神曲(しんきょく) (CoC7版シナリオ)

GM・PL共に初心者向け。


二人か三人用。人数を増やす場合は戦闘時の食屍鬼の数を増やすこと。2人までは一体。3人は2体。

クローズド(夢?)


推奨技能:目星などの探索技能があると進めやすい 戦闘時は戦闘技能が必要なので、持ってない場合は控えめな行動を心掛けるように。


難易度:低


所要時間:1時間ほど


出てくる生き物


ミ=ゴ(真相の日記にミ=ゴの説明を載せても良い)(直接出てくる訳では無い)(p,262)


食屍鬼(p,287)


ダンテ(ミ=ゴのテクノロジーを自らにふんだん用いた人間。自らの作り出した世界の中でなら、人智を越えた力を得る。)(もし何か戦闘を起こしたい場合等は、SIZ:60、APP:90のイタクァとして扱っても良い。神話生物では無いため正気度喪失などは無し)

イタクァのページは312。


真相

あるダンテと呼ばれる化学者の男がいた。


ある日、その男は普段人間が滅多に遭遇することのないミ=ゴと運良くか悪くか遭遇し、実験生物にされかけてしまうが、


人間の中でも聡明で頭も口も回る人間であったダンテは、ミ=ゴから見ても面白いものであった。人間でありながら、その人間の中ででもとくべつ抜きん出ており、実験体と見ても使い方を誤りたくはない程にであった。


ダンテはその異形相手に取引を持ちかけ、運の良さもあって、自我と肉体の維持を保証された。


彼はずっとミ=ゴの元でこき使われていたが(奴隷とそうは変わらないだろう)、その過程で彼は人間のテクノロジーではとうに追いつけないほどの驚異的な技術、文明を目にする。化学者の彼にとって、それを目にしながらミ=ゴの研究を手伝うことは、普通に生きることよりも何百倍も楽しく、煌びやかな人生となった。

しかし、ある日、その煌びやかだった日も終わりを告げようとする。ミ=ゴの気が変わり、ダンテを脳幹として保存しようとしたのだった。


彼自身の力ではどうすることもできない。そこで彼は、いつでも起動できるように独自で進めていた研究プログラムを起動する。


ミ=ゴのテクノロジーをふんだんに用いたそれは、実験を一度もしていないものの、それなりに上手くいった。


その実験プログラムというのが、夢の中へと精神だけを逃亡させ、次なる肉体へ移動するというものである。


しかしそれだけではミ=ゴは到達できてしまう。精神世界であれ夢の世界であれ、追いかけて捉えてしまえることをダンテは知っていた。なので彼は、人間が潜在的に夢を見る能力を応用させて、ミ=ゴの機械に細工を行い、あらゆる人間に1度だけ特定の夢を同時に見せることのできるようにした。

彼は同じ夢を見る人間が同時に何億人といれば、追跡が困難になる事を確信していた。彼は聡明であり、ミ=ゴから見た判別が難しいものが、現実的にこの方法だけであると考えた。


しかもこの方法は、他者の精神世界を通じて逃亡を図ることができる。ダンテは自分の名前となった「神曲(しんきょく)」を元に、地獄、煉獄、天国を象った世界を全ての人間に見せた。

そして彼はあらゆる夢を伝いながら、逃亡に成功する。その間に、彼は完全にミ=ゴの追跡を逃れることができるよう、自分の頭の中に持ち逃げしたテクノロジーでさらなる研究を重ねることにより、一年に一度夢を伝って移動することにより、ミ=ゴから完璧なる逃亡を図っていた。

今でもダンテは他者の夢を伝いながらミ=ゴからの逃亡を図っており、ミ=ゴは追跡を行っている。ミ=ゴもダンテを追う為に他者の夢に介入できるようになり、夢を見た人間に追跡を行わせる事にしたのであった。


追記(ミ=ゴ相手に情報戦で戦える、正気を保っているかどうかは定かではないが、私から言わせるならばダンデは人間の域を既に越えていると思う)


プレイヤーが複数いるならば、ミ=ゴの頑張りによって、ある程度夢を統合させて探しやすくしたということにしてほしい。(ダンデの夢を統合できるようにした)

貴方はダンテを探してミ=ゴ陣営に突き出してもよいし、ダンテが逃げるのを手伝っても良い。


見て見ぬふりをして、何事もなかったかのようにしてもよいが、あなたが得られるものはその時なにもないだろう。


道中に出てくる最初の男は、ミ=ゴの使役する使い魔的な食屍鬼である。全ての人間の夢に潜らせてダンテを探している。


道中に出てくるダンテの真珠は、ダンテが護身用に持ち合わせた食屍鬼を召喚するための触媒である。


真相で出てくる研究所は、ダンテを崇拝する狂信者である。その研究所でもあり狂信者でもある内の1人が日記を書き綴った。

本来PLは最後の分岐を右に進むと天国を体験する筈だったが、ダンテの用いるプログラムのバグにより、次の肉体の在り処が夢として具現化してしまい、知ってしまうこととなる。


