本編を履修しないまま、スタツアを勝手に解釈する~ST☆RT OURS~

ST☆RT OURS

こんな曲はズルい。こんな風に、あまりにもまっすぐ向けられたピュアな歌は………良くないし、いろんな要素を突っ込みすぎた。
こちらの租借が全然間に合わない。
ラストのラストで早着替えして、飛行機で世界を回り、日本に帰ってきた僕らは、それから君たちと宇宙へ!!みたいな感じで、かっこよく踊って、最後盛り上がるのはわかるし、飛ぶのも全然わかりやすく盛り上がっていい。
天井開けたばかりなので上空の風が心配だが、気球的な仕組みを使っているとすれば、むしろここで飛ぶために上を開けたのかもしれない。いや、ドームで天井開けずに気球みたいなの飛ばして頼みたことあるので、やっぱ天井開けたの無駄にすごいな……。
そうでなくとも、拡がってくST☆RISHの未来を表したかったことは、まあ、わかるよ。
曲からの早着替えもアイドルイリュージョンとしてみんな大好きな奴だ。上着マジックテープの音が聞こえる気さえする(???)
ビートを刻む感じのダンスとかそれぞれの歌割りのあとにユニゾンでメンバーが繰り返すところとか、ストレートに楽しい。
でも、あの………こんな風に抜かれるそれぞれの表情is何?
ピュアな顔の翔さんとトキヤさん出てきた時点で、さっき声を震わせた二人じゃん感がすごいんですけど、なんかそんなむき出してこないでほしい。魂のピュアなところを。
反対に音也君はめちゃくちゃセクシーな顔をしている。ちょっとシンメ―!表情入れ替えるのやめてください~!オタクが心臓を抑えてしまいます。
「趣味や仕草だって違っているけれど、最近似てきたと友達に言われる」??(KinKiKids『Anniversary』https://www.uta-net.com/song/22666/
実は全編ずっと思ってきたことなんですけど、もう後半になるとどんどん我慢できなくなってくるな…。すごい表情のイメージ逆転してない?
いまめちゃくちゃ「ファンと一緒に楽しくなってる」のが一ノ瀬トキヤで「ファンに満足や幸せを届けたい」のが一十木音也の顔してない?
サイコー――!!!互いに影響されて変わっていくシンメのこと、私大好き!どんなに似てきても全然違う二人であることも含めて、よく知っているやつです!互いのいい所を吸収してそれぞれがそれぞれなりに変わっていくって本当に最高~~~!!!
ていうか本当にここで見せる全員の表情がそれぞれに普段見せない表情みたいな抜き方するからどれもあんまりに最高なんですけど、記憶のスクリーンショットが仕事しなくて、全然思い出せない。
映画館で見ているときはこれこうじゃん!!っていう言葉が弾幕のように流れているのに、まったく思い出せない。結果思い出せるものが幻覚なのか本物なのかもう私にはわからん…。一曲の中に見るところが多すぎる。
そして、表情はもちろんなんですけど、本当にこの曲のこういうストレートに全部が全部うまいこと回収されていくところ、もう、困難狡すぎるよ。
七海春歌~~~~~~!!
頼むよ~~~!!!ゆるしてくれ~~~!!!!
この、最初から最後まで、丁寧にまとめて最高潮の盛り上がりと輝きを見せる構成………これは………もう、脳内のプリンセスたちみんな泣いちゃったじゃーーん!!! 全員べしょべしょになって終わったあと少しの間席から立てなくなってる。このあとアンコールなんて正気かよ!???
しかもあのアンコール来るなんて……嘘じゃん……。
周囲からあまりにも嗚咽が止まらなくて、今回友達と同行できた初めてのST☆RISHコンサートの子が戸惑ってるよ!!いや、まあ、そいつは戸惑わせておくしかない。ごめん。その君を連れてきた隣のやつが号泣しながらも彼らの姿を眺めて、双眼鏡の縁に溜まった涙のせいで目の周りグッチャグチャになってるのを許してやって、背中をさすりながら規制退場で手を引いてあげてほしい。ごめん、ぐす……ありがと……ごめん……と友達に介護されている友人に乗換駅で冷たい飲み物などを買って渡してあげてほしい。飲む前に一回目を冷やすと思うけど、飲みな、って促してやってくれ………もしかすると感情がだめすぎて握力がなくなって蓋も開かないかもしれないけど、許してやってほしい。一生共通の友人との酒の席でネタにしていいし、次回以降も懲りずに同行してやってほしい。イマジナリーオタクの情緒と、体の反応へのディティールが鮮明で恐縮だが特に似たような経験はない。
しかし、ビートを刻む感じはきっと心臓の鼓動とか、それぞれの歩調とか生きて進んでいくことを表しているし、誰かが先導してからメンバーが揃って続けてくる、この、息を合わせる、声を混ぜ合う、足並みを揃えるみたいな、そういう歌の構成をこんなに純粋に真っ直ぐで明るいメロディーに託されると切なくて泣きそうになる。
そういうのをわかって、意味を持たせて作ってるのが音楽に詳しくなくたって誰にだってわかるんだからこんなん、感極まるなという方が無理があると思う。
耳に届く歌詞が、本当の幸せは〜普通すぎる生きるってことに有るってことをこの歌で託したくて。なのも、もうだめだ。
これが、サビじゃなくて、Bメロなのもだめだ。 割と軽々とこの歌詞を歌われていること、というか、情感はこれから乗ってくるとなると、今我々の情緒完全にジェットコースターのゆっくりな登りなのよ。
私はアイドル『ST☆RISH』をこのコンサートでしかほとんど知らない。彼らがデビュー当時に話題の新人だったせいで、ネットミームとして流れてきたのを流行ってるやつねと見ていただけの茶の間ファン以下の存在なのだけど、このコンサートをここまで見つめてきて、彼らが生きてきた、彼らにとって普通の、そして私達にとって特別な人生の時間を丁寧に噛み締めてきたのだ。 このNoteすでに8万字、その前の感想を合わせると既に10万字以上この映画の感想を書いている。どういうことだよ。一時間半もないんだぞ。
映画自体は書き始めから追加で4回みたので10回しか見ていないが、それでもこれだけ一つのコンサートに対してこれだけの言葉を吐き出すくらいに、私は彼らが今日まで生きてきた『きせき』ってやつをきちんと浴びている。
いや、本当にここまで全部幻覚だった。彼らの人生のことは本当になんにも知らない。道のりの苦楽を一つも共有していない。ヒロインとの出会いとかなんにも知らない。絶対一人は物理的に衝突した出会いをしてると思うし、レンくんとかなんか校庭とか使われていないレッスン室みたいなところでサボって昼寝してるのを見つかってそうーみたいなそんなふわっとしたよくあるイメージしか持ち合わせていないのに、私は彼らが『生きてきた』のを感じていた。
それを感じさせるだけの魅力がアイドルにはある。
だって、アイドルって『偶像』なのだ。
普通のアイドルってやつは私達にアイドルとしての自分をたくさん見てくれて、アイドルファンっていうのは、彼らの見せてくれるものから勝手に自分のみたいようにアイドルを見て、勝手に大好きになるものなのだ。

