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2023年の将棋(後編)

南東北ブロック代表決定戦(12月前半)


結果を先に書くと、惨敗。
良いところが何もなかったです。

相手が選んできたのはノマ四でした。
へな急のついでに今までの対策を少しは補強していましたが、序盤早々に相手が外してきたので、研究の意味は皆無になりました。

別に緊張とかはなかったはずなのですが、途中図らへんで我に返ると、以下のような考えが浮かんできました。

途中図

「自陣、薄すぎやしないか」
「どうして金が右に行ってるんだ?」
「32銀が固定されているけど21飛ぶつけがあるから働いているし、相手陣にスキがないなあ」
「2,3,5筋のどの歩も突きづらいな」
「模様が悪すぎて勝つ未来が非常に見えづらい」
「今まで指してたのは誰なんだ?」

福島の方々に囲まれてたアウェー感は関係ないと思いますが、何かに飲まれていたようで、このまま相手に優位を拡大されて負けました。

50分60秒で指して分かったことは、今までの自分は瞬間的な見え方に頼っていたことと、ウォーズのような将棋に近くて浅い別ゲームと向き合っていたということでした。
深い読みを何度も繰り返すというのは非常に疲れるものなんですね。

福島からの帰り道では、悔しさ、疲労、電車酔いの気持ち悪さに襲われました。
それと同時に、10月くらいに受験料振り込んだ資格試験が決定戦の日と被っており、やっぱりそっちを受けていた方が良かったんじゃないかということで、当日かかった諸費用、時間、資格試験のテキスト代と受験料の機会費用について考えると、「結局自分は何がしたかったんだろう?めちゃくちゃ損したわ。マジで最悪。」と自暴自棄になっていました。

この3日後くらいにインフルエンザにかかったので、流れは非常に悪かったんでしょうね。

敗戦を受けて

決定戦の翌朝、とあるアニメを見ました。
それまでオタク文化とは無縁だった高校生の自分が、友達に勧められて沼にハマるきっかけとなったラノベ原作の作品なので大っぴらには言えませんが、そのうちの1話だけは人生で何度も見返している気がします。

あらすじを簡単に説明すると、Aパートで主人公は本番に向けて周囲からの協力も得て、必死に準備しますが、当日緊張のあまり失敗して闇堕ちしてしまいます。
ですが、Bパート終盤で主人公はある答えに辿り着きます。
本気で取り組むということは悔しさから逃げも隠れもできないため、駄目だった時に精神的ダメージが大きすぎるし、自分が否定された気になってしまう。
でも、そんな気持ちを拭う方法は簡単で、たとえ失敗したとしても成功するまで何度でもやるしかないというものでした。
そして、そう開き直れば、ある意味楽しくなってくるよねというお話です。

………いや、眩しすぎる。
当時は主人公と同い年でしたが、見返す度に直視できなくなってきています。
もちろん、現実社会でこのスタンスでいれる人なんて一握りで、ダメなら諦める・一旦離れる人が多いように感じます。

かくいう私も、学生時代であれば将棋が強くなれば知り合いが増えて楽しいし、旅行ついでに世界が広がっていく感じがあり、負けても次の日から頑張れたのかもしれませんが、今はもうあまり広がらない気がするし、情熱の矛先が別方面に向かうようになってしまいました。

個人的見解ですが、良い意味でも悪い意味でも「大人になる」とは、何かがあっても翌日は仕事に行けるように感情の制御や折り合いのつけ方が上手くなることだと思っています。

将棋で例えるなら、これまでの経験値を頼りに、何も準備せずにその場のノリで臨んで、負けた時に「勉強・実戦不足」や、「仕事等が忙しかったから時間なかった」というような早く立ち直るための言い訳の余地を残しておくみたいなかんじでしょうか。
もちろん、仕事漬けの日々の気分転換として結果を気にせず、大会に参加するくらいがアマチュアとしては健全で望ましいのでしょうが。

ただ、若さを保つためにも「左ききのエレン」の主人公のような少年漫画脳はずっと持っていたい派であり、今回の敗戦で多大なダメージを受けたせいもあって、本気になって何かに取り組むことは大事なことなのだと改めて思うようになりました。

ガチ勢から「は?」と言われそうですが、この一ヶ月はソフト研究を始めてみたり、実戦を指す機会に誘われればなるべく応じるようにしたり、今までの自分らしさが消えるくらいには頑張りました。

結局のところ、あらゆることに個人差はあるため、本人なりの基準で良いから「本気」の努力をして、どんな結果であっても受け入れる。
そして、改善点を見つけて次に生かしていくことが出来れば人間的に強くなれるし、人生の中でそういった勝負をする場面を増やしていった方が楽ではないけれど楽しいし、ハリが出るのでは?と思うようになりました。

それから、そういった努力や結果に対して損得で判断するのは勿体ないというか、無粋なのかもしれません。

まあ、つまりは今の自分にとって将棋の優先順位は低く、日々の生活、とくに仕事において痺れるような勝負ができるようになりたい・社会人として強くなりたい気持ちが増しているということです。 

前職は感情を無にして、何年働いたとしても勝負のしようがなかったのに比べ、今は明確なゴールが決まっています。
再就職して半年経つくらいなので、勝負するにあたってのルール説明を受けているレベルですが、楽して余裕を持って生きるためには、面倒くさいけどしばらく頑張るしかないよなーってかんじです。

これから

去年までは勝ち切るまでの体力がなくなったせいで自分に失望することがありましたが、今はもう体調不良が言い訳にならないくらいには復活しました。
風邪でも引いてない限り、結果が自身の棋力を正確に反映します。

とはいえ、仕事が水曜休みだったり、来年は今年以上に資格の勉強に追われそうなので将棋に割く時間はますます減りそうです。

でも、しばらく会えてない人もいるので全国大会には行きたいし、時間と仕事にだいぶ余裕ができたら、アマ王将南東北以外の地区に観光ついでに参戦したいなとも思うようになりました。

最後に宣言法しておきますが、2024年はXとYouTubeからのおすすめをダラダラと見ないようにしたいですね。

長文に付き合ってくださりありがとうございました。では、良いお年を。





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