導入


なんということのないある日。貴方は自分の仕事の帰りだったかもしれないし、学業に励む日々の、ほんの過ぎる1日だったかもしれない。


とにかく、貴方はなんということのない日常を過ごしていた。


あなたは電車、又はふらりと立ち寄ったコーヒーの飲める店(学校でも職場でも誰からでもどこからでも良い)でこんな話を耳にする。


「毎年、ある日の夜3時になると、その瞬間から全員が同じ夢を見せられている」


噂ではあるが、それがどんな夢かも分からないし、その時に寝ている人間は皆同じ夢を見ているのだという。


しかし、夢を見た事を覚えてる人間は口を揃えてこう言う。


「探せ」という声を聞いた、と。


しかし今までそんな噂は、貴方は生きてきた中で1度も聞いたことがなかった。


しかもその「ある日」というのが、明日なのである。


別に貴方はその噂のことを気にしても良いし、気にしなくても良い。冗談として心の中で笑い飛ばしてもいいし、実際にその夢を見てみたいような気もするということにしてもいい。


一先ず、貴方は眠ることにする。寝ないことにしたなら、このシナリオを終える。


1.夢の始まり


これが夢なのかどうか貴方は分からない。


貴方の服は簡素なローブなようなものに変わっており、夢のような雰囲気を感じているが、それ以上に意識がはっきりしすぎており、判断がつきづらい。


あなたはどこか道に立ち尽くしていた。


辺りには濃い霧が立ち込める。


目の前には3つに分かれたあぜ道が続いているが、霧のせいで先がどうなっているかは分からない。


しばらくすると、一人の男が左の道から駆け寄ってくる。


「私の名はウェルギリウスという。このあたりにダンテという男がいなかっただろうか」


心理学,目星を振ることをGMは提案しても良い。


成功した場合:どこか焦っているように見える。急いでいる。


「ぜひ見かけたら教えて欲しい。もし見つけることができたら、それなりの報酬をはずもう。やつは罪人だ、気をつけろ」


「君たちがどこに行きたいか私にはよく分からないが、この道を右に進むと、それなりの場所にたどり着くのではないか」


「真っ直ぐ進んだり、道を外れて霧の中を進むのは良くないだろう。左の道には何も無かったよ」


質問にあらかた答えると右へと消えていく。右に消える直前、心理学に初期値以上振っているPCは心理学。


成功:まだなにか隠していることが分かる。


ダンテの特徴:キザなイタリア人。ギリシャ人顔。髪は白。右目の横に黒子。


左:真っ白な空間へたどり着いてしまう。それは人間の理解を少し超えた光景だ。


0/1d3のSANチェック後、いつのまにか3つの分岐点の道へ戻されている。


真っ直ぐ、真ん中:下に描く霧の先へ到達する。


右:しばらく進んだあと、石造りの階段を見つける。それは見えない下の方にまで繋がっている。


→次の階層へ


霧の先:燃える溶岩。霧がかかっていたとは思えないほどに、その先ははっきりと見えた。どす黒い黒の空、屍の山。風に乗ってむせかえるような死臭と、髪の毛を焦がした時のような臭いが鼻を着いた。その上を干からびた人間のような黒いものが、うすのようなものをひいている。それが何百、何千と。あなたのいる場所からでは見えない場所にまで同じような光景が拡がっていた。

一言で表すならば、ここは【地獄】であった。

この光景を見てしまったプレイヤーは


1/1d6のSUNチェック。


黒い人のようなものは臼を引きながらじっとこちらを見ている。


ここでプレイヤーは、目星又は幸運を振る。


それぞれのプレイヤーは光る真珠のようなものを、それぞれ一人1つずつ見つける。


アイテム:綺麗な真珠 を獲得する。


黒い人を攻撃するとすぐに死んでしまう。1人殺すごとに頭の中に黒い人型が入り込んでくる。1/1d10のSANチェック。


綺麗な真珠:目星で情報:どうやら何かの鉱石でできているらしい。オカルトで情報:どこか不気味な感じがする。知識:何かの鉱石でできており、見たことがない。鑑定:地球上の物質でできたものでは無いことを知る(0/1d3SANチェック)。


黒い人型に話すと、いつのまにかそこにいた全員は分岐点へ戻される。


次の階層 煉獄編


貴方達は階段の下へと進んでいきますが、妙な光景を目にする。階段を降りているのに、周りの風景が変わらない。霧がかっていて、それでも自分たちがまだ野外にいることがわかる。


