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素材の時代がやってくるのか?

色々調べていたのですが、素材の時代がやって来るのではないか?と考えています。

エネルギーセクターと素材セクター

元々20世紀は石油の時代21世紀はレアメタルの時代だなんて言われていましたが、レアメタルは一部のハイテク製品に微量が使われるだけでした。
また安価なシェールオイルの登場で米国が石油輸出国となり、まだまだ石油の時代を続けるのかと思われていました。

しかし、民主党政権のブルーウェーブによって米国が再エネ・EVに舵を切ることが明確になり、欧州と同じ方向を向きました。

これは再エネシフトが世界標準になったということであり、それに従わざるを得ないということです。

では何が起きるのか?

これは、今までのエネルギー源である石油や石炭を太陽光や風力、水素などの再生エネルギーに置き換えるという壮大な取り組みになります。

EVバッテリーや電力を貯蔵するストーレージといった電池にはリチウム、コバルトなどのレアメタルが必要です。また、ソーラーパネルにはシリコンが必要です(こちらは豊富にあります)。

もしほとんどの住宅にソーラーパネルが設置されているのが当たり前の世界になり、それをストーレージに貯蔵し、好きな時に使え、EVを充電することもでき、マイクログリッドで電力を融通し合えるようになったら?

もはやエネルギーセクターは不要になります。

石油や石炭といったエネルギーは、シリコン、リチウム、コバルトといった素材(金属)に取って代わられ、各家庭がエネルギー生産者となってエネルギーセクターは無くなってしまうのではないでしょうか?

つまり、エネルギーセクターが素材セクターに食われるのではないか?と考えています。

下のグラフはGICS10セクターでエネルギーセクターと素材セクターのウェイト推移を見たものです。

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リーマンショック前はエネルギー15%、素材10%もウェイトがあったのに、どちらも今は5%しかありません。しかし、素材セクターは足元反発傾向で、まさに今、エネルギーセクターのウェイトを逆転しそうになっています!

逆転すればとても象徴的な出来事です。素材の時代が来ることを物語っています。

バッテリー素材各種の成長率見通し

石油と石炭を置き換えていくには一体どれだけの素材が必要なのか?

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上チャートはバッテリーに使われる金属の需要見通し(トン)と成長率です。2020年から20年後の2040年には需要は6倍以上になっています。成長率ではリチウム13%、コバルト8%、ニッケル15%、グラファイト10%、マンガン10%となっています。

下記はもし2018年時点の世界の自動車生産がすべてEVになった場合、どれだけ金属需要が変化するか試算したものです。

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リチウムは+3000%増加、30倍、コバルトは+2000%、20倍必要になります。

高い成長率でも非常に長い道のりということです。

CAGR(年平均成長率)が20年間という非常に長い期間で10%~15%期待できるだけで十分驚異的ですが、データは2018年のもののため、民主党政権による再エネ投資は織り込まれていません。

ブルーウェーブを織り込んだり、EVの普及率見通しを引き上げるだけでCAGRは20%超となる可能性も十分あります。

また、太陽光パネルの原材料であるシリコンも向こう5年は年率15%の需要増加は期待できると思います。


とりあえず最も象徴的なリチウムについて調べてみました。

リチウム価格の推移

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