日暮らし。

ぼくらはいつも悩んでばっかだ。20代の時は30代になれば悩むのが多少楽になると思っていた。30代になった今、間違っていたと思った。30代にも悩みはあるのだ。同じくらい深刻だ。そしてこれからも悩むことはいくらでもある。生活していくって大変だ。生きるためには金を稼がなきゃならない。そして人との価値観の違いなんていくらでもある。ずっとこのままなんてない。永遠なんてない。人は変わるものだ。

立ち食いそばに行くと安心する節がある。皆、1人で黙々と食べている。話している人もいるけど、ほとんどがそそくさと食べ終える。ここにいる人は色んな肩書きや人生があるんだろうけど、食べている瞬間は1人なんだなと思う。みんなで食べるごはんも好きだ。それと同じくらい1人で食べるごはんが好きだ。出された飯と向き合う。冬の季節、蕎麦屋では暖かいものを頼む人がほとんど。湯気が立ち込めたそばを一人一人持っていき、冷ましながらかき込んでいく。会話もなくただラジオだけが流れている。そういう空間が安心するところもある。ある種の会話のないコミュニケーションというか、気張らなくていいというところに安心する。

それぞれが自分だけの時間で食べていく。食べ方なんてそれぞれだし、最後は一緒だ。特に感動も言葉にせず、外側に発することなく帰っていく。食事が表すのは味よりも人との関わり方だったりもするのかもしれない。

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