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#「才の祭参加小説」#来夢さんリップクリームはラムネ味

「おいっモタモタするなーっ」
「やる気あんのか?お前らーっ」

カンッカンッカンッ・・

「・・・」

「あ?どないしたんや?」

「・・・」

「なんや?ミナト、ハンマー忘れたんか?」

「・・忘れたんじゃない、、
誰かに盗られた、、もう、やめたい、、」

「・・やめてどないするんや?
俺らは学歴ないから他の仕事
みつけんの大変やで?」

「・・・」

「・・あー、そうかー。
じゃあ、俺のハンマー
貸したるわ。じゃあな。バイバイ。」

「えっ、ラムネ何処に行くの??」




「すんませーんっハンマー無くしてもうた。ははは、、」

「はぁ!?お前、いま、なにをぬかした?
ふざけてんのか?
やる気ないヤツはさっさと辞めちまえっ
このボケがっ」

「はーいっやめまーすっ!!
ほな、さいならーっ」

「二度と帰って来るなーっ
この根性無しがっ」

「はい、はーいっ
うるさいおっさんやー、、
一生ほざいとけ、、(小言)」

「あー!?💢いま、何言うたー??」

「ははは、、あっ!!
めっちゃ、、美人さんやぁ、、」

「ん?」(キョロキョロ・・)

(あほがみーるーっぶたのけーつー♪♪)


「ミナトっ
今のうちにバックレるでっ」

「えっ?ばっくれるの?え!?」

「ほら、はよ、行くで。」

ダダダダだっ


俺とミナトは幼なじみ。
お互い、家庭が貧しくて複雑や。
1ヶ月前からしゃーなしに力仕事を
二人でやり始めたけど、、

先輩の誰かにミナトは
目をつけられたみたいや、、
よくあるイジメや。

ミナトはイケメンやけど、
弱そうに見えるからなぁ、、
ターゲットにされやすいtypeなんやなぁ。


あ、、
俺にとって美人さんの
サトウさんや、、

「ミナトっさいならっ
ほな、また、あしたっ」

「えっ!?」



ダダダダだっ


「・・はぁっはぁっはぁっ、、」
「サトウさーんっ」


サトウさんは俺を無視しよる。


「タッタッタッ、、」


俺は、サトウさんを追っかける。
そして、壁に貼り付けてある広告に
気づく。


「あ、なんや?
もうすぐXmasなんか?
ふーん、、知らんかったわ、、」

「・・・」

「なぁ?Xmasイブは、なんか知らんけど、
みんなイチャつかなあかんみたいな
緊張感みたいな変な感じの日になっとる
よなぁ??なぁっなぁっ?なぁってっ」

「・・今日は家に帰って下さい。」

「・・ははは。その感じは、、そうか、、
なんや?バレてたんか、、ははは。」

「・・・」

俺はサトウさんの腕に抱きつく。

「サトウさーん♡」

「・・甘えても、、だめですよ。」

俺は、諦める。

「そうかー、、じゃあ、
あの壊れかけのうるさい家に今日は
大人しく帰ったるわ。はぁっ、、」

サトウさんはそんな俺に
笑いを堪えきれずに
口元を手で隠して笑いだした。

「・・ふふふっ」

「あ、サトウさん、笑ったっ
なんで?いまの、おもろかった?
なぁ、なんで?なんで笑ったん??
教えてくれっ★へへへっ♪」

「・・ラムネさん、どうして私に構うの?
私は、、、」

俺は、言葉に詰まるサトウさんを
しばらく見つめる。(じっ)

サトウさんは、戸惑いはじめる。

「・・すきや。」

「え?」

「たこやきが。」

「・・そうですか、、」


「あー、、Xmasは、たこやきと
ラムネ食って寝ーよーおっとっ」

「・・・」

「あ、ラムネがラムネを食う、、
共食いや。」

「・・・」

「・・スベったな、、いまの、スベった。
あー、、滑り倒した。ははは。。…///」

「・・・」

「ラムネさん、、彼女と、、」

「彼女なんておらんわ。つくらんわ。」

「私は、、」

「あー、、もうええ。わかった。
今日は、たいさ~ん★」

俺は、家へ帰る方向に背を向ける。
サトウさんは、静かな声で呟く。

「・・また、来てください。」


俺は、背を向けたまま
サトウさんに言う。

「また、要らんことするでーええんかー?」


「・・あなたがいいのなら、、」


(相手にまた合わせよる、、
あほな女や、、)

