間違ったことをしただろうか。今はない貴方と過ごした日々は、無駄な時間だったろうか。今でもあの夏の匂いが濃い。いつか意図せず霞むとして今は何にも埋められない感傷が頬を撫でる。喉を焼く。まだ歩道を一人分右に寄って歩いてしまう。貴方にもらったすべてが憎い。ひどく愛おしい。

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