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【ブルアカ 】AL-1S=『ヨハネの黙示録』説【ブルーアーカイブ 解説&考察】





アニメを見るまではブルアカをエッチなだけのゲームだと思っていましたが、以外にも神話に基いた設定だったのでドハマリしてゲームも初めてみました。

今回の動画では『時計じかけの花のパヴァーヌ』のシナリオを宗教学を元に考察していきたいと思います。

では早速、記事のタイトルになっている仮説について解説していきますが、私はアリスーもとい【AL-1S】の正体を【ヨハネの黙示録】だと考えました。

その理由は【ヨハネの黙示録】をラテン語に訳すと【Apocalypsis Iōannis】になります。
そしてアクセントっぽい所を取っていくと、なんと……

【AL-IS】になります!


おっと、ブラウザーバックをするにはまだ早いですよw

適当すぎだし【I】じゃなくて【1】だろっ!!と思われるかもしれませんが、パヴァーヌのシナリオと【ヨハネの黙示録】には幾つも共通点がありますので、これから根拠を語っていきます。


その前に事前知識として【ヨハネの黙示録】とは何かを説明していきます。

【ヨハネの黙示録】とはヨハネという人物が見た世界の終焉が書かれた予言書のようなものですが、実はこのヨハネはイエスの弟子ではなく、どこかのヨハネさんが書いた物語です。

主な内容としてはユダ王国を滅ぼしたバビロニア帝国とエルサレム神殿を壊したローマ帝国への恨み辛みが凝集されており、14400人のユダヤ人の童貞以外皆殺しという、古代イスラエル人の怨嗟と復讐に塗れた終末論です。

キリスト教では新約聖書の最後の本として登録されていますが、正教からはあまりの過激内容にドン引きされているため読まれることはないようですが、一方イスラム教やユダヤ教からは、過激な内容が大ウケし一斉を風靡しました。
(※この解説は曲解と偏見が含まれています)

黙示録の物語の流れを大雑把に説明すると……

・幾つかの災いと第3の災いの後、地上が滅び――
・ミカエル率いる天の軍団とサタン率いるゲヘナの軍勢の最終戦争(ハルマゲドン)が行われ、悪魔は滅びて――
・キリストの最後の審判によって異端者共が奈落に落とされ
ユダヤ人達は【千年王国】に導かれる(=パルーシア)

――という話です。


では【ヨハネの黙示録】についての説明は以上とし、ここからは黙示録とパヴァーヌ編の共通点を解説していきます。

まず舞台となる【ミレニアムサイエンススクール】ですが、学校の名前は恐らく【ミレニアム懸賞問題】と今回の章では”終焉”がテーマになっていることから【千年王国説】のダブルミーニングとして付けられたと考えました。

【千年王国説】とは、【ヨハネの黙示録】で書かれている”地上の滅び”の原因となる3つの災厄が何時来て、何時キリストが降臨して【千年王国(神の国)】が築かれるかという論争です。

”終焉”からキヴォトスを守るため奔走していたリオは『千年難題の解決を望み、星を追う者』と言っていましたが、この”星”とは黙示録9:1で語られる『第一の災い』を齎す”鍵”の事ではないかと考えました。

9章
1:第五の御使が、ラッパを吹き鳴らした。するとわたしは、一つの星が天から地に落ちて来るのを見た。この星に、底知れぬ穴(冥府)を開く鍵が与えられた。

『第一の災い(第5のラッパ)』とは地上が崩壊する直前の災厄のことで、黙示録にて”星”と呼ばれている冥府の王(アバドン)がキリストから賜った『冥府の鍵』を使い『イナゴ』という異形の怪物を解き放ち人を襲わせます。
この『冥府の鍵』は『天国の鍵(ダビデの鍵)』と同一と考えられており、キリストを信じるものはこの鍵で千年王国に導かれ、信じないものは奈落に落とされると信じられています。

つまりこの鍵が『key』のことであると考えました。
『key』は世界に終焉を齎す存在であり、王女を助ける無名の司祭たちが残した『修行者』と言われていましたが、この『修行者』は『天国の鍵』を所有する教会と、キリストを信仰する『修道者』が当て嵌まると考えました。

