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エヴァンゲリオンを理解したい!(表)その5

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Bパートです。続きます。

英語タイトルはTHE BEAST
直訳では「獣」ですね。

ミサトの家に到着する二人。
家にはまだミサトの引越し荷物の段ボールがあります。

シンジ「お邪魔します。」
ミサト「シンジくん。ここはあなたのうちなのよ。」
シンジ「た、ただいま。」
ミサト「お帰りなさい。」
エヴァらしくない(?)ちょっといい感じの話。

ミサトの部屋は酒だらけです。
ミサトはアル中です。
見ればわかると思いますがw
よく見ると車雑誌が多く、ミサトの趣味が車であることもわかります。

ここからはほとんど考察することないのでのんびり楽しみましょう。

ミサト「やなことはお風呂に入ってパーッと洗い流しちゃいなさい。」
ミサト「風呂は命の洗濯よ。」
珍しくいいこと言うミサト。

ペンペン登場です。
シンジはペンギンを知りません。
シンジだけではなく2000年以降に生まれた子供達は皆南極の生き物を知りません。

シンジ「葛木ミサトさん。悪い人じゃないんだ。」
そ、そうかな…悪意はないけどシンジくんへの精神的ダメージ結構与えてる気が…

ミサト「風呂は命の洗濯よ。」
シンジ「風呂って嫌なこと思い出す方が多いよな。」
第壱話のフラッシュカット。
このフラッシュカットがエヴァらしい表現ですね。

ここで初登場エヴァンゲリオン試作零号機
この時のカラーは黄色です。

リツコとゲンドウが話しています。
リツコ「レイの様子はいかがでしたか?」
リツコ「午後行かれたのでしょう?病院に。」
病院でゲンドウはシンジの見舞いには行かずレイの見舞いには行っていたようです。結構えぐいことレイにさせる割に息子よりは大事な様子。

ゲンドウ「あと、20日もすれば動ける。」
ゲンドウ「それまでは凍結中の零号機の再起動を取り付ける予定だ。」
ゲンドウはエヴァ零号機に固執してる様子。

リツコ「辛いでしょうねあの子たち。」
リツコはパーツとして扱われるパイロットに少し同情している様子。

ゲンドウ「エヴァを動かせる人間は他にいない。」
ゲンドウ「生きてるかぎりそうしてもらう。」
リツコ「子供達の意思に関係なくですか。」
ゲンドウからすれば生身の子供載せたくはないのでしょう。
子供達が心配ではなく、信頼置けませんからね。兵器として不安定ですし。
リツコは同情しつつも自分の仕事として受け止めているよう。
ゲンドウに心はなく、仕事一筋人間ですが、リツコは心がありつつも仕事ととして割り切る人間であることがここからわかります。

背景のエヴァ零号機のエントリープラグの総入口には十字架の装置が取り付けられています。
これは「停止プラグ」と呼ばれるエヴァの制御装置の一つです。
これ以降出番ないですが…

場面変わってシンジの部屋へ。
シンジのSDATはトラック25と26を繰り返しています。
エヴァが全26話であることを示しているとされています。

ミサト「そう、あんな目にあってんのよ。また乗ってくれるかどうか」
リツコ「彼のメンテナンスもあなたの仕事でしょ?」
ミサト「怖いのよどう触れたらいいか分からなくって。」
リツコ「もう泣き言?自分から引き取るって大見え切ったんじゃない。」
ミサト「うっさい!」
ミサトとリツコは同僚でもあり大学時代からの親友でもあります。
リツコはまだ仕事しているようですね。
NERVでの研究はブラックそう。

ミサト「あの時、私はシンジ君を自分の道具として見ていた。」
ミサト「リツコと同じか。」
ミサトほどリツコは使徒戦滅に固執してないと思うのでリツコと同じではない気もします。
パイロットである子供達を大切にしたい反面、戦いのためのパーツとして見てしまうのがNERVの大人たちです。ゲンドウは本気でパーツとしてしか見てないようですが。

ミサト「あの使徒を倒したと言うのに、嬉しくないのね。」
2000年の惨劇を経験している人からすれば倒してうれしいのは分からなくもないですが、その惨劇を知らない子供達にはピンとこないでしょうね。
嬉しいよりも怖いの方が大きいのでしょう。

シンジ「ここも知らない天井。」
シンジ「この街で知ってるとこなんてどこにもないもんな。」
ミサト「ここはあなたのうちなのよ」
シンジ「なんでここにいるんだろう。」

エヴァのメインテーマの一つでもある「なぜここに僕(私)はいるのか」
物質的な居場所はもちろん、精神的な居場所としても考えていきます。

再びフラッシュカット。

エヴァと使徒の戦闘の続きです。
青葉「頭部破損、損害不明。」
職員「活動維持に問題発生。」
ミサト「状況は?」
マヤ「シンクログラフ反転。」
マヤ「パルスが逆流しています。」
リツコ「回路遮断、せき止めて。」
マヤ「ダメです。信号拒絶 受信しません!」

このパニックになっている司令室の描写いいですね。
全く制御が効かないのもエヴァの特徴でもありますね。

ミサト「シンジ君は?」
日向「モニター反応なし生死不明。」
青葉「初号機、完全に沈黙。」

パイロットとの接続は切れ、初号機も外部ダメージにより起動不可能の絶対絶命です。

リツコ「ミサト!」
ミサト「ここまでね。作戦中止、パイロット保護を最優先。」
ミサト「プラグを強制射出して!」
マヤ「ダメです。完全に制御不能です。」
ミサト「なんですって!」

