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部屋とエレドグレーマと私

昔々、あいしうの母が車を運転している時に、しょっちゅう若かりし頃のあいしうに車で聞かせていた曲があった。

『部屋とYシャツと私』だ。

要するに『奥さんになった私を絶対に不安にさせるような事をさせるな、私は貴方に尽くしますよ』っていう意味合いの曲なのだが、これを延々とあいしうに聞かせてくる。

僕は好奇心に抗えずあいしうの母に聞いてみた。

しう『どうして車に乗ってる時に、部屋とYシャツと私ばかり流すの?』
ママしう『あいしうも、いつか、私のように尽くしてくれる女と結ばれたら、絶対に悲しませちゃダメよっていう教育よ』

自意識過剰な母親だ。

しかし『部屋とYシャツと私』を延々と聞かされて育った身だから分かる。
僕もエレドグレーマに尽くしているような気がしているからだ。

エレドグレーマはつくづく困った旦那だ。
このひらがな四文字の頂点に君臨する男、あいしうをここまで困らせてくる。

次元超越でアルキテの強化が来ると分かった日には『とばっちりでエレドグレーマにも強化が頂ける…そういうことですね!?』と期待して毎日デッキをさわさわする幸せをエレドグレーマはくれた。
まあ結局こいつもといブシロードは裏切ったわけだが。

コイツに乗ってデッキを五枚確認するしぐさは恋人が車の運転をする際にバック駐車で停める際のうなじにドキッとさせられるアレによく似ている。
似てるって言え。

エレドグレーマを一人回しし続けているとこんなフレーズが頭から湧き出てくる。

部屋とエレドグレーマと私。
愛する貴方の為、毎日デッキを磨いていたいから
人生の記念日には
デッキを五枚捲って その気でいさせて

なんと沁みるフレーズだ。
あいしうはエレドグレーマの女房と言っても過言では無い。NHKのドラマでありそうですよね。エレドの女房。

しかし…ここまで沁みるフレーズを思い描いていても、次元超越では流石に強化なんてないだろう。残念だよ。
あいしうの目のハイライトが消えていくの感じながら毎日のようにせっせこ仕事をしていたら、ある一枚のカードが飛び込んできた。


神のレアカードだ。

あいしうの目のハイライトがまるで十字に切り込まれたしいたけの目になった。
光が宿されたのだ。

分かりやすく言おう。輪廻からの解放。ニルヴァーナだ。

ブッダが漫画を徹夜で書き上げて、原稿を上げた時のその解放された時、ブッダはそういった。あいしうもそういった。

昨今におけるエレドグレーマはシュルガ&ダルクアージュを使った圧縮と恒久的なペルソナでアドバンテージ差をつけて勝つことが主流となった低速寄りのデッキという立ち位置に収まっている。
ブリッツ型にすると実は昨今エレドグレーマ『以外の』G3ターンの出力が高すぎてペルソナターンまで到達しきれずに待っているのは対戦ありがとうございましたといいながらダメージ6点を受けるあいしうの姿だ。
スキュードペインを入れて相手の盤面完全崩壊する形で相手に手札の質を要求する形をとる事で強引に耐える等しなければまあ耐えられん。
そういうわけで最近はアルキテライドラインでエネルギー研究回収の方向性でデッキが組まれているわけだが。
そうなると如何にして序盤のダメージを抑えるか、というのがカギとなっている。
そこで抑えられるのが今回追加されたブリッツオーダー、ぺリッカー・エクスプレスというわけだ。

ライドコストにしてしまったり実験大成功のコスト等で捨てたG2のセットオーダーを戻す事で使えるので実質ノーコスト。
大賑わいの観客席を戻せばクランクドベンダーを出して引っ張り出す芸当が出来たりするので引いてしまった場合のケアも完璧だ。
エレドグレーマによるブリッツというと『研ぎ澄まされし闘気』というものがあった。あれもあれで優秀なのだが如何せん手札依存である事と、エネルギーを2使ってしまうのが難点。
あのエレドグレーマ専用の最強の怪獣デスバルガンとコスト競合が発生してしまっていたのが宜しくない。

だがこの神のカード。ぺリッカー・エクスプレス。

これを使えばそんな児戯にも似た問題は一発で解消されるというわけだ。

これがブシロードがお送りするあいしう宛の恩寵(ギフト)。
部屋とYシャツと私を罰ゲームのように延々と聞かされて育った僕に対する慰めの一手。

ぺリッカー・エクスプレス。

コイツが運んでくれたのはあいしうに対するささやかな幸せなのかもしれない。
こんな事で幸せを感じてる辺りこのあいしうとかいう人間はちょろい。

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