【短編】夢。

追われる夢を見て起きた。命からがら逃げるとはこういうことだ、と思った。吉本ばななの「白河夜船」で、リアル過ぎる夢から目が覚めて、現実を理解するまで頭がガンガンした、という表現があったけどそんな感じだ。
あんなに死にたがっていたのに、殺されそうになって逃げるなんて。あ、でも、痛いのは嫌だもの。
夢の中はあり得ないことが起こっているのに、それを受け入れてしまう。夢の中では同じ台本を、違う役者が、キャラクターが、演じていく。話は同じ。
最終的には助かる。命の保証がされている。でも、ギリギリを攻めている。
助かる保証、思い込みとでもいうべきか。結局は死ねないということが、わたしの常識になってしまっているのだ。

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