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「白翼の戦神・アイテール」についての解説と考察

はじめまして。アイテール様が大好きな人です。

今回は『Shadowverse』に登場する一枚のカード、
『白翼の戦神・アイテール』(サムネ画像の人物)
について解説していきたいと思います。

解説と銘打っていますが、
個人の解釈が結構含まれています。
ご了承ください。
だってシャドバくんが何にも説明してくれないんだもん

- きっかけ 

先日、このようなリプライをいただきました

言われてみれば確かに

思えばこのカードが実装されたのは
2018年12月27日であり、5年以上前のカードです。 
知らない人の方が多いかもしれません。

5年も経つと、
7年以上続いた『Shadowverse』自体も、
新しく生まれ変わるほどです。

ビヨンドめちゃくちゃ楽しみ

ただ、「次元歪曲」というパックの性質上、ビヨンドでは出会えるか分かりません。
むしろ存在ごと消される可能性の方が高いです。

歪テ様(「次元歪曲のアイテール様」の略称。誰も使っていない。)
という悲しい存在が、多くの人に知られないまま消えていくのは辛いので、
微力ながら形に残そうと思いました。

- まずは結論から 

次元歪曲のアイテール様とは、
大切な人達も、生きる意味も全て失って、それでも絶対に正しさを捨てない灰色の神様です。

眼が死んでる

延々と続く生き地獄でも耐えられてしまうような、狂気すら感じる善人。

コラボ先で言えば、この人とは気が合いそうです。

歪テ様、剣が連なった荒野に立ってるのがシャドバで1番似合うと思う。

とは言っても、これは公式情報ではなく、あくまで仮説。
どうしてそう言えるのか、根拠を説明していきます。

- 『Shadowverse』 から読み取れる情報について

まず、シャドバの公式情報から見ていきましょう。
「次元歪曲」の説明は以下です。

異界を統べる者が次元を歪めたことにより、Shadowverseの人気キャラクターが新たな姿、新たな能力、新たなクラスで登場します。

公式サイトより

「異界を統べる者」のせいで、パラレルワールドとか、あったかもしれない未来とか、そういう存在が呼び出されてしまったようです。

全部このクソアホのせい。ポケモンのフーパみたいな力を持つ。

そしてこの「異界を統べる者」によって呼び出された別世界のアイテール様、それが「白翼の戦神・アイテール」様です。

シンプルながら最強の効果

当時シャドバを遊んでいた方はご存知だと思いますが、どう考えても平成に存在していいカードパワーではなく、あまりにも強すぎました。
その強さから、今でも覚えられていて本当にありがたいです。

ちなみに、元のアイテール様はこちらです。
「白翼の守護神」が最も相応しい呼び名なのですが、「白翼の慈愛」の方ならランクマッチで見た。という方も多いのではないでしょうか。