現場は大パニックなのに、ここまでゲンドウ何も口出ししません。
エヴァの特性を信じているからでしょうね。

シンジのパニック描写。
生きてはいますが、パルスの逆流により初号機のダメージやストレスをダイレクトに受けているのでしょう。
この段階で、司令室はエントリープラグ内をモニターできていません。

職員「エヴァ、再起動。」
マヤ「そんな…動けるはずありません。」
ミサト「まさか…」
リツコ「暴走…」

初号機の暴走が始まります。
大暴れでかっこいい

冬月「勝ったな。」
風呂入ってくる…ではありません。

ここでようやくATフィールド発生です。
この時点まで使徒はATフィールドを発生させていません。(ここ重要)
第壱話の国連軍の攻撃時には1度もATフィールドを展開していません。
ゲンドウや冬月はなぜ嘘を?その答えはかなり後で判明します。

ミサト「ダメだわ、ATフィールドがある限り…」
リツコ「使徒には接触できない。」

初号機は潰された左腕を復活させます。
青葉「左腕復元」
ミサト「すごい!」
科学もへったくれもありません人外未知の超能力です。

初号機がATフィールドを破ろうとします。
マヤ「初号機もATフィールドを展開。」
マヤ「位相空間を中和していきます。」

位相空間は数学用語ですね。「集合にある種の情報を付け加えたもので、この情報により、連続性や収束性といった概念が定式化可能になるもの」ですね。
なーに言ってるんだ?ってなっても大丈夫です。なんとなく解説します。
作品内においては多次元空間を強調する意味で使用されています。
使徒やエヴァの周囲に展開するATフィールドも位相空間の一種として考えられます。
ATフィールドが実在の物質による障壁ではなく、高次元空間に存在する別の空間であると言うことです。
つまり、バリアになる物質を出現させたのではなく、別の空間そのものを出現させたものであると考えてください。
その空間は使徒やエヴァによって固有のものであり、それを中和することで接触を可能にします。

リツコ「いえ、浸食しているんだわ。」
中和だと使徒とエヴァが歩み寄って位相空間を合わせているように思いますからね、今回は一方的にエヴァ側が浸食してると考えて良いでしょう。

ここからは初号機による一方的な攻撃です。
使徒の血の描写がありますがよく見てください。ここでの使徒の血の色は「」です。

そして、使徒の自爆攻撃で戦いは幕を閉じます。
ここでの自爆攻撃、結構賢いんですよ。
人外未知の情報だらけの使徒の情報を人類に渡さない行動として最適の行動です。
さすがです。

爆煙の中をゆっくり歩く初号機
多分ですがこのシーンは宮崎駿監督の作品である「風の谷のナウシカ」に登場する巨神兵のオマージュであると思います。
庵野秀明監督が自分の師匠として宮崎監督をあげてますからね。

リツコ「あれがエヴァの…」
ミサト「本当の姿。」
ニヤリと笑っているゲンドウ。
エヴァの中の秘密の存在の一端が見れて嬉しくてしょうがないのでしょう。

青葉「回路接続。」
マヤ「システム回復、グラフ正常位置。」
シンジは何が起こっていたのかわかっていない様子。
無意識状態であの暴れっぷりは凄すぎる。

日向「パイロットの生存を確認。」
リツコ「機体回収班、急いで。」
ミサト「パイロット保護を最優先に。」
ここでようやくプラグ内を確認できています。
まだテストタイプの初号機にはこんな風にシステムの調整が未完成です。
また、国家機密を超えた超機密のエヴァを晒し続けるわけにも行かないので機体回収班は大忙しです。
パイロットの保護はシンジを心配してではないと思います。
戦闘マシーンとしてのエヴァにとって現状最も大切なパーツはパイロットです。
動かせないとただの的以外の何者でもないですからね。

初号機の頭部パーツが落下します。
シンジがおそるおそるビルの窓に映る初号機の真の姿を見ます。
よく見るとおでこの部分に使徒にあった仮面のような意匠が見受けられます。

初号機の目が再生します。
人間のような目です。

初号機に見つめられ、シンジは絶叫します。
この時初号機は自分の中にいるシンジを見つめていたのでしょう。
シンジはまだシンクロ状態なので、その異質な状況に怯え怖がったと思います。

再びシンジの部屋へ。
ミサト「シンジくん開けるわよ」
ミサト「一つ言い忘れてたけど…」
ミサト「あなたは人に褒められる立派なことをしたのよ。」
ミサト「胸を張っていいわ。」
ミサト「おやすみ、シンジ君。」
ミサト「頑張ってね。」
シンジはまだ戦闘のフラッシュバックで怯えています。
そこに追い討ちのようにまだ戦えと言うミサト。
なかなかえぐい描写。
大人と子供の分かり合えない溝がここにあります。

そしてEDのFly me to the moonへ
ちなみにこの横でクルクル回っているのはレイです。

次回予告
「新たな生活を状況に流されるまま送るシンジに友人が生まれるはずもなかった。」
辛辣すぎるシンジへのぼっち宣告。
「だが、エヴァのパイロットである事実は彼を人気者にする。」
不幸すぎる…主体性のない人気者ほど辛いものはないでしょう。
「次回、『鳴らない、電話』」
「この次もサービスしちゃうわよ。」
まだサービスがあるので安心です。

次回第参話Aパートに続きます。

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