見出し画像

どうやって小説書いてんの〜!?

はじめに

 こんにちは。三条です。漫画や小説、アニメにゲームに囲まれるだけでは飽き足らず、己に生じたパッションを絵を描いたり文字を書いたりして慰めてきてかれこれ十年以上。なんやかんややってきて、絵を描くことも字を書くことも大好きなんですが、最近ようやく「己には字を書くことが向いているな(上手い下手ではなく)」と気づきました。理由は色々あるんですが、一番は頭に浮かんだ妄想を一番速く出力することができるからです。
 どういうことかと言いますと、絵も文も己の頭に生じたものを形にするという点では同じではありつつも、当然出力の仕方はどちらも違って、下手の横好きでもはちゃめちゃに楽しいのですが、絵や漫画って……創作コストがめちゃくちゃにかかる……(超個人的意見)。具体的に言いますとこんな感じです。

  • ネタだし

  • 構成、構図を考える

  • 下書き

  • 人物ペン入れ

  • 背景ペン入れ

  • テキスト、台詞

  • 効果

  • トーン、ベタ



 やることが多い!!!!!!
 いや本当に多い。やることが多い。背景や人物の描き込みは楽しい……効果音なんかも漫画特有のものなのでとても楽しい。ただやることが多い……ので時間がかかるんですよね……。漫画描いていらっしゃる方々尊敬します……いつもありがとうございます……。
 私の創作への一番の原動力は基本的に「こういう話が読みたい」なので、「こういう話が書きたい」ではないんです。何が違うかと言いますと、あまりに時間がかかりすぎると頭の中で先に読みたいものが完結してしまうので、目的が達成してしまうと創作意欲が消え失せるんですね。もう頭の中で出来てしまったので。なのでなるべく速くに書き終えたいんです。その需要に漫画や絵は私にはあまり合わなかったんです。
 一方で小説のコストは以下の通り。

  • ネタだし

  • 構成

  • 書く

 楽(超個人的意見)!!!!!!
 当然字も技巧はあるのですが、絵は求められるスキルがあまりにも多いので、その点も楽。それに何より速く書き上げられるので私の「こういう話が読みたい」という需要にも応えやすい。最高。こういった点から私は字を書く方が向いてるな〜と思っています。上手い下手は置いておいて。
 現在私は大逆転裁判にハマり、今までコソコソやってきたのが人と交流する機会も増え、その方達が生み出す素敵な二次創作に出会う日々を送っています。そして上述したように字を書く方が向いていると気づいた中で、気になったことが……「みなさんって小説、どう書いてんの!?」ということです。実際気になったのでお優しい方々と話したこともあります。それがこちらです(BLCPについて話しているのでお気をつけください。また作品についても話しています)。

小説は書くコスト低いけど読み手に想像力の負担が大きくかかるな〜という図。絵はコストが高い分伝えたい情報を十全に読み手に伝えられる。

 話させて頂いた中で思ったことは……めちゃくちゃちゃんとしてる〜!です。私は本当に今まで適当にやってきて趣味程度で向上心もないまま楽しい〜!という気持ちで創作してきた人間なので(しかもろくに交流もないまま)(ただうまくなった方が楽しいという気持ちがあるので上手くなりてえ〜!と思ったことはありますがそんな本気でやってきていない)、どうやってでも書きたい!やこうして話の流れを汲んでるよ!といった話を聞く度に「ほ、ほえぇ〜! 世の中、すげぇ〜!」という気持ちになりました。そしてこのスペースを聞いてくださったらわかると思うのですが、私、どうやって書いているのかいまいちわからん。「ふざけとんのかこのボケは……」と思いながら話していました(三条は己にいくら暴言を吐いてもいいルールを敷いています)。
 そしてさらに考えたことは……「私、スランプになったらどうするんだ……」ということ。絵描きさんにも字書きさんにも、「あれ? かけない……」「どうやってかいてたんだっけ?」となった覚えがあると思います。あってほしい。なので今回は未来でどうにかなってしまった己を救うための小説こうやって書いてるよ備忘録を作ろうと思い立ったためこの記事を書くことにしました。役に立つかどうかはわかりませんが置いておきます。つまりは小説のメイキングです。ざっくりした工程は以下の通り。

  1. ネタだし

  2. 組み立て(プロット)

  3. 本文

使用ソフト

パソコン持ってるけど起動が遅いのとやりたいと思った時にすぐ書きたい人間なので「縦式」というアプリを使ってiPad proとiPhoneで書いています。適当に調べて良さげなものを選んでそのまま使い続けているので他と比べてどこそこがいいなどは言えないんですが、個人的に気に入っているところはこの辺りです。

  • 操作がシンプル

  • 自動的に段落を落として改行してくれる

  • PDF、JPEG、PNG、テキスト保存ができる

  • テキストをメモに保存する時に見出しやルビをpixivのタグに変換して保存できる機能がある

  • PDF変換の際に行間や余白の設定に不備があれば警告してくれる

  • 自動的に本文を保存してくれる

  • iCloudに保存するのでデバイスを変えてもすぐに続きが書ける

  • 別のアプリを使えば使いたいフォントも入れられる

 べ、便利……!書き出して気づきましたがはちゃめちゃに便利です。これ以外にも恐らくいい機能いっぱいあるんだろうけど説明書は話半分といった感じに読んで取り敢えず動かしてみるタイプなので……。あと「縦式」って名前なので横書きでも縦書きでも書けますが、私はサイト出身の人間なので横書きで書いています。あとシンプルで好き。


