書く事が好きだった二人が書く事をやめてしまったお話。4
あの日から、彼らが私のもとに来る日数が減りました。
来たとしても、以前のように物語を披露することはなくなりました。
私は久々に訪れた彼女に問いかけました。
「もう以前のように物語は書かないのかい?」
彼女は答えました。
「たまには書いてますよ」
「だけど正直な話、そんな暇なんてないんですよね、今は」
「あいつ、私が見ていないとすぐどっかいっちゃうから」
私は尋ねました。
「今、貴方は楽しいですか?」
私は久々に訪れた彼に問いかけました。
「もう以前のように物語は書かないのかい?」
彼は答えました。
「たまには書いてるよ」
「でも、正直は話、あの子の話を聞いているだけでおなかいっぱいで」
「あ、そういえばこの前くれたお菓子美味しかったなぁ」
私は尋ねました。
「今、貴方は楽しいですか?」
彼女は少し照れくさそうに、でも、はっきりとこう答えました。
彼は少し照れくさそうに、でも、はっきりとこう答えました。
「はい、とっても」