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2020年の夏に、KING OF DANCEと出会えて救われた話。

 本当に本当に偶然の出会いだったんです。

 元々7ORDERのファンをやっておりまして、2019年にヒプステにちょこちょこ行ったりするようなヲタクで。推しは阿部顕嵐くんですけど舞台とダンスが兎に角好きなもんで、この間の年末年始は舞台「RADICAL PARTY-7ORDER-」に通い詰めては、多ジャンルのダンスの波状攻撃に幸せで死にそうになってたりして。あとライトなゲーマーなので、携帯で遊んでた刀剣乱舞、ミュージカルが一斉配信だっていうからGWはそれ見て過ごしてたりして。そんな感じの地盤は出来上がっていて。

 DMMで双騎出陣に課金して見た(そしてハマった)直後に、TLに流れてきたんですよね、「今晩BS日テレで第一話放送です」と。(多分洸くんのツイート)「あきらとジョーイと侑くん…?知り合いばっかりやん(※語弊)」と思ってドラマを見たのが最後、そのままずぶずぶとのめり込み、舞台のチケットを取り、行けない日程は配信を買い、今に至る。

 あの時の洸くんのツイートを見なければ、放送当日(何なら関西圏では既に放送済の段階)まで全く存在を知らなかったこのキンダンプロジェクト、正直こんなにハマるとは思っていなくて、色んな偶然が重なった、奇跡の出会いだったと、個人的には思っている。

 そもそもこの、エンタメに制限が掛かっているこのご時世に、「ダンス」を題材にした舞台というだけでハードルが高いのに、色んな手を尽くして、開催されたということ。そして、見たくても見られない人が少しでも減るように、多くの回を配信してくれたこと。まず、もう、根本的にそのことに感謝したい。改めて、本当に有難うございました。

 その上、話の中でも、度々「応援する人とされる人」の関係について、暗に触れてくれているシーンも多々あり。

「チケットプレミア過ぎたのにも加えて、社会情勢的に座席も50%になっちまったもんだから、もうとてもじゃねーけど瞬殺で取れなかったー…」
「取れないよねーチケット…」
~中略~
「会えない推しへの愛を注いだ事実は公言するんだよ、推しとの心のディスタンスだけは離れてないって言い聞かせるために!」
「かける…わかりみ」

 分かるんだ、分かってくれちゃうんだ…。当の推しの口からこんなこと言われて、嬉しいような複雑なような気持ちで涙が出た初日。

 「ソーシャルディスタンス」というものが当たり前に浸透した今だからこそ、今回の舞台で度々登場した「心のディスタンス」と言う言葉。この言葉については脚本の吉谷光太郎さんが触れて下さっているので、特に私から何も言うつもりはないんですけど。でも、エンタメとの距離感、そして演者さんとの距離感、近い程いいというものではなく、適切な距離というものについても、改めて考えさせられる言葉だったなーと。

 劇場では、声は出せないけど、手拍子と拍手はさせてもらえたのがとても嬉しかった。ダンスバトル中、本当は声も出したかったけど(なので配信だとめちゃめちゃ出してる)、それでも客席で、パフォーマンス中の皆さんから手拍子を煽られた時、ほんっとうに嬉しくて。演出とか演技とかじゃなくて、今ここで、目の前に、画面の向こうにいる観客の、私たちの、私の手拍子が求められている、演劇は、一方通行じゃなくて、少なくとも今ここで繰り広げられている演目は一方通行じゃなくて、観客によって、より完成されていく演目なんだって、思ったら、それは私が愛したエンタメの形、ここ最近味わうことが出来てなかったエンタメの醍醐味だなって、そのことにも感動しちゃうくらい、私は生のエンタメに飢えていたんだと思う。よくよく考えれば、今までは考えもしない当たり前のことだったのに。

