学校1怖い先生に片想いした話②
当時の私の学生生活は
今思い返しても結構な激務でした。
田舎のため高校への登校は
始発から終点一歩手前までの
1時間かけての電車通学。
しかもその電車自体が
1時間に一本しか通らないのです。
乗り過ごしたら遅刻確定です。
私たちは「汽車通」と言っていました。
朝7時半から始まる課外に間に合わせるため
朝5時に起きて6時ごろには電車に乗り
夕課外が終わったらまた6時とかなので
7時に家につき
夕食後はまた勉強で12時前に寝る生活でした。
小中学校の時は
居眠りなんてほとんどなかった私も
さすがに授業中ウトウトすることが
多発しよく怒られていました。
そのうちなんだか
その怖いその担任の先生が
私をいじるような感じになってきたのです。
今まであまり目立っていなかった私に対して
それをきっかけに
微笑ましいような視線が向けられ
私にとって暖かい空気になってきました。
このクラスにも形だけ
カーストのようなグループは
あったにはあったのですが
進学校の3年ともなると
「それにかまけているなんて馬鹿馬鹿しい」
という雰囲気もありました。
今まで私に話しかけることもないような
少し目立った子たちも
私に話しかけてくるようになりました。
しかも当時から割と音楽に詳しかったので
「CD貸して」というような
やりとりがよくありました。
高校3年生は部活もなければ
受験勉強優先で体育大会や文化祭などの
大きなイベントに参加することがなくなり
夏頃にあった球技大会が唯一というか
最後のまともな息抜きイベントでした。
誰からともなく
課外のない日にみんなで
近くの公園でバレーの練習を
するようになりました。
体育大会や文化祭に比べると
ほんの小さな規模のイベントですが
私にとっては修学旅行を含めた
今までの校内イベントの中で
一番楽しかった記憶すらあります。
そのクラスのメンバーとは何をしても
楽しかった気がします。
やはり何をしたかより
誰としたかなんだなと
この時に実感しました。
その空気を作ってくれたのはまさに
私のキャラを開発してくれた先生でした。
その先生は聞けば一流大学卒で
ぶっきらぼうだけど教え方が抜群にうまく
なぜ文系にいるんだと思わせるくらいでした。
1年からこの先生に教えて貰えれば
得意科目は数学になっていたかもしれません。
それでいて
人が嫌がるようないじりはしない。
厳しいけど
愛に溢れていました。
みんな先生の教える数学の授業に虜になり
みるみるうちに数学の成績が上がってきました。
カンニング竹山さん似とお伝えした
その先生が
何人かの女子生徒からいつからか
「かっこいいよね」と
言われるようにさえなりました。
そんな女子にも人気な先生から
私は授業でよく当てられていて
友達からも
「〇〇先生はSISのことお気に入りだよね」
と言われ
それによってクラスの空気感もかわり
私の承認欲求はジャブジャブ満たされていきました。
また楽しんでいるのに
数学の成績もみるみるうちに
上がっていくので
親も気分はいいですし
上記のような激務で
しんどいはずの受験生活が
あまり辛いように感じませんでした。
ただ少々私は調子に乗り過ぎていたようでした。
つづく
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?