1 ネタだし

 やってることをそれっぽく書き出しただけなのでこういうふうにネタを出しているよという話が出来ないです。すみません。場面・台詞・構図が浮かぶので、それをメモしています。単語や台詞ひとつだけということが多いです。逆に、ワンドロワンライなどのお題系はそれについてピンと来なければ書くネタ(お題)があっても書けないタイプです。

2 プロット

 特に作ってないです。じゃあ工程に書くな!!!!!!!
待ってください、石を投げるにはまだ早いです。許してください。上述した通り、私は読みたいから書いているので、プロットや下書きをすると読みたい欲が満たされてしまって書く気が失せるんです……。絵や漫画は人物や背景を描き上げて仕上げる楽しみがありますが、文は物語がメインなのでそういった楽しみはないんです……私の話ですが。なので取り敢えず書き出すし、推敲も特にしません。組み上がったストーリー以上に何も出来ないんです。頭の中に見えた映像(物語)をどうにか文章として形にしているだけなので、推敲も何も見えた映像以外に何も書くことなどないが……?となります。
 ただ、ネタだしで出るのはほんの一場面なので、ここから起承転結を組み上げる必要があります。これが私のプロット代わりです。ただ通常と違うのは書き起こさずに頭の中でなんとなく流れを作っているということです。
 こちらに入っている『悪癖』という作品で説明します。内容について詳しく触れませんが、このログはバロック・バンジークス×成歩堂龍ノ介♀になるのでご注意ください。またクリア後推奨の作品があります。


 この話はざっくり言いますと「渡せないプレゼントを無意識に買って溜め込むバンジークス」の話になります。ふと下の絵のような図が浮かんだことがきっかけで書いた話です。

プレゼントに囲まれるジークス

 ここから連想ゲームのようなことをします。

多分この図がスタート(読みたい場面が「起承転結」のどこに当てはまるのか決める)

プレゼント買い込んで困ってるバンジークス(起)

なんで困ってる?

恐らく贈りたいが葛藤がある(承)

場面が切り替わる。成歩堂に会う

ここでプレゼントを贈るきっかけができる(転)

プレゼントを減らせる

プレゼントを減らせたかと思えばまた買い込んでいるバンジークス(結)

 これを書きながら組み上げています。浮かんだネタが承の時もあるし転の時もあるので、そこに結びつく登場人物の行動を思い描いて書いています。個人的に不思議なのは、浮かんだ場面がどこであっても最初から書き出して、書きたい場面に繋げているんですよね……この書き方なら浮かんだところから書いていてもよさそうなんですけどね。どんな書き方でもいいけれども。

3 本文

 嬉しいことに私の文章が読みやすいというご感想を頂くことがちょこちょこあるので、気をつけていることを書き出そうと思います。私は二次創作をする際には三人称単視点で書いています。一人称だとその登場人物が使うであろう語彙しか使えずに詰まってしまう場合が多いので……。
 三人称単視点がどういう文章かと言いますと、三人称視点ではあるのですが、一人の登場人物の視点に沿って書いているので、「Aの真摯な言葉にBは顔を赤らめた。」といった文章にAの心情を書いてもBの心情は書かないようにしています。視点がぶれて読みにくいので……。書くことはあっても区切って視点を変えています。

 つい顔をあげると、成歩堂は飛び上がった。かの〈死神〉、バロック・バンジークス。この鋼鉄の踵の持ち主は彼だったのだ、と顔を青くしたまま取り敢えず会釈する。
「…………」
 バンジークスは成歩堂を一瞥して、そして踵の下にある異物を感じ取ったのか足を避ける。そうしてすっかりひしゃげたバレッタを見て、もう一度成歩堂に視線を向けた。手袋をはめた長い指先が、役割を果たせなくなったものに伸ばされる。
「……これは、貴女のものだろうか」
「あ、は、はいッ!」
「そうか。……遠慮なしに踏み潰してしまった無礼。お許し願いたい」
「い、いえいえいえいえ!」
 恭しく頭を下げられる。そこには皮肉も冷たい響きもなく謝罪だけが込められていて、成歩堂は首がちぎれんばかりに振った。ふらふら歩いていた自分が悪いのだからと立ち上がる。とにかくもう捨てるしかなくなったそれを受け取って、さっさと立ち去ろうとしたのだが、バンジークスは渡すどころかそれをじっと見つめている。

『悪癖』より

 ここで「バンジークスは成歩堂を一瞥して、そして踵の下にある異物を感じ取ったのか足を避ける。そうしてすっかりひしゃげたバレッタを見て、もう一度成歩堂に視線を向けた。手袋をはめた長い指先が、役割を果たせなくなったものに伸ばされる。」という文に「バンジークスは不審に思った。成歩堂の髪にはこれはつけられないだろうと思ったのだ。」といった文章を書き加えたとすると、成歩堂の心情に戻った際に違和感というか、視点が一文ごとに切り替わるとややこしいし読む時に詰まってしまうので気をつけています。なってる時あると思うけど。
 あとは……三人称→名前→三人称にしないとか、原作特有の表現(「矛盾」→「ムジュン」など)になるべく準拠するとか、そういった部分に気をつけています。あと頭の中で読み上げながら書いているのですが、そこで詰まると書き直しています(私は「噛む」「つまづく」と言っています)(脳内で読み上げている際に舌がもつれる感覚になるので)。他にもあるかもしれないですが今のところこんな感じです。文章は書いてればそれなりに読めるようになる。

おわりに

 やっていることを明記することでなんとなく「ああこういうことに気をつけているんだな」「こんなことを考えているんだな」が視覚化出来てよかったと思います。あとプロット書かない人間でもメモをしておかないと忘れるのでネタのメモはちゃんとしておけとは思っています。人間の記憶とは愚かなものなので……。未来の己を救う備忘録になればいいのですが。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?