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2023年の将棋(前編)

今年の中ではとくに印象深かった六県と朝日アマについて振り返ります。

六県大会(7月前半)


3月の県予選にて3位決定戦を死ぬ気で戦い抜き、大学4年以来の宮城県代表の一員となれました。
六県直前に就職先は決まっていたものの、生活のバランスが終わっており、大会前日くらいから風邪気味だったので不安が残りつつの参戦となりました。
始まってしまえば気にならなくなるいつものパターンでしたが。

初戦 vs青森

大学OBとの対局。
中学生の頃から何度か当たっているので、通算戦績は五分五分のはず。
5年前の六県では、こちらが軽い気持ちで四間飛車を指したら勝負所がなく負けてしまったので、今回はちゃんとやろうと決めていました。

序盤に失着があり苦しい展開がずっと続いていましたが、両者秒読みに突入し、途中図に。


途中図

秒読みに追われつつ、頭の中は以下のような思考が展開されていました。

「やっと勝ちが転がってきた」
「めっちゃわかりやすいZ」
「こんなん83銀打ちからバラして勝ちっしょ」
「清算後、81飛~71角で最悪千日手模様の時間稼ぎもできる」
「77桂、68馬、同金まで決めた方が得か?そしてこの順はどこで入れるのが一番良さげ?」
「意外に明快な順が見つからないな」
「棋神押したい…」

後に検討すると勝ちの手段は沢山ありましたが、対局中は「これだ!」という分岐が見つけられませんでした。
突然の勝ちに舞い上がって発狂した結果、投了図となりました…

投了図(どうしてこうなった?)

終局後は両者苦笑いで、自分に限って言えば悔しさが全くなく、この場から一刻も早く立ち去りたいという恥ずかしさしか感じませんでした。

でもまあ、初戦のこのヤバい負け方を含めて、大会全体通して自分らしさは発揮できていたと思います。

六県大会では、良いメンバーで秋田まで行けたこと、色んな人に久しぶりに会えたこと、県を超える規模の大会に久しぶりに出れたことが嬉しかったですね。

朝日アマ県予選(11月前半)

県予選の3週間前の話になりますが、新米大会という「ド」がつくほどの宮城のローカル大会(3人制団体戦)がありました。
高校の同級生チームで出たので、S・A・B・Cのクラス分けがある中、優勝を狙えるラインとして妥当なAクラスに出ました。
結果は3位で、高校生の時を思い出して楽しかったのですが、将棋の内容は少し物足りなさを感じてしまいました。
一度でもリードを奪えば逆転されることはないためであり、痺れるような勝負をしたい欲が高まりました。

また、10月末に9~18時までかかるような資格試験を受けていたときに、こんなつまらない時間を過ごすなら、大会の方が何倍もマシだなと思っていました。 

そうした鬱憤がたまっていたところに、朝日アマの県予選が開催されることを3日前に知ったので、参加することにしました。

県予選の予選では一局負けてしまいましたが、決勝トーナメントは終始安定した内容で将棋を楽しめました。
疲労感があまりなかったのが、就職して体力がついてきた効果だったのかもしれません。

ソフト研究(~決定戦)

決定戦の相手は福島のTさん。
通算1-0とはいえ、ノーマル三間をやってくる可能性が高く、自分の中で有効な対策が何もなかったため、何かしらの策を練ろうと思いました。

もちろん、久しぶりの県大会優勝に浮かれて将棋のモチベーションが1から100くらいに爆騰していたというのもあります。
ということで、社会人になった頃に消したShogiGUIの再インストールから始め、YouTubeで見つけた「へなちょこ急戦」を研究テーマに決めました。

ここ2ヶ月くらいのプロ間では、佐々木勇気八段や藤本渚四段が指そうとして、相手に三間から向飛車にされて拒否されている棋譜があったと思います。

ソフト研究を皆さんがどうやっているか全くわかりませんが、自分は以下の手順で行いました。

➀分岐先で相手の手にどう対応するのが正解か?を自力で3日以上は考える
➁どうしても不利になる展開しか見えなかったらメモに残す
➂不利の分岐が5つくらい溜まったら、ソフトで答え合わせ

1ヵ月でソフトに触ったのは5日くらいで、一日当たり10分くらいの研究でしたが、A4用紙2枚分くらいの分岐が頭に入っていました。

分岐図(アナログ人間なので紙にまとめるのであった…)

やってみて再認識しましたが、ソフト研究は自分には向いていない作業でした。
序盤の即死を防ぐだけで、勝ちに直接結びつくわけではないからでしょうか。一言で言えば、コスパが悪すぎるのかもしれません。
級位者が100時間何かしら勉強すればレーティングが100点以上伸びるのに対し、高段者以上の人間が100時間やって、レーティングどころか100局中数局は研究が生かされて途中の評価値がいくらかプラスになるくらいなんじゃないでしょうか。知らんけど。

年末の今、同じように研究しているかと言うと、決定戦以降はソフトを開いてすらいません。
研究を習慣化できれば間違いなく強くなるのは分かるのですが、自分は耐えられないからアマチュアなんだろうなと痛感しています。
プロの先生方は研究の日々を過ごしていると考えると、尊敬を通り越して狂気じみていると思いました。

~決定戦の結果がどうなったのかは、後編に続く~



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