『key』が『冥府の鍵』であるならば黙示録のシナリオと一致する点します。
黙示録では鍵が初めて使われる時『イナゴ』という異形が解き放たれましたが、『key』が初めて起動したときも『無名の守護者』という異形の存在が登場しました。

この『イナゴ』とは人間の顔に”女の髪”が生えており、”獅子の歯”を持ち”鉄の胸当て”を付けており、”サソリの尾”を持つと書かれています。

9章
7:さて、いなごの姿は、出陣の用意を整えた馬に似て、頭には金の冠に似たものを着け、顔は人間の顔のようであった。
8:また、髪は”女の髪”のようで、歯は”獅子の歯”のようであった。
9:また、胸には”鉄の胸当て”のようなものを着け、その羽の音は、多くの馬に引かれて戦場に急ぐ戦車の響きのようであった。
10:更に、”さそり”のように、尾と針があって、この尾には、五か月の間、人に害を加える力があった。

そして『無名の守護者』達には『イナゴ』の特徴が振り当てられていると考えられます。
タイプMは女性の髪の毛で、タイプFは足が獅子の歯のようです。そしてタイプBは間違いなくサソリで、防御システムは鉄の胸当てを表していると考えました。

次に『key』は『プロトコルATRAHASIS』を発動しますが、これは黙示録の『第2の災い(第6のラッパ)』と共通点を持ちます。

9章
13:第六の天使がラッパを吹いた。すると、神の御前にある金の祭壇の四本の角から一つの声が聞こえた。
14:その声は、ラッパを持っている第六の天使に向かってこう言った。「大きな川、ユーフラテスのほとりにつながれている四人の天使を放してやれ」
15:四人の天使は、人間の三分の一を殺すために解き放された。

『第2の災い』ではユーフラテス川に縛られていた天使が人口の三分の一を滅ぼすと書かれていますが、これは暫しユーフラテス川を舞台とした『ノアの洪水伝説』との類似性が上げられます。
そして『ノアの洪水伝説』より前に書かれた『アトラ・ハシースの洪水伝説』もユーフラテス川の洪水が起源となっていることから、同一の起源を持つ『アトラ・ハシースの方舟』を『第2の災い』の代替としたのではないかと考えました。


黙示録では『第1の災い』と『第2の災い』が齎された後に、世界はキリストの物となり、玉座に座ったキリストが『第3の災い』を実行し地上に終焉を齎します。

『Key』が『王女』を玉座に導く存在だったのも、『第1の災い』と『第2の災い』を再現し『王女』に『第3の災い(地上の終焉)』を齎せようとしていたと考えられます。


11章
15
第七の御使が、ラッパを吹き鳴らした。すると、大きな声々が天に起って言った、「この世の国は、われらの主とそのキリストとの国となった。主は世々限りなく支配なさるであろう」
16 そして、神の玉座の前で座についている二十四人の長老は、ひれ伏し、神を拝して言った
18 諸国民は怒り狂いましたが、あなたも怒りをあらわされました。そして、死人をさばき、あなたの僕なる預言者、聖徒、小さき者も、大いなる者も、すべて御名をおそれる者たちに報いを与え、また、地を滅ぼす者どもを滅ぼして下さる時がきました」
19 そして、天にある神の聖所が開けて、聖所の中に契約の箱が見えた。また、雷と、もろもろの声と、雷鳴と、地震とが起り、大粒の音が降った。

要約すると――
『無名の守護者』の出現は『第1の災い』の再現
『アトラ・ハシース』の起動は『第2の災い』の再現
そして上記の2つのプロセスが完了した後、王女が玉座に座る事で
『第3の災い(地上の終焉)』の再現が王女から宣言されるはずでしたが、ゲーム部のおかげで回避できたと考えられます。

黙示録では『第3の災い』のあと”地上が変形してキリストが最後の審判を行う山に変化する”のですが、エリドゥがアトラ・ハシースに変形させられかけていたので、ここも黙示録の再現にされているように思えます。


そして、その後の章もヨハネの黙示録の再現であると考えられます。――
『エデン条約編』ではミカエル率いる軍勢とサタンが率いるゲヘナの軍勢の戦争である『ハルマゲドン』の再現になりかけておりましたが、補習授業部のお陰でゲヘナとトリニティの衝突は避けられました。

