【金門五山桐】 2人声劇
★京都南禅寺、山門(さんもん)の上!
ゆるりと煙管(きせる)をふかし、
桜咲く春の景色を楽しむ
派手な褞袍(どてら)姿の男が1人!
▼「ふぅー
絶景かな!絶景かな!
春の眺めを値(あたい)千両とは
小せえ!小せえ!俺様の目からは
値万両!何万両!てか!」
★その男!天下を狙う大盗賊!
名を石川五右衛門!!
▼「お、なんだ?ありゃ?
鷹がこっちに飛んでくんじゃねぇか」
▼「よっと!何だこいつぁ?文じゃねぇかい。
宝のありかでも書いてあんのかい?どれどれ」
★それは五右衛門への文であった!
読むうち実父が宋蘇卿(そうそけい)と知る!
さらに!なんとなんと!
養父・武智光秀(たけちみつひで)の仇と
つけ狙っていた真柴久吉(ましばひさよし)が
実父の仇でもあるではないか!
仇と知り怒りと復讐に
震える五右衛門!
そこへ来たるわ巡礼姿の男が1人!
▼「ん?あんた、何者だい!」
★『石川や 浜の真砂は尽きるとも』
▼「てめぇ…何つった!」
★『世に盗人の 種は尽きまじ』
★驚ろく五右衛門!!巡礼姿に身を包んだこの男!
この男こそなんと!憎き仇の久吉!
巡礼にご報謝と双方天地でにらみを効かせ
近くやってくる再会を期すのでありました!
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