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奪えない

目が覚めても
あの曲が流れ続けている、、


夢をみた


叔父さんがわたしをだきしめていた

顔を見ようとしても
顔を隠す、、

「・・どんな表情をしていても、
あなたは、あなただった、、」

「あなたは、人間で男性で私の叔父さん」

「叔父さんだから、、は、やめる。」


私の言葉に
叔父さんは
つよくだきしめる

「かお」


わたしは
叔父さんの顔をみようと
自分の顔を近づけた


叔父さんの瞳の中に
私が映っていた


瞳の中のわたしは
泣いている


「あなたの瞳の中はいつも
深い海のよう、、」

「水が怖いわたし、、
あなたの瞳の中は、
いつも、怖かった、」

叔父さんは妖艶に・・
微笑む、、


「水が怖くなったのは
サメがいると幼いあなたに
大人達がふざけたのがきっかけ。」

「・・え??」

「そういえば、あなたは幼少の時、
birthdayケーキをじっと見つめていたね、」

「・・うん。卑しい子だと
大人達に言われたっけ、、
私は、やっぱり、欲深い、、」

「・・いつも、思う。
人の言うあなたとは別人さん。
あなたは、ケーキの完成度に興味を示して
あの時、みとれていたんでしょ?」

「・・・」

「・・水は怖いものではない。」
「芸術はあなたを救う。」

「・・・」

「・・泳いでみたらいい、、」


叔父さんは
そう言うと


わたしのくちをふさいだ


わたしのくちのなかに息を
吹き込んでいる


わたしは


「あなたがたぶんすき?」


私の心の声が海の中をさ迷うように、、


こころのなかでひびきわたっていた、、


「生きよう」


「生きて」


「愛しいから」



ぼくのなかでおよいでいてほしい




わたしは
その言葉に反応して
目を開けた


叔父さんは
来夢さんに



目が覚めて
目を閉じると


くろい彼の姿がみえる、
口に感触、、


彼はいつまでも
わたしのくちをはなさない、



なみだのなまあたたかさ、
つたわってくる、、


「心は誰にも奪えない・・」




影のあなたの


囁き
感触
なみだ、、



・・・



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