【 華火 -HANABI- 】1人声劇

暑苦しく寝れない夜

窓を開け、そっと煙草に火を着けた

そこには静けさと闇。そして白い煙だけが漂っていた。

まるで静かな闇は自分の中の闇を映してるかのように

何故、こんなに辛いのだろう
いっその事、この煙の様に消え去りたい。

そう思っていた時

大きな音と共に目の前に綺麗な光景が飛び込んだ。

それは綺麗な花火だった。

見慣れた筈の光景なのに…

暗闇を照らす花火は、同時に自分の中の暗闇も一緒に照らしてくれていた。

何故だろう、涙が自然と溢れた。

暗闇の中に現れる、その大きな色とりどりな華は

僕の中の闇を少しずつ消しさり明かりを灯し

頑張れと背中を力強く押してくれた気がした。

頑張るよ。

気付くと自然と言葉にしていた。

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