こんな、ゆるふわそうな人が↑の死んだ眼になるんですよ?あり得ないでしょそんな…

どうしてこんな事になってしまったのか。
まずは歪テ様のフレーバーテキストを見ていきましょう。

人の争いに意味など無い。
零れた命も、硝煙も、焼けた大地も全ては無意味。
ならばせめて……我が子らに勝利を。
幾何かの栄光で、其の心を癒しましょう。

進化前テキスト

抗おうと護ろうと、人は傷つけ合うことをやめはしない。
ならばせめて、安らかに眠りなさい。
案ずることはありません……。
例え体躯を捨てようと、私は皆と共に居る。

進化後テキスト

正直これだけで結構やってます。
アイテール様のことをよく知ってる人ならたった8行で地獄送りにできるの、才覚以外の何物でもないでしょ。悪魔の末裔がよ。

よく知らない方は「なんか辛そうだな」くらいの認識で大丈夫です。

「争いに抗ったり、人々を護ったりしてたけど、何度繰り返しても人は傷つけ合うことを決してやめない。なので、せめて勝たせてあげる事にした。」

これが、白翼の「守護神」から「戦神」になった経緯というわけですね……

…ですが、これだけではまだ納得できません。

「八獄魔境アズヴォルト」などでは金銀銅、その他のカードも含めてストーリーが語られていきますが、歪テ様には横の繋がりなんてもんはありません。これだけです。

ぼっちすぎる

いかにシャドバ二次創作界隈が公式からの僅かな水滴を何百倍にも膨らませ、それだけを糧に何年も生きる異常者の集まりと言えども、流石にこれだけでは苦しいです。

ですが安心してください。
歪テ様とは別次元のアイテール様。
つまり元のアイテール様のことを知れば、より深く理解できるのです。

それでは、「神撃のバハムート」のアイテール様を見ていきましょう。

- 『神撃のバハムート』 から読み取れる情報について

歪テ様を理解するために、元のアイテール様の方も説明すると記事がもう一つできてしまうため、要点だけ説明していきます。

まずは、アイテール様の公式紹介文から。

好きなもの : ヴァーレリアの民
嫌いなもの : 悪意

ヴァーレリア国の空の守護神。他の守護神のまとめ役でもある。別名、白翼の守護神。
民と国を愛する、慈悲深き女神。護りたいモノの違いから、騎士と敵対したこともあった。
ヴァーレリアのことを第一に考え、民からも慕われている。威厳ある雰囲気ながら優しい女神。

キャラクター紹介文より

アイテール様は、「ヴァーレリア」という国の「守護神」です。
そして守護神のまとめ役でもあります。
つまり一番強くて、一番偉いって事です。

守護神の役目はもちろん国を、人々を守ること。
アイテール様には、頼れる守護神の仲間がいます。

左:サレファ 右:レイ 
あと2人いたのだが、色々あって今は3人だけに。

また、ヴァーレリアには「白翼の空挺団」という組織があり、
こちらも国を守るために日々頑張っています

シャドバで登場しているキャラで例を挙げるなら、
モニカ・リーシャ(ナノ)・セリアなどがそうで、
アイテール様はこれらのカード全てに特殊ボイスがあります。

つまり、アイテール様は同僚の守護神共に国を守る空挺団、そして一般の国民全てから慕われている訳です。人望の権化。
その類稀なる能力と誠実さ、善性が成せる技です。
本当に素晴らしいですね。
ここで、ひとつの疑問が浮かびます。

……この人がなんであの 「戦神」 になるの?


アイテール様は割とメンタルおばけなので、作中でも全然心が折れません。
それならばと肉体面で何回ズタズタにしても、トチ狂った回復能力で全快して戦線復帰してきます。 
それに前述した通り、アイテール様にはたくさんの仲間がいます。

もしアイテール様が歪曲化しそうなものなら、
心配してくれる人、止めてくれる人、励ましてくれる人などなど、幾らでも思い付きます。

1人で無理しすぎなアイテール様に提言するサレファ様。好きすぎる

アイテール様を歪テ様のようにするには、
「大切な人達を全て失い、生きる意味すら無くなった後、さらに何百何千年と心をすり減らす」以外あり得ないのです。

しかし、そうなるとまた新たな疑問が出てきます。

……どうやったら 「最後まで生き残る」 なんて事になるの?


アイテール様はただ一番強いだけではなく、守りに特化しています。
味方にバリアを張ったり、回復させたりもお手のものです。

更には、こういう精神性をお持ちの人です。

自分より他人が苦しむ事が何より嫌で、
愛する国の人々のためなら、その命など簡単に投げ出せる。
そんな人なのです。

どれほど強い敵が現れようが、みすみす命を取りこぼす人ではありません。
自分の命を犠牲にしてでも、最後まで皆を守ろうとするでしょう。

なので、負けてしまう事や守れない事はあっても、
「最後の一人になるまで生き残るなんてことはあり得ない。」
そう思っていました。

……あのイベントストーリーが来るまでは。

- 悪夢の 「神バハ10thアニバイベ」

イベント「終焉の創生竜と重なる希望」

はい。このイベントが悪夢の始まりです。

詳細は割愛しますが、このイベントでは世界がバラバラに分割されます。
その影響でヴァーレリアも、その周辺だけの世界になってしまうわけです。
そして各世界に、ヤツがやってきます。

