【2023/1】ジャンプラに掲載された読切で特に好きだったやつ

Twitterで呟く内容でもないな……と思った感想を書いておくnoteです。
1月掲載分。

『LIVE LIKE DEAD』

ルーキー賞『新宿LIAR♡GIRLS』でデビューされた(はず)の漫画家さん。

魅力的な絵柄なのに特定のシチュエーションが好きな層にしか刺さらなそうでもったいないな、という印象だった過去作。
今作では、今風の言葉選びと発想を、より幅広い層に伝わりそうなテーマと混ぜることでちょうど良く表現していて驚き。
これが犬猫じゃなくブチハイエナだからこそ、なストーリーとオチに繋げてるのもいいですね。
怖ぁ〜で笑っちゃう。マジで怖ぁ〜。

飼育員さんが接客モードのときと業務中でキャラが違うのは地味好きポイントです。
女の子がかわいい、強い。

どうでもいいことですが、人×人の依存関係は人を選ぶのに人×動物の依存関係は普遍的に通じるのもなんだかおかしな話な気もしますね。それはそうなんですけど。


『踊れない僕と踊る君』

会話が面白い漫画は面白いシリーズ。
重い題材を扱うからって空気まで重くしなくてもいい。忘れがちなことな気もします。

ヤバ踊りに救われた人と後悔してる人、それぞれが同じ人にきっかけをもらっていても、それに気が付かないままクラブという場が縁を繋げて人を変える。
美しいですね。


『初恋』

あまりに繊細。
過去作から見ていくと語らない表現がどこまで伝わるのか試行錯誤している感じもしますが、今作は語らなさの塩梅が非常に良かった。

わからないことを語らず表現されると読者ができるのは読解ではなく推測になってしまって、結果感想が「わからない」になりがちな気がします。
『初恋』は主人公の心情を本人に語らせなくても、周囲の反応と漫画的表現で読み取らせてくれる。
でも本人を心情を本人が語らないので、語らない漫画特有の余韻の良さはちゃんと感じられる。

過去作『赤と白』と『さみしがりやな私たち』のちょうど中間くらいな気がします。つまり丁度いい。


『ギャラクシーハイウェイ』

新世界漫画賞作品。
銀河で免許教習ってワードだけでいけそうですが、そこで満足せずなぜ免許がいるのか?という部分を掘り下げていて高印象。
真面目に変なことやってる漫画は好きです。

負い目があっても免許という存在が自分を保証してくれる、という発想は、免許なんて意味のない世界で免許を求めるキャラクターとして納得感が強く好き。
それを馬鹿なこととして認識しながら、約束だから、大切なことだからと免許を取りに来るのもシニカルながら感動的。

悪役の描写も丁寧にやってましたが、ここは正直そんな要らない気もします。好みです。


『文を綴る』

否定も肯定も難しいテーマですが、登場人物を通すことで人物間での答えを出すことができる。
創作のいいところですね。難しいところでもあると思いますが。

感情論で殴られてきた大塚さんが、自分を殴った感情論で笹村くんをぶん殴る。
感情から発せられた言葉を理屈で否定しても、感情の問題はあんまり解決しない。
だからこそ、大塚さん本人の人間性を感情で肯定する。
解決ではなくそれはそれ、これはこれで流すしかないこともある。
丁寧な漫画でした。


おわり。

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