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声劇 台本「さくら、小さな恋のうた」

2023/5/28
AWA配信者の合同企画に提供した台本です
ネット配信時代の若者が共感できるよう書きました
男女5人用で挿入歌を除けば10分程度の声劇台本です

配信サイトAWAloungeの人気配信者である

愛芽乃 るう さんの配信で公開していただきました

AWAにはアーカイブが残らなかったため、ここに記録しておきます


さくら、小さな恋のうた


あらすじ

ある春の日、役者を目指す大学生、紅丸アキラは胸をときめかせて桜が咲く公園へ向かっていた。
高校の同窓会を兼ねる花見会には、アキラの高校時代の片思いの相手である白波ミキもくるのだという。

登場人物

紅丸アキラ
男子大学生、黒眼鏡のぼんやりした顔つきの青年。役者を目指しているものの、現実の厳しさに負け、挫折しそうになっている。
高校時代、ミキに想いを寄せていた。

白波ミキ
女子大学生、パンツスタイルがよく似合う美女。保険会社への就職が内定しているが、動画配信者としての夢を捨てきれず、悩んでいる。女性であるものの、自身の性別に違和感があり、それが原因でアキラとの仲を深められないでいた。おどおどしているが芯は強い女性である。

三峰ナナ
フリーターの女性、背が低いがスタイルがいい。皮肉屋だがよく笑うかわいい人。自らの仕事を秘密にしているため、皆に水商売だと誤解されている。実際にはvtuberをしており、かなりの人気者である。高校時代、アキラの事を「少しいいな」と思っていた。フランクでややいいかげんな印象の喋り方をする。

四菱ハル
アルバイトをしながら歌手を目指す女性、黒髪ロングヘアーで高身長の女性。生真面目で融通がきかない。猫が好きすぎて奇行に見える行動をとることがある。実は同性である三峰ナナに好意を抱いている。つっけんどんな敬語で喋る。

構成

1:オープニング  
オープニングナレーションとともに、登場人物たちが順番に紹介される。

2:アキラの出発  
アキラが桜が咲く公園へ向かうシーン。役者を目指すことやミキへの想いが描かれる。

3:花見会での再会
公園で花見会が開催され、アキラは久しぶりにミキ、ナナ、ハルと再会する。それぞれの近況が語られる。

4:挿入歌1
アキラと仲間たちが楽しく花見を楽しむシーンを描く。友情と春の訪れを感じさせる曲。

5:アキラとミキの距離
アキラとミキが二人きりで話すシーン。ミキの悩みやアキラの想いが語られる。

6:ナナとハルの関係
ナナとハルがアキラとミキを見守りつつ、お互いの秘密や想いが語られる。

7:背中を押すナナ
ナナがアキラの背中を押し、告白へ向かわせるシーン。

8:アキラの告白
アキラがついにミキに想いを伝えるシーン。

9:結末とエンディング
アキラの告白が受け入れられ、二人は新たな関係へと進む。エンディングテーマが流れる。

本編台本

トラック1:オープニング

【ナレーション】
春の訪れとともに、桜の花が優しく舞い落ちる。この物語は、役者を目指す大学生・紅丸アキラが、かつての片思いの相手・白波ミキと再会し、恋心を伝えるまでの物語です。友情、夢、恋愛の葛藤が交差する、一夜限りのドラマが今、始まります。
さくら、小さな恋のうた

【オープニングテーマが流れる】

【ナレーション】
登場人物を紹介します。
紅丸アキラ(cv:〇〇〇〇)、役者を目指すぼんやりした顔つきの男子大学生。
白波ミキ(cv:〇〇〇〇)、美しい女子大学生で、アキラの高校時代の片思いの相手。
三峰(cv:〇〇〇〇)、フリーターの女性で、アキラの友人。皮肉屋だが可愛らしい性格。
四菱(cv:〇〇〇〇)、歌手を目指す女性で、アキラの友人。生真面目で猫が大好き。

ナレーションは、〇〇〇〇でお送りします。

【オープニングテーマがフェードアウト】

トラック2:アキラの出発

【アキラ】(歩きながら独り言)
今日は高校の同窓会
もうすぐ会場の桜公園だ、白波も来るって話だったな、白波ミキ。

【ナレーション】
紅丸アキラは役者を目指す大学生。現実の厳しさに悩むこともあるが、日々練習に励んでいる。高校時代に片思いしていた白波ミキに再会できることに、胸をときめかせながら桜が咲く公園へ向かう。