ヴァーレリアにやってきたのはこの男〜!
世界の破壊者
ア ル ビ オ ン バ ハ ム ー ト

そう、バハムートです。

各世界に、それぞれ違う種類のバハムートが襲ってきます。
ですが、どれだけ強い敵でも関係ありません。

アイテール様は、「守護神」です。
人々を守り、導くために生まれてきました。
そのために生涯の全てを捧げ、研鑽を積んできました。

「飛べるけど着地ができない」ため、草原で特訓を試みる幼少期アイテール様。国宝。

ヴァーレリアのためなら、
愛する人々を守るためなら、
自分の何を犠牲にしてでも、必ず守り切る。

その高潔な魂は伝播し、長い時間をかけて国中の人たちに広がっていきました。

その高潔さが仇になることも、世の中にはあります。

それは、みんなもアイテール様と同じ気持ちだという事です。


他の守護神たちも、空挺団の人たちも、その他の国民も、
その全員が、アイテール様に未来を託すために死ねる。

アイテール様がヴァーレリアとみんなを愛しているように、
みんなもヴァーレリアとアイテール様の事が大好きだから。

誰よりも慕われているからこそ、誰よりも人望があるからこそ、
誰よりも生きていて欲しいと願われる。

英雄とは……底に誘う、錘の名だ。

ウィルバート


-  「公式ストーリー」 という最悪の実証


仮説について、なぜそう言えるのか?についての答えですが、
アイテール様は、公式で全てを失ったことがあるからです。

信じられないかもしれませんが、神バハ10thアニバーサリーストーリーでは

「アイテール様以外の存在が全て殺され、世界にたった1人残される。」


という、人の心と倫理観を産湯と共に不法投棄してきたとしか思えないような耐久試験シナリオを決行します。 
これには流石に禪院直哉セフィーも苦笑い。

アイテール様でも、自ら命を捧げるのを止める事はできない。
それはそれとして「やめなさい」→「お願いやめて」になるの芸術すぎ シナリオライター?


完全な妄想ですが、これはもう公式の
次元歪曲に対する考察へのアンサー
とすら思えてしまいます。

「アイテール様以外の人が全員死んじゃったら、彼女がどうなるかは見せるけど……あとは分かるよねぇ!?」という返歌であるのではないかと。

アイテール様という素晴らしいキャラクターを掘り下げてくださるのは本当にありがたいのですが、こちらとしては死にかけのセミみたいな声を出しながら中指を立てることしかできません。


じゃあ実際その神バハのストーリーではどうなったの?って話ですが、
異世界から現れたグランくん、ジータちゃん、ビィくん、ルリアちゃんと絆を結び、共にバハムートを撃ち倒しました。

当時のお祝いカウントダウンイラスト。
この時はまだ「グラブル絵のアイテール様!?かわいいい!!」などと浮かれていた

その後も色々あり、失った世界も仲間たちも、全て元通りになって返ってきました。
全てを失ったアイテール様と、グランくんたちが最後に出す”答え”がめちゃくちゃ良かったので、時間があればぜひ10thアニバイベ4章から見てほしいです。

グランブルーファンタジーの主人公勢が誇る圧倒的な光の力
によりアイテール様は救われた訳ですが、「もしあのまま1人だったら」と考えるとゾッとするセリフがいくつかあるので、Dieジェストでお届けしたいと思います。

……守るべきものなど……
……もはやどこにもない……
……これ以上戦うことに、何の意味が……

第51話 その2より

.....騎士。
リーシャ、ナノ、モニカ……
レイ、サレファ、セリア……。
.......ごめんなさいーー。

同じく第51話 その2より
 
マジでここ作中で唯一アイテール様が”諦めた”シーンなんですよね、マジでここしかない。
最後にみんなの名前を呼びながら「ごめんなさい」って言うのさあ……ほんとさあ……