 勝敗が変わるのも、個人的にはすごく好きな仕組みだった。勝敗の付け方とか勝敗そのものとかはちょっとまた別の話ではあるんですけど、でも、「いち公演とて“同じ”公演なんてない」というエンタメの根本を示していただいたような、そんな気分。だって、舞台が好きな人は、舞台に通う人は、そこが好きなんでしょう?少なくとも、私はそこも好きな理由の一つだから。そして、どちらの結末も本当に「優しい」結末で、どちらの結末も見られて嬉しかったなぁ。どちらが正解とかではなく、どちらもきっと存在する結末、個人的にはそれでいいんじゃないかなと思っています。

 あとは、決勝のダンスバトル前の空くんの台詞「…ずっと見守ってくれている人たちとか」で、客席も照明で照らされるところが、個人的には物凄く沁みる…。勿論あれはブレスレットの持ち主の晴彦くんのことを指しているとは思うんですけど、でも、暗に、客席にいる我々観客も、空くんを、この舞台を、支える一員にしてもらったんだな、って。だってここちゃんと「人“たち”」って複数で言ってくれてるんですよ…そう思うと何度見てもここで泣いてしまう…。見守ってしかいないけど、見守ることで支えられたのなら、観客冥利に尽きる。エンタメ好きやっててよかった。

 私は、舞台が好きで、生で味わうエンタメが好きで、配信も勿論有り難く頂戴するけど、でもそれはやっぱりライブでのエンタメありきでの配信という感覚で。だからこそ、この舞台「KING OF DANCE」が、ライブでしか出来ないこと、ライブだからこそ生まれるものを大切にした構成だったことに本当に感動したし感謝したし、こんなご時世であっても、エンタメの、そんな側面を好きでいていいんだよ、と認めてもらえたような気がして、本当に救われました。そんな舞台にこのタイミングで出会えたことは、私の人生に置いてかけがえのない財産になるんだろうな、と思っています。大袈裟ではなく心から。

 勿論個人的にここが好きー!みたいなのはありますが、ここで言いたいのは今回の舞台の特性というか、演出とかの話なので割愛。HIDEくんの迫力あるブレイクダンスと笑顔のギャップにめろめろだとか、毎公演D2の覚醒前/後の対比が凄すぎて涙が出るとか、真城さんのMIURAボケが楽しみすぎて全公演見たいとか、そこへの海斗のツッコミキレキレすぎてそれもまた毎公演の楽しみだとか、チーム空海のダンスが好き過ぎるから定期的に今後も二人で踊ってほしいとか、ドロバの振付師とNAOTOの弟子としてのトッキーのそれぞれの顔がたまらないとか、JAILのダンスが息ぴったり過ぎて何度見ても鳥肌が立つとか、稽古場での駆と海斗のアドリブ合戦が上手すぎてもっと聞きたくなるのとか、ドロバの決勝ショーケースだけ系統違ってクールにカッコよくてトッキー天才すぎるだろ…とか、そういうのは今回はいいんです。(※ほとんど言ってる)

「届かせる、お父さんとの心のディスタンスは、ばっちりだよ…!」

 きっと、そんなHIDEくんと同じく、客席に、配信の向こう側に届ける、カンパニーと、私たち観客の心のディスタンスも、ばっちりだったと、私は思っています。近すぎず遠すぎず。互いにエンタメを愛する者同士として、一緒に、最高の夏を作り上げる一員になれたことを、嬉しく、また誇らしく思っています。

 笑っても泣いても残り一公演。色んな意味で忘れられない夏だった2020年ですけど、そんな夏を、キラキラな思い出で忘れられない最高の夏にしてくれた「KING OF DANCE」の大千穐楽、自宅から、心のディスタンスばっちりで共に迎えたいと思います。ドラマも含め、「KING OF DANCE」というプロジェクトに出会えて、本当に幸せです。最後まで、無事に、幕が降りますように。17時まであとちょっと。沢山のひとと、この想いを分かち合えたら本望です。配信まだ買えるので、ご興味のある方は是非!

KING OF DANCE

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