【アキラ】
桜は満開か、俺もそろそろ花ひらきたいところだ。女の子と話すときも、演技のように格好よく話せればいいんだけど。

【ナレーション】 
アキラはミキへの想いを再び抱きながら、公園へと歩を進める。今日、自分の想いをミキに伝えられるだろうか?それとも、再び想いを秘めたまま過ごすことになるのだろうか。

【アキラ】
いいさ、白波に会えるだけで俺は嬉しい。それより、久しぶりの「花見」を楽しもう、級友たちとのもう一度の「出会い」、「運命」的な事もあるかもしれない。桜も、こんなに咲いてる。ああ、綺麗だな。

【ナレーション】
そんなアキラの背後に、彼の級友たちの姿があった。彼女らもまた、この春の日に繰り広げられる恋模様に期待を寄せている。今宵、桜の下で何が起こるのか。その答えは、時が経つのを待つばかりだった。

トラック3:花見会での再会

【ナレーション】
桜が美しく咲き誇る公園で、アキラは3人の級友、ミキ、ナナ、ハル、と再会する。
【アキラ】
皆、久しぶりだね!
【ナナ】
アキラ、久しぶり!元気そうで何よりだね!
【アキラ】(モノローグ)
ナナ、クラスでも目立っていた女の子だ。
親しげな雰囲気は、あの頃のままだな。
【ハル】
アキラ、芸能界は厳しいと言いますよ、頑張っていますか?
【アキラ】(モノローグ)
ハル、真面目そうな雰囲気だが、彼女も芸能人、歌手を目指している。お仲間と言ったところだ。
【アキラ】
うん、まだまだ道のりは遠いけど、諦めずに頑張ってるよ。ナナもハルも、変わってないな。そうだ、白波は?
【ミキ】(遠くから手を振りながら)
紅丸くん、こっちだよ!
【アキラ】(目を輝かせながら)
白波!やっぱり来てたんだね。久しぶり!
【ミキ】
紅丸くんは相変わらず元気そう。うん、久しぶりだね!
【アキラ・ミキ】(吐息が漏れる)
あ…
(わずかな間)
【ナナ】
さて、お花見は始まったばかりだし、みんなで近況報告でもしようか?
【ハル】
良い考えです。アキラから話してもらいましょう。
【アキラ】
俺は、相変わらず役者を目指して頑張ってるんだ。いい役に出会える日を夢見てさ。
【ミキ】(煮え切らない様子で)
私は、その、内定が出たの。あの …保険の会社でね。
【ナナ】 
私は気ままなフリーター生活、ってことにしといて。ふあ、夜に頑張りすぎて眠いんだぁ。
【ハル】
私は猫カフェでアルバイトです。歌手として、小さいステージに立つ事もあります。ああ、猫はいいですよ、ふふ。
【アキラ】
皆、それぞれの道で頑張ってるんだね。うん、今日は久しぶりにみんなで楽しい時間を過ごそう!
【ミキ】
そうだね、みんなの話、聞きたいな!
【ナナ】
みんな、ちょっと大人になっちゃってさ。まあ、私もなんだけど。
【ハル】
ふふ、それでは、お花見を始めましょう。
【ナレーション】
桜の花びらが舞い散る中、彼らの物語は続く。

トラック4:挿入歌

日熊小歌「being」
https://youtu.be/WbohDFMt4L0?si=WDzG7MrHxLFgidBS

トラック5:アキラとミキの距離

【アキラ】(少し緊張気味)
久しぶりだね、白波。どう、大学生活は?
【ミキ】
紅丸くん、お久しぶり!うん、大学は楽しいよ。でもね、でも。
【アキラ】
でも?(吐息を漏らす)
【ミキ】
就職が決まったとき、思ったんだ。会社に勤めて、電車に揺られて、あとは眠るだけ。本当にしたい事が、ラジオ配信が、できなくなるなって。
【アキラ】
配信、続けてたんだ。白波、ばしっと励ませなくてごめん、俺も 夢を追いかけてる途中だから。でも、その、楽しいよな。
【ミキ】
ふふ、そうだね、うん、楽しい。
【アキラ】(モノローグ)
白波と話すとき、なにかふわりとした空気雰囲気になる。俺は好きなんだ、この空気が。