そういう意味でもST☆RISHって本当にアイドルだ。

そのうえ、作品そのものが歩んできた時間があり、彼らが生きてきた時間があり、様々な展開を行ってきたからだと思うのだが、彼らには厚みや深みみたいなものをきちんと背負っている。 設定としてだけの背景じゃない。彼らの歩みが確かにあると感じられる。
本当に一番初めにスターツアーズのときに書いた話をこのタイミングで回収することになるのだけど、このコンサートには時間と空気が確かにあるのだ。そんなふうに感じ取る積み重ねた要素がある。 二次元が三次元になって私達に届いたとかともまた違う。ただここで一緒に作ってきた時間や空気の境目が曖昧になって感じ取れている。

普通すぎる生きるってことって言うのは本当に普通に生きてるファンの人生に、素直に重ねればいいことは分かっている。普通すぎる生きるってことの中で、このコンサートというものが、とっても特別で大切で、いつも元気をもらってる素敵なものとして素直に捉えることはもちろんできる。
そのうえで、勝手に歌ってくれている彼らの人生を重ねるのだ。
彼らが歌ってることで、そういう、言葉の受け取り方や感じ方が多層的で噛みしめれば噛みしめるほど自分たちの中で勝手な意味を見出してしまうのも、アイドルなのだ。
アイドルから、「幸せを」「 この歌で託したくて」と重なった声でで託される歌の構造がシンプルになってから一気にサビで色の情報をぶちあげられる。

