絵本を読む『おめでとう』『はじめてのゆき』
(2022.1.10) 成人の日
おはようございます。sizukukoboです。
私は曜日ごとにテーマを決めて配信をお届けしています。
月曜日のテーマは「 絵本を読む」です。
季節は立ち止まってはくれないものですね。
先週はお正月の絵本を2冊紹介しました。あれから一週間経ちました。
今日は成人の日の祝日なのでおめでとうの気持ちを込めて『おめでとう』、そして先日関東で大雪が降ったので『はじめてのゆき』という絵本を紹介したいと思います。
まず最初の一冊目『おめでとう』という絵本です。
もたいたけしさん・え、ひろまつゆきこさん・ぶんで書かれた絵本です。
大きさが縦、横16 cm の手のひらサイズの絵本です。2009年に発行されています。
奥付の頁をよく見ると、この絵本が 茂田井武さんが表紙と裏表紙のつながっている絵を1956年に描かれたようです。そして翌年、キンダーブックに初出、これをもとにご遺族の許諾を得て再構成した、とありました。
内容はひたすらおめでとうのオンパレードです。一枚の絵から、ワンシーンを切り取って言葉を一言添えて、シンプルに「おめでとう」が伝わってくる絵本です。
この絵本の素敵なところは、茂田井武さんの覚書です。
「(中略)
全世界、全宇宙、さらにもっともっときりのないものの幸福をこそ念(おも)いたい。」
本当なら全部を紹介したいです。
この文章を60年以上前に書かれたということが本当に素晴らしいことだと思います。
絵本の中で、「おめでとう」という言葉が繰り返されるたびに、覚書の文章が浮かぶと言葉の重みが増すような気がします。誰かを想って、何かを思って「おめでとう」という言葉を使う時、それはなんだか願いや祈りのようなものが込められている気もします。
この絵本は初めて行った本屋さんでたまたま見つけたものでした。小さな絵本でしたが強く惹きつけられました。我が家ではこれから1月になったら毎年飾りたい、定番の絵本となりそうです。
10年以上前の絵本なので手に取ることが難しいかもしれませんが、 ぜひ出会ったら手にとってほしい絵本です。
次に2冊目の絵本を紹介します。『はじめてのゆき』という絵本です。
こちらはなかがわりえこさん さく、なかがわ そうやさん え の絵本です。なんと1970年に 出版されたこちらも50年以上読み継がれている絵本です。
中川李枝子さんと言うとぐりとぐらを思い出す方も多いかもしれません。中川李枝子さんが書かれる作品は、ご自身の経験が反映されているものが多く、共感することが多くて大好きです。
この絵本も登場人物はとらのこ とらたですが、とらたが小さな人間の子供に見えてしまってとても微笑ましいです。
内容を簡単にご紹介します。
ある朝、とらたが外を見るとどこもかしこも真っ白。「ゆきだ たいへん!ぼくのすなばが ない。ばけつが ない。しゃべるが ない。」 とらたが長靴を履いて雪の中に入ると、「ああ、きれいな ゆき!ふんじゃもったいない」と、とらたが雪の上にそっと座りました。すると、雪があまり柔らかく ふわふわしていて、とらたはなんと、おしりごと雪に埋まってしまいました。
これは冒頭のワンシーンです。こんな調子で、とらたは雪の感触を「ゆきってとてもさむいんだな」「つめたいんだな」など、 自分で体験したことから色々なことを学びます。そして、準備万端で外へ出てみると「とらたちゃーん 、ゆきがっせんだよー」と、いきなりゆきのたまが とんできました。
ゆきのたまを投げてきたのは一体誰か。大人は容易に想像がつきます。ですが、初めて雪を見たとらたにはなかなか分かりません。 もしかすると一緒に絵本を読んでいる子供たちも同じ気持ちかもしれませんね。
雪が身近な子どもたちも、そうでない子も、どなたと一緒に行きの世界を楽しんでほしいと思います。 この絵本を読むと、「経験、体験に勝るものはないな」と強く思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。