最終編は黒服がパルーシア(最後の審判)の再現と言っていましたが、こちらは黙示録通りナザレのイエスである先生、もといプレナパテスが最後の審判役がふられていました。

詰まる所、先生が最初に見たバットエンド集こそがキヴォトスに訪れるはずだった『ヨハネの黙示録』だったと言えるでしょう。



ではここからは、ゲーム内の設定をヨハネの黙示録に当て嵌めていきます。

AL-1S= ヨハネの黙示録(Apocalypsis Iōannis)を再現するための兵器
天童アリス=ヨハネの黙示録のメシア
”名もなき神々”の王女=ヤハウェの軍勢 
名もなき神=ヤハウェ
無名の司祭=白い衣を纏った24人の司祭(古代イスラエル人)

Key=冥府の鍵(ダビデの鍵)
修行者=キリストの信奉者
無名の守護者=イナゴ(第1の災い)
ATRAHASIS=ユーフラテス川の天使(第2の災い)
DIVI:SION=DIVINE SION(聖なるシオン山)=黙示録では神と信奉者達が降臨する場所
新しいサンクトゥム=新しいエルサレム

・アリスの正体

AL-1Sはヨハネの黙示録を再現するための兵器と考えられ、
『天童アリス』という名前は”ヨハネの黙示録における神の子”つまりキリスト(救世主)を意味していると考えられます。
しかしながらKeyの発言からキリスト教のイエス・キリストではなく、あくまでもユダヤ教やイスラム教における『メシア(救世主)』の役割を与えられた預言者(神の使い)なのではないかと考えました。

※補足
ヘイロー=新しいエルサレム?(地形が四角形であるため)
誕生日:(教暦)3月25日=ハヌカー/光の祭り(エルサレム神殿奪還の日)

・名もなき神=名もなき神説

そしてアリスの二つ名の”名もなき神々”の王女は『ヤハウェの軍勢』を指しており、であれば『名もなき神』とはヤハウェ(アッラー)であると考えました。
”名もなき神”は黒服曰く『大地、海、天災と言った自然を模った形で顕現する』と語られていましたが、恐らくはヤハウェが齎したモーセの海割りやノアの洪水、ソドムとゴモラの火災などを指していると考えました。

また”名もなき神”が作ったオーパーツが幾つかでてきますが、最終章の6本の塔はセフィロトが反転した姿のクリフォトで、ウトナピュシュティムはノアの箱舟(キヴォトス)の代替として用いられていると考えられます

補足ですがヤハウェとは便宜的な呼び方で、神の本当の名はエルサレム神殿崩壊とともに失われてしまったため”名もなき神”と呼称しているのかもしれません。
またヤハウェは聖書にて名を呼んでいはいけないとされていますが、その理由の起源はヤハウェが古都パルミラの『無名神』と呼ばれるメソポタミアの神々だったからという説があります。
つまり『名もなき神』のモチーフは『名もなき神』であると考えました。

・無名の司祭=無名の司祭説

無名の司祭は黙示録に書かれている白い衣を纏った24人の司祭orヨハネから終焉の告知を受けた”7つの教会”であると考えました。(A~Gまで存在するので)
この黙示録に出てくる司祭達は古代イスラエル人であると考えられるが、名前の由来は、旧約聖書のダニエル書にてバビロン捕囚に遭ったイスラエル人達(ユダヤ人)は名前ではなく十把一絡げに『ユダヤ人』と呼ばれていた事から『無名』と呼称されていると考えました。
また現在のイスラム教テロ組織が巡航ミサイルなどを保有していることからも、無名の司祭が兵器を保有している所と合点すると考えました。


ではここから他のキャラの考察もしていきます。

・アリスの敵対者達

まずラスボス的な存在だった『調月リオ』のモチーフについて考えていきますが、役割的にはやはりイスラエル人の宿敵である新バビロニア帝国の暴君『ネブカドネザル2世』がぴったりだと考えました。