そして「START OURS」言葉遊びの天才かよ。
ここでスタートアワーズを歌うのがファンという構造もなんかもう、本当に彼らとファンとのコミュニケーションを前提にこの曲を作っているんだよ。コンサートのための曲ってこういうことなんだよな。本当に、この曲はステージのために作られた曲だ。今回のために書き下ろされたのかは知らないが、そうでなかったとしても作っているとき、間違いなくコンサートでファンとST☆RISHが歌う図を想像してこの曲を作ったのがわかる。そういう、コミュニケーションの歌だ。
このグループは、We are ST☆RISHでいつもファンに言わせるし、「ST☆RISH」ってグループはファンのプリンセスも含めて「ST☆RISH」らしい。そういうグループの概念って基本的に他人事なので、めちゃくちゃ驚いてしまう。
すくなくとも、この歌を作るのは7人とファンのみんなだ。
みんなの歌だ。
はじまりをくれた君は、絶対にファンだ。
Oursの私たちの中には会場に居るファンも劇場に居るファンもみんな含まれている。
プリンセスたちにとって、こんなに幸せな瞬間ってないと思う。この世界のどこを探してもこれ以上に素敵な幸せってないに決まっているのだ。
「僕たちはどうやって返せばいい」じゃない。
「貰ってばかりで」はこっちのセリフなのだ。
君らがこれだけ積み重ねてきたものの美しさを私たちはこうやって見せてもらっているのに、何を与えたっていうんだ。
生きてるだけで嬉しいのがファンだ。
活動を続けてくれたらもっと嬉しい。
その上、彼らは、自分たちらしく、私たちがこんなに幸せになれるコンサートを作れるように歩んできてくれた。そして、このステージを届けてくれたのだ。我々なんて金を払って応援の声を上げることしかできない。
でも、彼らにとってその応援が力になったことだってわかるのだ。
わかるけど、完全にふるさと納税に対して額面を大幅に上回る返礼品だけずっと届いている状況だ。幸福の不労所得も甚だしい。
今まで応援してきた時間とか、彼らに向けた情緒とか、エネルギーとかたくさん、ファンはこれまで送ってきたものがあると思う。
でも、彼らからもらってきたものの方がよっぽど大きいこと、私もすごくわかるよ。そうじゃなきゃアイドルのファンなんてやっていないのだ。

だから君に今日は約束するね。
まじで、ほんと、こんな約束、その場にいた人類全部が信じる。
こんな幸せな約束が世界に他にあるとしたら、プロポーズくらいなんじゃないだろうか。そういう類のものだこれは。普通なら一生に一度の幸福みたいな約束だ。
「約束するよ」「夢も」「恋も」「キスも」「時も」「歌も」「すべて」
七人でここを分け合う作りも、それぞれの表情やしぐさも何もかも合わせて、プリンセスは全員幸せになってしまったに違いない。
最後に見る走馬灯はこれがいいオタクいっぱいいると思うし、まじでこんなん泣くのにどうして涙っていうのは視界をゆがませてしまうのか、あまりに機構的欠陥である。修正パッチの適用を依頼したい。
なんか涙については手汗とかで代用できないものだろうか。ペンラが水没するがその辺は間にタオルを挟むとかでなんとか対処していけると思うし。

約束をするセシル君、那月君の夢、翔さんの恋、真斗さんのキス、レン君の時、音也君の歌、トキヤさんのすべて。
だからステージにすべてを乗せるな。
申し訳ない反芻していたらキレてしまった。あまりにも幸せそうな顔ですべてをステージにのせて約束してしまった男の人生に思わず…。
それぞれに言葉を選んだ意味があると思うのだが、本当にスタートアワーズの一ノ瀬トキヤ最高に幸せな顔をしている。
そんな世界の幸福を体中から放出するみたいな顔で歌っている。
なんか、この表情を見ていると、この曲は彼のための曲なんじゃないかとさえ思ってしまう。
なんていうかさ、きっと彼がアイドルになろうと志した時、きっとなりたかったアイドルの形ってこことはもっと違う、「孤高」みたいな存在だったんだと思う。
高い所で燦然と輝き、周囲の視線を惹きつけて放さないような、圧倒的なカリスマと、絶対的なパフォーマンスと、未踏の感動を大衆に見せつけてやろうとしてたんじゃないかと思う。それって独りよがりで、孤独な戦いで、もちろんその葛藤っていうのは表現者として非常に誠実で、潔癖で、強い事なんだけど、でも、こうして十数年経って、アイドルとしてやってきた道の先に、こんな幸福な「繫がり」が生まれたこと、誰よりも彼が感動しているんだと思う。よかったね……と何も知らない私が思ってしまう、そんな幸福な笑顔だ。
これが彼がそういう努力や完成度をあきらめた先の、妥協の中で生まれたなれ合いじゃなくて、純粋な努力と試行錯誤の結果、互いに影響を与えあえる仲間がいて、相手の良いとこも悪い所も認められて、切り捨てていく道じゃなくて、抱きしめて、背負って、引きずって、積み上げて、一人で届かなかったものを掴むだけじゃなくて、それを与えあえる場所まで来られたってことだと思う。
なんて素敵なアイドルになったんだよ……って思ってしまうじゃん。

