。

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