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フィギュアスケート用インソールをオーダーメイド で作成する際に配慮すべき素材の種類・厚さ・硬さ・成型温度

スケート靴の中にジェルやエアーのインソールを入れて、膝や足首が痛くなった人に出会いました。世界中のスケート選手の靴の中を見る機会があると、色々なものが入っているので驚くことが多いのですが、靴底全面にジェルやエアーインソールを入れて練習をしている子供を見たのは15年以上この仕事をしている中で初めてでした!!!

国内では一般的にインソールというのは、単に靴の中敷という程度の理解が一般的です。靴底の釘とか縫い目とかザラザラが足に当たらない様にするための覆いと言った程度でしょうか...

英語やドイツ語、フランス語、イタリア語では「中敷」という言葉と「足を保護するリハビリ用具」といった二つの名前があります。日本語では後者に当たる言葉は「足底板」という理学療法用語がありますが、一般の人は聞いたことはないのでは?と思います。

SK8INSOLLで販売しているのはその「足底板」(足を医学的に保護する道具)をスケート補助用、スポーツ補助用、歩行補助用などに応用したもので、元となる技術はヨーロッパのアルプスの山々の周辺(イタリア、ドイツ、フランス、スイス、ベルギー、ポルトガル、スペイン、オーストリアなどなど)で発達した学問が由来です。

私が大学留学して最初にスポーツ医学を学び足病学を勉強しに行った北米はどちらかというとインソールは「コルセット」の様な足の固定用具がスポーツやリハビリ現場で使用し始められ、今私が販売しているSK8INSOLLの様な物は、北米にもつい最近入ってきたものなのです。

ジェルのインソールはどんなものかというと、発祥は私はアメリカだと思います。北米では硬い固定目的のコルセットの様なインソールや足を固定するコルセットしか20年以上販売されていなかったため、靴やインソールを使用して激しく動くと、足が靴やインソールに当たって皮がむけてしまったりします。ジェル的な緩衝材は、靴の中で靴の一部やインソールが足にあたる場所を保護するために必要でした。私もアメフトのアスレチックトレーナーインターン生時代はJohnson & JohnsonのSecond Skinというジェルのパッドを毎日アメフト選手の足に使用し、靴ずれを防ぐために使用しました。私自身スケート靴はどこもかしこもあたって痛いどころかいつも靴の中が流血の人だったので(超扁平足で膝は内側に入り腰は反っている最悪なアライメントでした...)、Second Skinを見つけた時はもう大感激でした。

しかし、結局この様なジェル素材やSecond Skinで当たりを逃がすのは対処療法であり、根本的に足のアライメントを改善してゆく道具ではありません。要するに痛み止めを飲んでいるのと同じで、何故そこに痛みが出るのか?と痛みの原因を見つけ出し、問題の根本から改善していくタイプの物ではありません。スケート靴は自分の足に合うものを使い、足のアライメントが良く、バイオメカニクス的に正し今方向に靴を押せていれば、ブンガパッドなど使用しなくても皮など剥けたり当たったりしないで本当は使用できるはずなのです。またバンドエードや靴連れジェルなどを入れる人はいたちごっこで、1箇所当たるところに保護材となるSecond skinを入れてもまた別の場所が痛くなったりします。

更に、靴底前面にジェルインソールや最近薬局や通販で販売しているエアーインソールを入れると、滑ったり歩く度に、足首周りの三角靭帯など、運動やスケートに大事な小さくて弱い靭帯が、極端に頑張って揺れる足底を靴の中で止めなくてはなりません。足の28個の関節が固くいカチカチ足の人やスピードに乗って大きく高くジャンプできる人は、足の靭帯ではなく、更に上部の膝の靭帯や腰で足元のゆらゆら・ぐらつきを止めなくてはなりません。

それなので、足病学的な怪我予防の観点の人はジェルやエアーインソールが靴の底全面や、かかとの下だけに入っているだけでも、「足・膝・腰の慢性的な痛みや怪我、いずれはそれらの大怪我に繋がるからなるべく使わないで、別の方法で解決しましょう」とアドバイスするはずです。

インソールの素材は非常に大切です。たった数ミリの素材を足の下に入れるだけで、かなり感覚が変わります。スケートでは、エッジの深さや安定感、ジャンプの踏み切りまで変わります。
ジェルシートを一枚入れるだけで、衝撃吸収されるほど簡単な動きをスケートやスポーツで行っていませんし、怪我の可能性が高くなる+逆に私は体も足も疲れるのではないかと思います。もしかしたら長時間マネキンさんとか警備員さんの様に同じ姿勢で動いてはいけない方が静止して立ち続ける、静止動作には衝撃吸収になって楽になるのかもしれませんが、そもそも動かないで静止状態にいることはあまり体には良くないので、なるべく歩きましょうね、動かしましょうねというのが最近の肩こり腰痛予防などでも一般的な考えです。

ジェルインソールの解説で、いかにインソールの「素材」が重要だということがわかっていただけたかと思います。オーダーメイドであれば何の素材でも良いので、インソールを作って入れれば解決ということでないということも明確になったと思います。

インソールをオーダーメイドで作成している人は通常は整体の人やスケート靴ショップの販売員さん、スキーブーツの方、義肢装具士さんなどの職人さんが多いです。ご自身の経験を頼りに仕事をしている方が多く、科学的な素材や構造、機能などを実証実験をしている方はいません。職人さんが入手可能な材料や、インソール メーカーの取扱説明書を読んでそこに書いてある技術を使い、職人さんの知り得る範疇の視野と経験と感覚でオーダーメイドインソールを作って販売している人が殆どです。オーダーメイドでインソールを作っている人の工房に行った時、材料が置いてある場所に実際にどれぐらいのマテリアルの種類が置いてあるか、しっかり自分の目でチェックして下さい。ほとんどの方が数種類しか在庫を持っていません。自分のインソール が他の人のインソールと全く同じ素材でできていたら、オーダーメイドではないですよね!!! 

また何の素材を使っているのか、どうしてこの構造になっているのか、スケートの滑動作で使用するとどうなるのか?などどんどん質問して、答えられない場合は要注意です。私は、スケートの滑動作についてしっかり理解しているスケートを滑ったことがある人にインソール作成をしてもらわないと不安です。素材も、安全性のテスト通過をしていないものを使っていたため、足の皮膚や爪、血行に問題を起こす場合がありました。私は自分が子供や選手、全てのクライアントに安全性や素材特性がテストされていないものを使用したくはありませんので、ドイツ、フランス、イタリア、オーストリアなどの素材メーカーに素材についての教育を受けに行き、十分理解してから素材を購入しています。

以上、私の知る範囲の事をお知らせしますが、何を選ぶかは、ご自身で決めることです。たかがインソールと思うか、それとも重要なスケート靴の中に入る一年付き合う道具と考えるかは人それぞれです。

私は弊社の経営理念「足病学とスポーツバイオメカニクスでBest Performmance&Active Lifeを創るグローバルな最先端カンパニー」に基づき、自分自身やスタッフがスケーターとして一生滑り続けるために、必要な道具や手段について、実証実験を繰り返し、現在提供出来るインソールのベストパフォーマンスと、科学的な説明責任を果しながら仕事をしていきたいと考えています。

今年は特に海外に出張に頻繁に出られないので、メールオーダー対応をしており、海外のクライアントはメールオーダーで対応しておりますので、国内の方もどうぞご使用ください。メールオーダーはこちらです。スクロールして、足や怪我のコンサルティングのフォームを記入して送ってください。



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