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限界独身オタク男性がReference4で部屋の響きを補正した結果やっぱりルームチューニングが必要だわ!ベーストラップ作ろ……ってなった話

Reference4自体は凄く良かったです。補正の影響かな?と感じる悪影響らしきものも有りはしますが、総合的に見ると補正有りの音の方が全然良いですね。

定在波の影響が気になる

以前投稿したベーストラップの記事の中でも書きましたが、僕が今住んでる部屋の音響特性があまり良くなく、以前からほんのちょっとずつ改善を試みていました。ベーストラップの導入もその一環です。

中高域向けの吸音材や、ベーストラップを入れることで最初の頃と比べると段違いに改善されては居るのですが、それでもまだまだ十分とは言えない状況です。特に部屋固有の問題である定在波の対策が全然取れておらず、ベーストラップの導入で若干マシになっては居るものの、80~90Hz及び150Hzが大きく落ち込んでいる状態になってしまっています。

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部屋の周波数特性の測定結果(順番が前後するがReference4によるもの)

定在波の影響を抑えるには

 ・以前購入したベーストラップの設置量/設置位置の両方を増やす
 ・以前購入したものとは別タイプのベーストラップを新たに設置する
 ・大型の反射板を適切な位置に置く
 ・引っ越す

等の手段があるのですが、特殊な形状のワンルームであることや、予算不足であることが理由でいずれも現実的ではありませんでした。

そこで、定在波が発生してしまうこと自体は諦め、後処理により補正でどうにかすることで一旦の対策をすることにしました。補正によって発生してしまう悪影響があると聞いたこともありますが、一部の周波数が大きく落ち込むことによる悪影響の方がデカいだろ、という判断です。
勿論、物理的な対策で定在波の影響を抑えられるのが一番ですが、それは追々やっていこう、と導入前は考えてました。

やっぱReference4っしょ!

部屋の周波数特性を補正してくれるソフトはいくつかありますが、その中でも圧倒的に有名なのがSonarworksのReference 4だと思います。

他に有名なところで言うと、IK MultimediaのARC System 3でしょうか?

実用上は多分どちらでも良かったと思いますが、ユーザーの多さや、ブラックフライデーにほぼ確実に半額セールが行われることを考慮して、Reference4を選びました。

色々あって結局セール価格では買えなかったんですが、そのことについては以下の記事で説明しているので興味がある人は読んでみてください。

測定が結構大変だった

さて、補正ソフトというのは基本的に

1. スピーカーから測定用の音を出す
2. 測定用マイクで測定用の音を集音
3. マイクを通って戻ってきた音を解析
4. 解析結果に基づいて補正用のEQカーブを決定

ということを行っています(多分)。

また、より正確な補正を行うためには部屋の様々な箇所で測定と解析を行う必要が有り……何が言いたいかと言うと、Reference4で行う測定作業は結構大変ということです。

自分のリスニングポイントでの測定や、左右のスピーカーに密着して行う様な測定はまだ良いのですが、自分がリスニングポイントに居る状態のままで、前後左右あちこちにマイクを持っていき、40箇所ほどで測定を行うというのがめちゃくちゃ大変でした。

耳の高さを維持したまま手持ちでマイクを固定しなくてはいけないため、地味な作業の割にとにかく腕が疲れます。マイクの位置はReference4側で自動で判別してくれるのですが、これが上手く働かずに位置がブレブレになってしまって中々測定が始まらないということもあって、とにかく時間がかかりました。スムーズに進めば15分くらいで終わるっぽいのですが、僕の場合は30分以上掛かってしまいました。つらい……。多分慣れてくればどんどん早く終わらせられる様になると思いますが、この作業自体にあまり慣れたくない……。

測定結果と補正後の音について

上の方でも貼りましたが、測定結果は次の様になりました。

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うーん、デコボコ

大体聴感と同じ結果になったと思います。1kHzから上はスピーカーユニット自体が持つ特性が強く出てますが、それより下は部屋の音、というか定在波の影響が強く出てそうです。
(10kHzより上がなんかとんでもないことになってるのは多分測定誤差)