【ナレーション】
桜の花が舞う中、アキラとミキは視線を交わし合う。向こうではナナとハルも楽しそうに笑い合っている。春の陽射しに包まれた穏やかな時間が流れていた。

トラック6:ナナとハルの関係

【ナナ】(アキラとミキを見ながら)
ねえハル、アキラってさ、ミキのことずっと好きだったんだよね。どうして告白しないのかな?
【ハル】(ナナに向かって)
アキラは役者になりたいっていう夢があるから、それが叶わないと自分に自信が持てないのかもしれません。それに、ミキさんも就職が決まっているし。まあ、それだけではないかもしれませんが。
【ナナ】(ハルを見つめて)
ハルも、自分の秘密を抱えているよね。私もそうだけど。でも、本当の友達だったら、何でも話せるはずだよ?
【ハル】(顔をそらしながら)
言えるはずがないでしょう、というような秘密なんて、割とあるものですよ。
私は、かわいい猫が好き、今はそれだけです。
【ナナ】(甘えた声で)
ハル、私たち、どんな秘密も分かち合える親友でしょ?
【ハル】
ナナ、私はその親友の仕事の内容も知らないんですよ。それと昔、アキラの事、ちょっといいなと言っていたこと、チャンスは今日しかないと思いますけど?
【ナナ】
ふん、なかなか告白できないのはこっちも同じって事ね。桜が、綺麗だわ。

トラック7:背中を押すナナ

【ナナ】(歩み寄ってくる)
アキラ、ちょっといい?話があるんだけど。
【アキラ】
ナナ、あらたまって、どうしたんだ?
【ナナ】
君、この後空いてんの?
【アキラ】
え!?
【ナナ】
どうなの?
【アキラ】
き、急にどうしたんだ?ナナ。
 【ナナ】
別に、急にでもないんだけどね。背中を押してやるって言ってんの。ぐずぐずしてると、私が奪っちゃうからね。
【アキラ】(走り去りながら)
ナナ、すまない。俺、行ってくる。
【ハル】(歩み寄りながら)
行きましたか?けっこう。男らしくて、そこが好きですよ、ナナ。
【ナナ】
褒めてないよ、それ。それに、ハルが好きなのは猫ちゃんでしょ。まったく、桜が綺麗だわ。

トラック8:アキラの告白

【アキラ】(ミキの元へと駆け寄り)
白波、聞いてほしいことがあるんだ!
【ミキ】
紅丸くん?どうしたの?
【アキラ】
高校の頃から、ずっと白波のことが好きだったんだ。今日、この桜の下で、俺の気持ちを伝えたくなったんだ。
【ミキ】
紅丸くん、嬉しいよ。でもね、私はちゃんとした女の子じゃないんだ。就職もまだ悩んでるし、それに。
【アキラ】(格好をつけて)
いいんだ、白波がずっと何かで悩んでることは知ってた。俺だって、距離を縮めようと頑張ったんだぜ。
【ミキ】
紅丸くん、でも、私。
【アキラ】
一緒に悩もう、解決できるかはわからないけど。頼ってもらえるように、俺も頑張るから。
【ミキ】
紅丸くん、いえ、アキラくん。私、本当は、ずっとこうしたかった。

トラック9:結末とエンディング


【エンディングテーマ流れる、歌唱パート終了後、オケのみ流れる】

【アキラ】
白波、俺も頑張るよ。
【ミキ】
アキラくん、ミキって読んでほしいな。
【ナナ】
これで全部終わったわ、まあ、よかったわね。
【ハル】
これで始まるんです、私たちのこれからが。

【ナレーション】
さくら、小さな恋のうた。

声の出演
紅丸アキラ、〇〇〇〇
白波ミキ、〇〇〇〇
三峰ナナ、〇〇〇〇
四菱ハル、〇〇〇〇

ナレーション、〇〇〇〇

脚本は、日熊小歌でお送りしました。

【エンディングテーマ、フェードアウト】

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