SANチェック0/1d3


この時、貴方たちは遠くから妙な声を聞く。


「冒険をしろ、左は危険ではある。しかし、冒険をしろ」と叫ぶような声だ。先程話しかけてきた男の声とは違う。


また少し進むと、2つの分岐点がある。


左:煉獄の様を描写する、KPの腕の見せどころ。分からないなら地獄編と同じでもいいが、少しだけ黒い人型の顔は安らいでいる。 SANチェック1/1d6。


綺麗な真珠を入手。


右:下の階層へ。


次の階層(最終層)天国


ここも上の階と同じく、分岐の道が3つある。


ここで自らをダンテと名乗る男と出会う。


(本物のダンテであるが、PLに明確に明かす必要は無い。特徴は一階層の男が言っていたものと一緒)


「君たちもこの夢を楽しんでるみたいで良かった。私は追われている身なので、ここで失礼するよ」


真珠を1つでも持っていた場合。


「…おや、それは私の持ち物の1つではないか。まさか私が落としたものを君達が持っていたとは。どうだ、その真珠を渡してくれれば、それなりの恩恵を君達にもたらそう。」


ダンテを対象にした目星・心理学その他諸々全ての技能は通用せず、試みたものを不安に陥れる(0/1d3のSANチェック)


渡した場合、真珠は弾けてなくなる。「はは、祝福をし終えたよ」と言うがその時に何か起こる様子は一切ない。


この効果は夢から出る時に適用する。
SANを真珠ひとつにつき1d3回復する。そして真珠1つにつき、POWを3加算しても良い。


渡さなくても良い。渡さずに夢から覚める真っ直ぐの道を辿った場合、真珠は形を変え、黒いモヤとなり、肉塊となり、人の形を象っていく。やがてそれは食屍鬼となる。真珠の数だけ食屍鬼が現れる。武器はその時咄嗟にPCが思いつくものをKPはPCに与える。

ダンテは質問を2つまで受けつける。以下のうちから2つ。全然違う質問をされても、真相と照らし合わせてぼかしてもいいし、正直に答えてもいい。

「左には絶対に進まない方がいいだろうね。」「真っ直ぐ進むとこの夢から帰ることができるよ。」「右はこの階層を少しだけ冒険できるけど、おすすめはしないかな。私は右に行くけどね。」

そうダンテは言い残し、右へと消えていく。

左に行くと最初に出会った男がいる

「どうだ、ダンテはいたか?」

いたと答えた場合

「場所を教えてくれ。答えたらそれなりにいいものをやる」と言われる。

嘘を答えた場合

「お前達は嘘をついている。お前達は嘘をついている。お前達は嘘をついている。お前達は嘘をついている。お前達は嘘をついている。お前達は嘘をついている。お前お前お前おたちはおまえおまたちおま___」

と放ち、形を変え食屍鬼となる。KPは豊富な語彙力を用いて禍々しい様を演出して欲しい。そのまま戦闘。

実はミ=ゴが全ての人間の調査に放った食屍鬼。ダンテを全ての人間の頭の中から探そうとしている。一時的に理性を持って話すように作られているが、何かしらの思考ロジックに矛盾が生じたりすると食屍鬼に戻ってしまう。

教えた場合

「これは礼だ」と言われ、指輪を貰う。

真っ直ぐ進む:夢から覚める。

もしもこの時に真珠を所持していた場合は、それは形を変え一つとなり、黒いモヤとなり、肉塊となり、人の形を象っていく。やがてそれは食屍鬼となる。

このシナリオで先頭が起こる際、欲しい武器を頭の中で思い描くとそれが手に入ることとする(一つまで)。

武器はその時咄嗟にPCが思いつくものをKPはPCに与える。

夢を出る際に指輪を所持していた場合、SANを3回復しても良い。指輪は光の粉となって、それは貴方を、温かみの膜となり包むだろう…。

進む直前:アイデア成功で: ダンテを追うのは直感的に良くないと感じる

右に進んだ場合:

霧は晴れ、明るい場所が開けたと思ったその矢先。


モニターでよく見るようなノイズのようなものが辺りに差し掛かり、世界がただならぬ変化を遂げる様を目にする。

0/1d3のSANチェック。

気付くと、奇妙な場所へと到達している。

先程までとは違う無機質感。いわゆる研究所のような場所。


目星など、失敗してもそのまま情報を公開して良い。:ある東京の研究所が書かれた資料を見つける。住所と美濃部 有史(みのべ ゆうし)と書かれた資料。次の肉体の所在地__などと書かれている。


夢から起きた場合、この研究所に来れたら真相を公開して良い。見かけは普通の大学研究所(夢を研究している普通の研究所)だが、あなた達が来たことにより、研究者はため息をつき、「君達は真相を知ったものか」と言い、日記をそこにいる研究者から渡され、真相を公開する。


真相を知った場合、貴方たちは昨日見た夢が最も偉大なテクノロジーを用いた故意的なものであることを知る。クトゥルフ神話技能に+3して、1/1d6のSANチェック。


そこにいた研究者から口止め料を1人につき50万貰う。口外すると夢を操られて数日中に殺される。


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