『ネブカドネザル2世』とは古代イスラエル人が住んでいたユダ王国を滅ぼし、バビロンに連行し数百年に渡って苦しめてきた古代イスラエル人の怨嗟の元凶で、旧約聖書が作られたきっかけと言ってもいいです。

旧約聖書の黙示文書である『ダニエル書』では暴君ネブカドネザルが破滅的な夢(黙示録)を見た事で発狂し失踪して、7年間野原を放浪した後正気に戻り、神を信じるようになったと言われており、リオの行動パターンと合致します。
ちなみに発狂して野原を駆け回っている時は自分の事を牛だと思っていたようですが、故にリオの”崇高”がキヴォトス一位二位を争う”最長”なのも頷けるかと思います。

”調月”という名前についてですが『ダニエル書』のネブカドネザルは、新バビロニア帝国最後の王ナボニドゥスの史実がネブカドネザル2世と混合していると考えられており、ナボニドゥスが”月神シン”の熱狂的な信奉者であったことと、世界初の”考古学者”であった事が名前に反映されていると考えました。
つまり調月リオのモチーフは『ダニエル書のネブカドネザル』だと思われます。

そして調月リオをはじめ、アリスが敵対した人物や兵器がバビロニアの王や都市の名前になっております。
その理由は恐らくバベルの塔の建設を命令したニムロッドという最初に神に反逆した人物がバビロニア帝国の始祖であることから、聖書ではバビロンの王は邪悪な王とされております。
よって聖書に基づきバビロニアの歴代の王の名を持つキャラがアリス(ヨハネの黙示録)の敵として配役されたのだと思われます。


・パヴァーヌ編での先生の役割

次に通説として先生は、イエスの象徴でもある『契約の箱』を持っている事からナザレのイエスだと言われていますが、黙示録のメシアであるAL-1Sと役被りしています。

であれば彼の黙示録における配役は何なのかというと、黙示録の獣に跨り異端者を率いる『大淫婦バビロン』かもしれません。
『大淫婦バビロン』は”汚れた娼婦の巣窟”の比喩とされている事から、卑しか女共が入り浸るシャーレに当てはまってしまいます。

さて、ネタ考察はさておき真面目に考察すると、先生の配役はやはり黙示録に出てくる『偽メシア』と考えるのが妥当でしょう。
偽メシアは異教徒を率いるリーダーとして描かれている存在です。
ナザレのイエスはユダヤ教からは、神の裁きによって殺された罪人と考えられているため、詐欺師(プレナパテス)や偽メシアと書かれています。
そのため先生の役割は『黙示録の偽メシア』であると考えました。

要約するとアリスは『ヨハネの黙示録のメシア』をモチーフとした存在であり、先生は『ナザレのイエス』がモチーフで、古代イスラエル人(無名の司祭)の視点からすれば『偽メシア(プレナパテス)』ということになります。

いずれにせよ二人は異なるが類似な存在であると言えます。

其れ故に『Key』が”敵”と認識していたウトナピシュティムによる攻撃を、先生が庇えたのも、類似の起源を持つ存在だったからであると考えられます。

またアリスが先生に対して地味にマウントを取ってくるのも、聖書の中で最強のステータスを持つ『ヨハネの黙示録のメシア』だから舐め腐った態度を取っているのだと思われます。


ネル=ネロ説


そしてアリスの大親友であるネル先輩は、やっぱり名前からして『ローマ皇帝ネロ』が当て嵌まるでしょう。
ヨハネの黙示録では『暴君ネロ』は『黙示録の赤い竜』として表現されていることから、髪色の”赤”と、スカジャンの竜に合致します。

そして名前の『甘美』の意味は、皇帝ネロがアイスクリームの起源となるドルチェビータ(dolcevita)を愛していた事が由来になってるかもしれません。
またネルは短気で負けず嫌いな性格ですが、ネロも古代オリンピックで八百長をするくらい負けず嫌いで短気で凶暴と言われておりました。
娯楽が大好きで意外と優しいところも共通点に上がるでしょう。

アリスがやたらとネルに苦手意識があったのも、『ヨハネの黙示録』のラスボスである『黙示録の赤い竜』だったからと考えると腑に落ちるところがあるのではないでしょうか。

今回の考察は以上になります。

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