仏作って魂いれず

表題です。意味はググっていただければ。

俳優さんで、セリフ、立ち位置・動線、共演者との掛け合い、踊り、歌完璧な演技を板の上でされている方がいます。

自分はすげ〜、とは思うかもですが、「メッセージ」感じることが無ければその俳優さんの演技をもう一度観たいと思いません。
唯一、演出的に「メッセージ」を発することが出来ず、その「形」をこなすことが目的である演目の役を除いて。

「メッセージ」とは?なのですが、作者さんがその作品を通じて伝えたいこと、演出家さんが、俳優さんがその個人として、俳優さんがその役として観る人に伝えたいこと、と理解してください。
その「メッセージ」は見る側、受け手によって違うものになるかもしれません。
「伝えたいもの」と「伝わったもの」が違う、ことは日常でもあることだと思います。そう言うこと伝えたかったんじゃないんだけどなぁ、を経験されたことない人、いないと思います。

皆さんであれば、恨み、辛さ、悔しさ、それを決定する希望がある、と言う場合どういう表現するでしょう?
叫ぶ、泣く、うずくまって震える、笑うなどなど。
正解ないやつです。
この表現が観ている方にどう伝わるのか。笑顔から恨みを受け取る方少ないかも知れません。切り取られた瞬間であれば。
「高瀬舟」森鴎外の作品です。読まれたことない方は読んでみてください。この中で出てくる喜助と庄兵衛のやり取り。語られる世界を想像するのは受け手である読み手です。剃刀を引き抜いた瞬間の喜助と高瀬舟に乗っている喜助は同一人物。

切り取られた瞬間、の前後の連続するストーリーまで含めて、ということが伝えたくてわかりにくい例を引いていますが。

自分が「伝えたいメッセージの裏打ちのある表現してね」と伝えた推しが2人います。

ひとりは俳優さん
ひとりは歌い手さん

この「メッセージ」の有無が自分がその俳優さん、歌い手さん繰り返し観たいなぁ、と思う所なのかなぁ、と気がついた、というかそうなんだろうなぁ、と自問自答している段階です。
彼/彼女の発する「メッセージ」を自分が受け取ることが出来ていないだけかも知れません。
自分にとっては伝わらない「メッセージ」は無い物。自分の未熟さ、経験の無さ、想像力や洞察力の無さ故かも知れません。
でも、自分が受け取れなければそれは無いもの、です。

セリフ間違えなかったこと、を誇る俳優さんよりもセリフ間違えるけど、死生感だとか世の無情、覚悟の凄まじさを伝えてくれる俳優さんが好きです。

ただ、これは観る側、としての場合。

自分は、俳優さんと一緒に彼/彼女の発する「メッセージ」を感じることができる様になりたいなぁ、の場合は「観る」ではなくて「応援する」になります。

伝えたいメッセージの裏打ちある表現、を求めた俳優さんでは無い俳優さんと舞台あと話したことがあって。

「こんな表現してたらメンタル持たないよー」
と話して頂いたことがあります。
作品は「火の風に乗って」、俳優さんのお名前はここでは内緒、で。

羨ましさ、楽しさ、悔しさ、辛さ、そういった全てを自分が感じたセリフは
「生きろ!」
でした。

その俳優さんに対してはこの作品観てから「応援する」ことがおごましくなり、どう演じるか観たい!になっています。

作品に寄った表現だと思うので観ている側にどう伝わるのか、はそこまで意識していなかったのかも知れません。
この俳優さんはもう、自分の応援するもっと先で演じることをなさっているなぁ、です。

自分がそこまででは感じない俳優さんは応援します。そこに観劇する人、を求めていれば。

自分の駄文を2023年の年末から読んでいただいている皆さんに向けて、なのですがこの綺麗にまとめることが出来ない感覚が発動しているのが今の自分です。

一旦以上!

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