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秘宝・アンチオブザーバーのひみつ!

#ワーフリ自由研究テーマその2です。
1周年記念イベに限らずあらゆるネタバレを含みうるのでご了承ください。
その1,その3は鋭意執筆よてい。

1周年記念ストーリーイベント「願え、光の継人達よ。」の後半、「僕のせいにして」を参照しつつ秘宝・アンチオブザーバーについての自由研究です。

秘宝・アンチオブザーバーとは?

揺らぎの迷宮発生50周年記念祭で執り行われたファーランドとパルペブラの友好式典、その友好の印としてパルペブラからファーランドに貸与される予定だった秘宝です。見た目はただの白い立方体です。
星詠みのプロキオがオーガス・エイトラン(とフォーラー家?)をそそのかして奪い取り、揺らぎの迷宮に持ち込んで使いました。プロキオの言葉をそのまま受け取るとアンチオブザーバーの入手はついででしかなく、主目的は廃竜を揺らぎの迷宮に呼び込むことだった、という風に読み取れます。
廃竜が揺らぎの迷宮に入るとどうなるか、というのはまだ明らかにされていない謎の一つですが、今回は取り扱いません。
「地上ではエレメントの絶縁物質程度」らしいですが、揺らぎの迷宮内では相手のあらゆる行動を無効化する領域を作り出すチートアイテムになるのでした。パルペブラで秘宝として扱われていたという事は、きっと過去には正しく価値が理解されていたか、実はエレメントの絶縁体がむちゃくちゃ貴重かのどちらかなのでしょう。
最終的には迷宮おじさんが危険物として無料で回収・処分してくれました。
ありがとうおじさん!

アンチオブザーバーanti-observerというからにはどこかに何かを観測 オブザーブしてるやつがいて、それに対抗antiするわけです。
今回はこの観測についてフォーカスした自由研究です。

何を観測しているのか?

観測といえば観測者問題です。量子論っぽいSFと多世界解釈っぽいSFが合わさると大抵の場合登場します。観測されるまでは重ね合わせで複数の状態を同時に取っている事で有名な量子ですが、SFでは軽々しく世界が重ね合わせ状態になったり、観測者がその中から望んだ世界に収束させたりします。
観測者問題っぽいSF風味のファンタジーでは魔法の仕組みとして採用されがちですが、アンチオブザーバーは魔法使いによる世界の書き換えを妨害するアイテムなのでしょうか?
そういう設定もありそうですし、かなり無敵のアイテムです。しかしそれなら何故レジスの武器が使えなかったり、後からフィリアが魔法を使えたりしたのか。フィリアが使ったのは渋谷組のようないわゆる「超能力」ではなく、どちらも詠唱を伴う精霊魔法でした。
この手の魔法無効化系のアイテムでレジスの様な兵器まで無効化されるというのはなかなか珍しい設定なのでここから考えていきましょう。無効化されたバスターアームとシルフィリアカッターの共通点は何か、それはそれぞれの世界では当然の事として普及している|理≪ことわり≫の上に構築された力だという事です。
スイゼンが「基底観念」と呼ぶそれらは、彼らの外側にもともとあったものでした。アンチオブザーバーが遮るのは、それぞれの世界のルールを観測し、魔法理論や機人の活動などを成立させていた誰かの視線。観測されなくなったルールは拡散し揺らぎの中に埋もれてしまうのです。
覚醒したフィリアは揺らぎの中から理を自ら観測し、精霊魔法の成立する世界を確立した上で光の精霊魔法を放ちます。この「新たな観測」はアンチオブザーバーに妨害されませんでした。バスターアームを防いだ時に「調節が間に合ってよかった」と言っているため選択的に妨害する事はできそうで、となると、プロキオくんが無茶苦茶頑張っていればもしかしたらフィリアの観測も妨害できたのかもしれません。
仮に非選択的に全ての観測を妨害してしまうと、虚無となってしまい、そこではプロキオくんもアンチオブザーバーも存在できなくなるのでそんな仕様なのでしょう。

誰が観測しているのか?

世界の理を観測するのは誰なのか。アルク達が頻繁に行き来する世界、それぞれ基本となる理は異なるはずなのに、魔法が使えなくなったり機人が動かなくなったりといったことはありません。
それぞれの世界に対して「この世界はこういうものである」と観測しながらも、他の世界の理も同時に観測し許容する。とてもステラらしい様に思うので、世界の理の観測者はきっとステラです。星見の街で世界を遠望していますしね。
ステラによる世界の観測を妨害するために調節されていた秘宝だからフィリアによる観測には対応できなかった、と考えれば辻褄も合います。ステラバスター、星喰いなどと同様に、対ステラ戦を想定した過去の遺産の一つなのでしょう。やー、物騒ですねぇ。
しかし、ステラの観測だけにより世界の法則が維持されているのであれば、アンチオブザーバーは地上でも同等の機能を発揮しそうです。揺らぎの中はステラしか観測できない場所である(迷宮おじさんも影響を受けていたようなので例外はありそう)ために、アンチオブザーバーが真価を発揮できたのではないでしょうか。
他の観測者候補としては、星くん、始原の龍、古龍含めドラゴン全般、超能力者全般、全ての人々の観測の総和、アルクなどでしょうか。星くんに関しては間違いなく観測者だったでしょうし、並行世界観測装置を介して始原の龍に他の世界を観測する事を依頼しています。そこからどのようにステラに繋がるかを妄想すると捗るのですが、全然まとまらないしアンチオブザーバーとは関係ないので一旦終了です。

まとめ

秘宝・アンチオブザーバー、ステラによる世界の観測を遮る秘宝。
それは結局のところ自分の世界を他人に決めさせず自分だけで自分を決める、そのための鎧だったのかなと思います。一方的に観測し、価値観を押し付け勝手に評価を行い断罪までする上位者に対抗するには必要な力。誰にも自己を見せない・評価させないための鎧。それを纏う限りは自分一人だけで自分を変えて行くしかない。
他者を理解し、他者に理解されることを通じて強く変わっていく事を選んだアルク達には必要のない秘宝なのかもしれません。

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