「就活、同棲、まいにちごはん」感想

※個人の備忘録的な書き込みです
これ、増田でやっても良かったかもなあ

作品の流れとしては、就活を始めるのが遅い大学4年生の女の子が(外見は殆ど小学生)
「かーっ、働くってわかんねー!」とモダモダしながら、彼氏と飯食ったりイチャイチャするのを眺める漫画
読者の「こういう大学生活したかったなあ」が十分に投影され得るだけのキャパシティを持った作品なので、みんな読んで

いわゆる「就活」や「成長」「ダメな娘」といった要素が入った作品
個人的に思い出すのは、「空の下屋根の中(双見酔)」や「私の棲む部屋(橙乃ままれ)」などなど
1話1話のテーマ設定がしっかりしていて、主人公が日常の些細な出来事から気付きを得て成長していく描写が丁寧

こうしたリアル路線の作品の難しさとして、バランスのとりにくさがある
つまり、以下のどちらかに偏ってしまうこと
どちらに偏っても、人間が持ち得るような自然なネガティブ/ポジティブな感情が排斥されてしまうことになり、人間らしさを損ねた「ご都合主義的な作品」となってしまう
「登場人物に悩みや葛藤がなくなってしまうような楽観主義な方向性」
「徹底的に失敗と挫折だけを積み重ねていくような悲観主義的な方向性」

しかし、この「まいにちごはん」では、あくまで等身大なのだ
主人公の里流は、ちゃんと「面倒くさい」と思うし、自分で分かってない事や都合が悪い事には黙ってしまう
人並みにイライラしたり落ち込んだり、他人からの好意・愛情を素直に受け止められない時もある
かと思えば、ご飯食べてほっこりしたり、光世からの手紙に嬉しくなってしまったり、友人との会話で楽しくなったり、料理が上手くできて喜んだりする

作中のテーマが優先されるのではなく、あくまで「里流真類」としての人生がそこにある
作品の構成としても「導入→葛藤→ごはん/会話→気づき→ほっこり」になっていて、ネガティブ/ポジティブのバランスがとれるようになっている印象
話数が進むにつれて、ネガティブ/ポジティブの要素が増えてもちゃんととバランスが保たれていくし、主人公の里流真類がどんどん可愛くなっていく
彼氏の光世の方も完璧超人ではなくて、普通にいらいらしたり、自分自身の進路に悩んだりと対等な関係性


FUZを入れた時に一番先に気になった作品
絵柄とタイトルで何気なく読んでて、後から「この人、ボイロの叡智絵でお世話になってる人じゃん」となった
あんまり言うとドン引きされるので言いませんが、空気感のある良い絵を描くんですよ本当(手遅れ)

個別感想(未推敲/未編集の書き散らかし)
1話:好き嫌いをはっきり言う
2話:苦手なものもやってみれば、案外駄目じゃない
3話:正直なところを評価してくれる人と会おう カレーは正義
4話:この人のエッチ描写はどこから、僕はボカロ・ボイロから
5話:等身大の大学生、お互いのイライラがあるも、アウフヘーベンして寿司屋へ
6話:面接での欠点が日常生活とちゃんとリンクしている。日々の気付きが、少しずつ前に進ませる
という点でちゃんと主人公してる
7話:「毎日毎日不安ばっかり 面倒…」は、読者との共通項の多いセリフだと思った 料理をまた作り始めた、一歩づつ進んでいるよう。すぐには料理が上手くいかないところが良いと思った
8話:絵のタッチが少し変わったけど、すき。前話とつながっていて、料理を再挑戦する話
「もやし大好きー!」が大好き
「うお~」も大好き
慣れていないと、とっさにはできないのがテーマ
9話:面接練習に挑戦する話。合わせることも大事であるという
10話:あとづけの話。人間、その時は考えてなかったり分かってなくても、後から出てくることあるよねえ
もこもこ卵、おいしそう
11話:次話~次話のメインテーマになる、就職場所の話。「近くにいるからって、何でもかんでも皆話すわけじゃないもんね」と、
12話:光世に隠して、疚しいかんじ、なぜ?どうして隠している?人間らしさ、そして、準備不足は前から?

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