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アストリスとライラの正体を暴く【惑星アリンド調査報告書】

今回はアストリスとライラの正体を解き明かすために考察をしていきます。

今回の考察において重点となるのは地球人とアストラモーフの認識が異なっていた事です。

彼らは原質流速という魂とも言えるものを認識できていた事や、ゼオライト号が崩壊しているのに関わらず最後まで走っていた事など不可思議な事象が多く存在しました。

そして多くのアストラモーフが宇宙へ旅立とうとしても、何故アリンドから出られなかったのかという謎を解明できるように仮説を立てていきます。


ではアストリスの基礎知識から整理していきます。

まず【ライラ】という存在が生み出した【アストリスの原質】という流体鉱石が存在しており、この【アストリスの原質】にライラが外星から入手した生命の情報と掛け合わせて生まれたのが【アストラモーフ】です。
【アストラモーフ】は様々な種類が存在しており、中でも地球人を模倣して創られた【アリンド人】は我々に似ているが神秘的な能力を持った生命です。

更に洞察を深めていきますが――
【アストラモーフ】の元になっている【アストリスの原質】には【原質濃度】と【原質流速】という要素が備わっている。

ヒヤシンスの場合【原質濃度】が変化した事で別の形態に変化したことから、【原質濃度】は物質的な肉体を司る要素だと考えられる。

一方、Ep⁶が【原質流速】を低下させることで、肉体は植物状態に成ってしまったことから、【原質流速】は個体情報を司る精神的な要素だと考えることが出来る。

次なる洞察ですが【アストラモーフ】は3つの要素から構成されているようで、【アストリスの原質】は物質的な肉体だとして【非アストリスの原質】と【流れ】という要素もあるのですがEp⁶の資料からは何を意味しているのかはわかりませんでした。
なので便宜的に地球の思想に当て嵌めてみるが【非アストリスの原質】は形而上学的な肉体である【アストラル体】、そして【流れ】は【魂】が該当するのではないかと考えました。

次はアストラモーフの特殊な進化のメカニズムを説明していきます。

まず【リセット】という期間の間に【ライラ】は外星から生命体の情報を入手し、それが終わると全ての【アストラモーフ】を【アストリスの原質】に戻す【退潮】という期間に入ります。
そして外星生命体の情報を元に新たな【アストラモーフ】を創る期間を【満潮】と言います。

これがアストラモーフの輪廻転生の仕組みですが、奇しくもこの仕組みはユダヤ神秘思想の【カバラ】と酷似しておりました。

カバラとはヘブライ語で【伝承】を意味しており、ユダヤ思想を基礎としピタゴラス教団などの神秘思想を掛け合わせた神秘主義です。

カバラではエデンの神話に出てくる【生命の樹】を唯一神としており、【生命の樹】が生命の輪廻を司っているとされる。

特筆すべき点としてカバラの神話では、【贖罪の日】が来ると全ての生命は死に、悪の記憶は排除されて、善の記憶のみが【生命の樹】に還り、またその善の記憶から新たな生命が【再創造】される。
そして新たな生命が生まれる時を【光の祭り】と言う。

この神話はライラのリセットのメカニズムと酷似していると言える。

これらのことからアストリスの謎については神秘思想が解くための鍵になるのではないかと考えました。

【アストリス】の基礎知識はここまでにして、ここからはアストリスの正体について考察していきます。

考察するに当たって欠かせないのはアストリス研究の第1人者であるEP⁶が重要な存在となります。

彼はリセットの周期やアストラモーフの構成が三角形の法則で成り立っている事を発見したり、闇と光/善と悪などの二元論の思想、そして晩年には音楽について没頭していたというが、奇しくも彼の研究内容は古代ギリシアの哲学者ピタゴラスの思想に当て嵌まります。

またEP⁶の研究の功績の一つであるライラキーだが、これはドロニウムで出来た三角形で、アストラモーフの原質流速に影響を与えるものである。
つまり三角形などの幾何学体が魂と呼応していると考える事ができる。

これらの点からピタゴラスが提唱した、万物の真の形は”三角形や丸などの幾何学体”であるという『イデア』という思想と関連性があると考えた。

イデア論とは何かを説明すると、ピタゴラスの【イデア】という言葉を更にプラトンが発展させたのが【イデア論】と言います。

プラトン主義に基づいて説明していくと、【イデア界】という霊的世界に存在する神の【デミウルゴス】が創造したのが我々が認識している物質世界です。
そして人間などの生命体は物質的な肉体とは別に【イデア】という真の姿が存在していると言うのが【イデア論】です。
ピタゴラス曰く【イデア】は三角や丸など幾何学体の姿をしているのですが、生命は自分達の真の形を忘れてしまったため【イデア】を認識できないと言われております。

そしてこの【イデア論】をアストリスの世界に当て嵌めると、よく似た構図になるのがわかります。

アストラモーフはライラという物質的な創造神から創られた存在で、魂と言える原質流速を認識できることから【イデア】のような霊的な存在を認知していると考えられます。

つまり地球人やノンアストラモーフなどは物質的な肉体を実体としており、魂は霊的な存在であるのに対し
アストリスが元になっているドロニウム製品やアストラモーフは、霊的な【イデア】を実体としており、魂は物質的な要素で構成されていると言う事になります。

即ち、地球人とアリンド人は正反対の摂理になっていると考えることが出来ます。

この仮説であれば、アストラモーフと認識が異なっていることや、ドロニウム製のゼオライト号が物理的には崩壊しているのにも関わらずどうして走っていたかという謎を解くことが出来ます。

またこの仮説を踏まえて洞察を深めていくと、ライラに生み出されたアストラモーフは物質世界と反対の摂理になっているのだとすれば、”物質世界である宇宙に出たアストラモーフは、霊的な存在から物質的な存在へと反転する” と考えることが出来る。

これがアストラモーフが宇宙から出られない理由であると考えた。


考察をまとめていくと――

ライラとは可視化できる物質的な創造神であり、それから創られたアストリスもまた物質的な霊魂である
そしてアストラモーフは魂などの霊的な世界を認識出来る生命であると推測しました。

つまりライラもそれから生まれたアストラモーフも、物質世界とは正反対の理の存在と言える。

Ep⁶やピタゴラスが言う、世界の理には光と闇のように裏表が必ず存在するという二元論に基づいて考えるのであれば、神とは霊的な存在だけではなく物質的な神も存在すると言える。

そしてライラこそがその最もたる存在だろうと結論づけました。


以上の説明をもってアストリスの正体についての考察は終わりになります。



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