ちなみに使ってるスピーカーについては以下の記事で説明しています。

80~90Hzと130~140Hz辺りに特に強い凹みが、500Hzにも強めの凹みが見えますね。合ってるかは分かりませんが、80~90Hzが恐らく(スピーカーに向かった自分から見て)前後方向の定在波による凹みで、130~140Hzの方が横方向の定在波による凹みだと思います。500Hzの凹みは不明。これも定在波かな……?200Hz~400Hzがちょっと増幅され気味なのは机の反射の影響なんかなあ。

これがソフトによって補正されると次の様になります。

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緑が補正用EQカーブ 紫が補正後の特性

うーん、強烈なイコライジング。凄いですね、ローを10dBも持ち上げる羽目になってます。おかげで周波数特性はフラットになりました。周波数特性は。

この強烈なイコライジングを掛けた結果、当然ですが出音も強烈に変わりました。音を出した瞬間それはもうびっくりしましたよ。何か音がめちゃくちゃモッチリして聞こえるんですよね。そりゃまあ今まであった低域の大きな凹みが消えたらモッチリして聞こえますよね。というか今までがスカスカだっただけで、これが本来のバランスなんでしょうけど。

これでかれこれ8年くらい悩み続けていた「特定の周波数の音が消えてしまう」という問題がやっと解決した気がします。厳密に言うと解決というよりかは、その帯域の音が消えなくなっただけでしかないんですが、まあストレスは圧倒的に減りました。定在波で音が消えたりめちゃくちゃ大きくなったりすることに悩んでる人には強くオススメできます。勿論吸音材や反射板等で物理的に対策するのが一番ではあるのですが、かなり大変な領域でもあるので、一旦Reference4で対策してから考えるというのも大いに有りだと思います。

イコライザの補正量だけで言うと余り目立っていませんが、中高域もバッチリ改善されていて、今まで僕が聴いていた音は周波数的なピークだらけの音だったということを実感出来ました。フラットってこういうことかあ……ピークが聞き取りやす過ぎる……。

と、ここまでは手放しで褒めて来ましたが、実はちょっと気がかりな点があります。全然言語化は出来ていないのですが、補正後の音に対してどうしても違和感が拭えないんですよね。今まで聞き続けてきた音と違い過ぎて自分の頭が対応出来ていないだけなのか、それともEQによる補正という仕組みそのものが抱えるデメリットを感じているのかの区別が付いていないのですが、どうにも若干の気持ち悪さが残ります。

音が全体的に柔らかくなったと言うか、キレが無くなった気がするというか……。元々定在波によって本来のエンベロープが崩れたものを、EQで無理やり周波数的にはフラットになるように補正しているので、そこを感じ取ってるのかなあとなんとなく予想はしていますが、合ってるかは全然不明です。多分間違ってる(詳しい人居たら教えて下さい)。

ということで、ベーストラップ作ります

定在波による低域の減衰が改善されたのは良いものの、音に対する若干の違和感が拭えないのと、あまりにも補正量が大きいので少しでも減らすために、思い切ってベーストラップを増やすことにしました。

と言っても、今設置してあるベーストラップや、その他市販品のベーストラップは部屋の都合上置くのが難しい状態です(同じベーストラップを買って更に積み上げるのは有りですが、別方向からアプローチを掛けてみたい)。

置けるものが無いなら作ればいいじゃない!ということで、部屋に置けるベーストラップを自作することにしました。今現在設計中ですが、方式としては”Limp Mass Membrane Bass Traps”と呼ばれるものを使う予定です。

どういったものかは下記参照ですが、簡単に言うと「枠に貼った薄い膜が振動することで吸音する」と言うものです。

https://www.acousticsciences.com/art-noxon/limp-mass-membrane-bass-traps

詳細はまた完成したらnoteに記事をアップしますので、興味ある人は半年くらいお待ちください。

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