他のメンバーもそれぞれにその良さをどんどん高めて、このステージでいろんなものを「返して」くれたと思う。
ここで言う「返して」というのは、本人たちの中でこれまで歩んできたものを昇華させて素敵になるってことだ。応援した彼らが応援に「応えて」素敵になることが、ファンとアイドルの与えあうことで有るのだから。
いろんなものを「返して」もらって本当に夢みたいな時間を過ごしてきた。みんながみんな素敵すぎて、こっちはもう何も知らないのに8万字感想を書いているし、プリンセスの皆さんは多分仕事とか人生の嫌なことも全部これで浄化していると思う。毎日スターツアーズのある世界線に生きているだけで幸せだろう。
誰一人、その瞬間の最高を魅せていないメンバーがいないコンサートなのだ。当然である。
彼らが翼を得てのびやかに飛び回っているということは、ファンが望む未来でしかない。ずっと君たちらしく羽ばたいて、手をつないで一緒にこの地面、というか、我々と同じ時間を過ごせるステージの上に戻ってきてほしい。

一人一人にフォーカスあててたらマジで一生書き終わらない。
ただ、これは間違いなく言えることだが、あの全員が肩を組んだ瞬間、そして7人分のすべてのスポットライトを浴びた彼らの交差した影ほどドラマティックなものはない。最後にこれがすべてを雄弁に語っているということだけは間違いない。この先もたくさんのスポットライトをこの7人で浴びて、互いに重なった影みたいに影響し合って、そして進んでいってほしい。
背中に回された手が、まるで相手の背中を押すような形と、支えるみたいに腰に添えられた形になっていることにまで勝手な意味を見出すオタクとしては、このコンサートのパンフレットの最後や、このコンサートの密着の最後には必ずこの絵を見せてほしいと思ってしまう。

なお、蛇足として個人的には聖川について、この曲で二つかいておきたいことがったんだった。あの、「歌で世界を~」みたいな長台詞をマイクオフで言うのは絶対によくないと思う。みんなが読唇術を弁えていると思うな。いくら何でも長文すぎる。あと、キスの投げ方について、反芻するたびに私の脳内でanniversaryが流れてしまうので勘弁してください。

曲ではないが、エンディングの話。
こういうスタッフロールエンディングは実際のコンサートでも必ず流れるので、これを見るといよいよコンサートが終わってしまったのだと切なくなる。
それぞれのエピソード写真などににこにこしてしまうのだが、セシル君のソロで飛び込む一ノ瀬がどういう状況なのかキャラクター解像度がないのでちょっとつかめない。セシル君のまねをして転びそうになっている音也君はわかるんですけど、この人なんで飛び込んでるんですか?そんなふりなかったですよね??普通に音也君と接触すると普通に音也君が一人で転ぶより怪我が危なくなるので、ちょっとずっと迷宮入りしている。
聖川ソロのときの視線については、なんだかもうオタクに深読みしろって言っていることだけはわかる。そういう透けて見える写真チョイスのこと、私も含めて男性アイドルオタクの8割が好きです(個人の意見です)
そして、なんか関係者席の人まで映すのは珍しくて、当日入っていた他グループ担当(かけもち含む)の人はひっくり返ったことでしょう。MCでも弄ってないのにこんな風に顔を出すのは珍しい。
そして、あの、どうしても言いたかったので、これだけやっぱりいうわ。
本当に七海春歌女史には敬服と感謝しかない。
今日までST☆RISHを愛して信じて押し上げてくれてありがとう。
スタッフロールにでっかく名前が載っていない理由が分からないです。
SHOCKにおけるジャニーさんくらいでっかく載ってくれ。

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