……ごめん、なさい……。
私は、何も……
……弱いばかりに……何一つ……

第57話 その2より

意識を失った状態でのうわごと。
↓のセリフに続く。

信じて、しまった……
頼ってしまった……
……その、せいで……。

やめてくれカカシ その術は俺に効く。やめてくれ
 マジで無理 マジで無理無理 マジで無理 
〜心の一句〜
当時これで熱出たの医療保険降りる?
謝らないで…弱いせいじゃない……信じたのも、頼ったのも、間違いなんかじゃない……
どうかお願いだからそんなふうに言わないで……自分を責めないで……


見ての通り、グランくん、ジータちゃん、ビィくん、ルリアちゃんの4人が助けに来なければ、本当にそのままどうにかなりそうな雰囲気です。

とは言えアイテール様はメンタルおばけなので、
グランくん達との初会話の時点でも完全に折れてはいませんでした。

大切な人達や生きる意味を失っても、自ら命を断つようなことは決してしないのです。

そもそもこれ神バハだからさ!
歪テ様の世界線ではどうかわかんないし!
気休めにシャドバのカードボイスでも聞きますか!

歪テ様の破壊時・退場ボイス

「皆が待っている……」


もう終わりだよこれ。

しかもその他の全てのボイスで口調が強いのに、
破壊時だけあり得ない程の儚さと呆気なさを醸し出してくるんですよね。
聞けば分かります。

↑ここから聞けます。
英語版のボイスでも特にそれが顕著なので、ぜひ。

ちなみにシャドバには、散り際に似たような事を言う人物がもう1人います。

そう、ですね。

こんな事を言うような奴は、自分が一番 "最後" に決まっています。

そしてその「最後の一人」でいる時間も、きっと一番長い。
大切だった仲間を失ってから、たった1人でどれだけ頑張ったんでしょうか。
何もかも一番強いから。最後まで生き残ってしまい、最後まで頑張ってしまう。

そして、歪テ様は神族です。
人間ではないため、寿命もめちゃくちゃ長いです。

ヴァーレリアは元々人間が住めるような土地ではなく、アイテール様たちが頑張った。

要は、歴史の教科書で習うよりもずっと前から生きているわけです。

歪テ様は、その強すぎる力ゆえに楽に死ぬ事も許されず、
途轍もなく長い時間を、これから1人で過ごしていかなければなりません。
もう何のために生きているのかも定かではないのに。
……。

大型の魔物でも消し炭にする攻撃力。

瀕死の重体でも回復できる治癒能力。

目で捉えられないほどの凄まじい速度。

複数人を同時に守りながら戦える、加護の力。

それら全ての力を、勝つためだけに使う。

致命傷を負っても死ぬ事はなく、戦場を凄まじい速度で縦断し、
味方を補助しながら、大規模な攻撃を放つ。

人間同士の戦争など、何の苦労にもならないでしょう。
勝たせてやるなんて、簡単なこと。
その呼び名が、「戦神」になる程に。
何度も、何度も。

── 何のために?


意味が無いと分かっていても、せめて、その勝利で束の間の栄光を。
せめて、安らかに眠れるように、その命を終わらせて。

灰の空に、変わらぬままで。

それでも。絶対にその身は黒く染めない。
これが単なる"闇堕ち"であるなら、
その白き翼を黒く染め、
口元に怪しげな笑みでも浮かべている方が、それらしい筈です。

これは"闇堕ち"ではなく、"歪曲"した姿。

遥か昔に目指した理想の果てが、
擦り切れたものであったとしても。

その瞳で見る世界が、
色を失い褪せていっても。

ただ、人々が幸せでいられるように。
誰かを救ってあげられるように。

選び取ってきた道が、
間違いでは無いと信じて。

灰色のまま、戦場で踊る。

それが、「白翼の戦神・アイテール」という存在です。

叶うならば、どうか。
歪テ様の未来に、出来るだけたくさんの幸福が訪れる事を願って。
明日からも、アイテール様を描いていきます。

考えていて欲しい(願望)

以上です。
最後まで読んでくださって、本当にありがとうございます。
またいつか、どこかで。

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