俺は、サトウさんに少し苛立ちながら
壊れかけの家に帰った。



壊れかけの家




「ただいまー」

「おかえりなさーい」

俺は、ばぁちゃんに背を向けて
自分の部屋に向かう。

「ラムネ、なんかあったのねぇ?
そんなしょげた顔して、、」

「・・なんもないわ。疲れただけや。」

「疲れた時こそ、一緒にコタツに
入ろうや。ふふふっ」

「・・・」


俺は、ばぁちゃんの言葉に癒されて
一緒に、コタツに入り会話をしはじめた。


「ばぁちゃんは、じぃさんと居た頃、、
Xmasイブとか、なにしてたん?」

「Xmasイブ?・・そんなもん、
じぃさんとなんもせんかったよ。」

「そやな、俺もXmasとか特別な日とか
今まで、なんの興味もなかったしなぁ。。」

ばぁちゃんは
俺の顔をのぞき込む。

「・・なんや?ばぁちゃん?(汗)」

「Xmasとか、なんとか?とか、、
知らんばってん、、」

「え?・・なんとか??(汗)」

「そうよぉ、なんの日じゃろうと、
好きな女子(おなご)とおる
一時(ひととき)は
一生のうちの幸せな日じゃ。」

「一生のうちの幸せな日?」

「・・Xmasとか関係ないよぉ?」

「・・うん。」

「ふふふっ
幸せな日は、自分から作らんとねっ♪」

「・・そやな。。」



Xmasイブイブの日



「あっ、ラムネっサトウさん歩いてるよっ」

「なんや?ミナトっ
サトウさんがこんなカップルばっかの公園におるわけないやろ?寝ぼけとるんか?」

「!!!」

「ねっ、あの人、、サトウさんでしょ?」

「・・そやな、、」


サトウさんは
可愛い感じの女の人と
何故か、カップルのように
公園のベンチに座って
楽しく笑い合いながら会話している。


・・今まで、
みたことない幸せそうな笑顔、、


(・・ふーん、、そうかぁー、、
そんなに、、女がええんかぁー、、)





えらい幸せそうやな






俺は、黙って公園を去る。


「えっ、ラムネっ待ってっ
サトウさんに話しかけなくていいの?」

「話しかけるかっあほーっ」

「・・え?・・あほ?僕が??えっ、、」
(汗)




Xmasイブ




俺は、手の中に

サトウさんへのXmasプレゼントを
握り締めた。


あの時と同じ製品のリップクリーム、、


「・・なんで、あんなことしたんやろ、、」


俺は、ドブ川を見つめながら
あの夜のことを後悔した。


ドブ川からカメ達が顔を出しとる。


「なんや?あんたら(カメ達)、、
ごめんな、、餌ないねん、、」


ふと、背後に視線を感じて
俺は、後ろを振り返る。


「あっ、あの時の可愛い女の人、、
ん?横におるのは、、えっ!?
ミナトをイジメとった先輩やっ」


俺は、二人の会話に耳を澄ます。


「なぁ、お前さぁ、なんであんな変な女と
イチャイチャしてんの?あいつ、女だろ?」

「・・あの人といると、何故か、、
楽しいの。あの人の性別のことを
そんなふうに言わないで、、」

「・・キモッ
お前、頭おかしくなってるぞ?
・・あ、なんか、あいつに似てる、、」

「え?」

「最近、やめた奴、、ミナトだっけ?
女みたいでキモイ奴でさぁ、、なんか、
見てるとイライラする奴でさぁ、
ははは。あの変な女そいつに似てるっ」

「!!!」

「・・変な女なんて、、酷いよ、、
そんなふうに言わないで、、」

「アイツ(ミナト)さぁ、未だに、
俺がアイツのハンマー盗んだこと
気づいてないんだぜ?マヌケすぎだろ?
ははは。キモい奴ッ」


ブチッ


ダダダダだっ


ガッガッガッ、、


「きゃーっやめてーっ」




ピーポーピーポー、、







「・・ラムネさんっ
・・ラムネさんっ」




俺は、目を開ける。




AM 0:01   Xmas





サトウさんが俺の名を呼び続けて、、
泣き崩れている、、




枕の横に
俺がサトウさんにプレゼントしようと
していた、、


リップクリーム、、


サトウさんは
静かに


俺の唇にリップクリームを塗った。


「(+。+)イテッ!★」



「・・薬用だから大丈夫☆
あの時のお返し。」



(・・あ、、みたことない可愛い笑顔や。)



「・・許してくれたん?」


「・・はい。」


「・・そうかー、、おおきに。…///」



「もう、私の寝顔に
無理やり、リップクリーム、、
塗って遊ばないで下さい。」

「・・はい。もうしません。
すんませんでした。」



「・・リップクリーム、、
どうして、、塗ったの?」

「・・あなたの唇が、、
乾燥してたからや、、」

「・・それだけですか、、」

「・・・」


「・・殴り合いの喧嘩なんて、、」



俺は、サトウさんのくちびるを奪う。



「すきや。」



「・・たこやきですか?…///」

「ぶーっ不正解。」

「・・・」


「ヒントっあんたさんの下の名前は?」

「サク」

「あーあ、、桜、、きれいやなぁ、、
サクじゃなくて、、桜やったらええのに。」


「・・・」


「サクでも桜でも、、なんでもええわ。」

「・・え?」


「好きなおなごとの一時は、、
一生のうちの幸せな日や、、
尊い時間や、、」


「・・ラムネさん??」


「しあわせな日やー♡」


サトウさんは
やわらかくやさしい
中性的な笑顔を俺にプレゼントした、、


「Merry X'mas」





おしまい★






あとがき



「くり、、」


「・・・」


「あー、、なんでもないで~す♪♪」








影中 来夢🌚💦





PJさんへ

「才の祭」への招待うれしかったです♪
ありがとうございます꙳★*゚


















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