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紹介してもらった乙女系CDが「君のために世界を滅ぼすけどジャガイモも剥く」系であまりにも激アツ

友人ひわだ氏(@hinawa)に紹介してもらった乙女系シチュエーションCD、
【ラクリモサ-七つの罪-】傲慢の章:ゼクス
があまりにも激熱だったので備忘録としての感想です。

(※乙女系シチュエーションCDとは…
いけてる男性キャラが声だけで一人芝居をしながら耳元でずっと私に喋ってくれたり、時々耳を舐めたりしてくれるドラマ仕立てのCD。私はほぼ初めて聴きます。)

以下、ネタバレがありますのでご注意ください。

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「お前の愛するものは俺がぜんぶ壊す。そして愛しているからお前も殺す」系キャラが大好きな私としては、ゼクスさん最高にイケてる殿方だった。

巷では「お前が愛する世界など滅ぼしてやる!」と宣言してくれる殿方キャラはけっこういる。だけど結局実行には移してくれないパターンが多く、「で、結局世界の炎上はいつなの?」とヤキモキしてしまう。

ねえ、せっかく架空の物語の中にいるんだし、見せてくれよ!愛のために世界が滅びゆくさまを!というか滅ぼしてから事後報告に来てくれ!みんな強引に好き勝手やるわりにはこういう時だけ事前確認か!?

…と思っていた所にこのゼクスさんだ!!

「お前を苦しめるものは全部俺が消してきてやる…」、「今なら600年前と同じ力が出せる…行ってくる…」と4分くらいかけてじっくり世界破壊を匂わせてくるゼクス氏。
お?これは…来るか?全部とか600年とかでかい単位チラつかせてくるってことは…マジで出るか!?ワールドデストロイ!?
…とワクワクが最高潮に達した次のチャプター冒頭。

ゼクス「何もかも消し去ってきた。お前を苦しめた連中は全員俺が息の根を止めた…騎士団も、魔術師も、…(城の連中は)全て切り捨てた!これでお前には本当に帰る場所がなくった!お前は俺が憎いか!」

まじかよ!よくやった!!!

砂の城を壊す浜辺の子供たち、ギターをステージで叩き折るデスメタルバンド、自分が作った宇宙を壊す神話の神々、そして…ゼクス!君だ!

なんと気持ちのいい壊しっぷりだ。心の中で全私がサイリウム振りたくって紙ふぶきが舞って花火がドッカンドッカン打ち上がる。ああっ…ゼクス…!それをマジで実行してくれる殿方はなかなかいない!

本当に大好きなんだよ…!愛がコントロールできなくなって町一個消し炭する展開!
二人の間だけの、個人的な、身勝手な、ちっぽけなただひとつの愛が、世界ごと巻き込んで破滅するこの展開!

さあもっと聞かせて!貴方が愛のために何を壊したか、どんなふうに世界を燃やしたか!
現実の人間はガラスのコップ一つ壊すのも躊躇してしまうんだから!

そんなわけで、他のどんなエロい台詞よりもこの破壊完了宣言が私の中で熱かった。

加えてポイントが高いのは、ゼクス氏はここまで世界を身勝手に滅ぼしたり、主人公を監禁したりしているはずなのに、なぜか家事を手伝ってくれてジャガイモも一緒に剥いてくれるんだよ…。

なんだその突然のお気遣いは!?
騎士だからか?君は騎士だからそんなに気が回るのか、ゼクス?

もうこの矛盾してる感じが最高に乙女心とらえてるよ…。
私のために世界を滅ぼしてほしい。でもジャガイモは一緒に剥いてほしい。っていう、この…!
馬鹿っ…私…なんて身勝手なんだ…!相手は600年前の価値観の騎士だっていうのに…!私の馬鹿っ…!

ゼクス氏は性格のテーマが「傲慢」だったけど、
私の心の傲慢があぶりだされた感があった。


しみじみ思い返すが、世界の破壊の部分、声だけで伝える物語だからこそできる展開なのかもしれない。実際にゼクスが城の人間を虐殺するシーンを絵で見せられたら、どれだけジャガイモ綺麗に剥いてても引いてしまうものがある。でも声だけなら美しい影絵だ。古代ギリシャの叙事詩に編まれた戦いのシーンみたいに。

そんなわけで、乙女系CDはほとんど初めてでしたが、とても楽しく聞けたので、またこういう「君のために世界は滅ぼすけどジャガイモも剥く」系があったら聞きたいです。

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2015/07/06に別場所で書いたものを一部書き直してこちらに引き上げて来ました。


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