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アーティストステートメント

石野まゆはグラフィックデザイナーとして活動する傍ら、2019年より絵画作品の制作を行い、2022年より本格的にアーティスト活動を開始。デザインの知識を活かし、線、図形、色彩、構図、配置の持つ意味や印象をコンセプトに制作。作品は主に左右対称か横向きの女の子(たまに動物)を描き、人工的で無機質を感じさせる画風が特徴。また、作品ごとに顔や表情は変化させず、常に決まった同じ顔の女の子を描き続けている。

同じ顔を描き続ける理由は以下の通り。

1. 印象比較
それぞれの図形や色彩には意味や心理効果に違いがあるため、モチーフを同じにすることでその違いをわかりやすく伝達する試み。
2. アイコン化
同じ顔の女の子を繰り返し描くことで、特定のシンボルやアイコンとしての存在感を強調。これは視覚的なブランド化や記憶に残る印象を作り出すため。
3. 感情や事象の表現探究
固定された顔の中で周囲の要素や構成を変えることで、同じモチーフが異なる感情や出来事を表現できるかを探求する。変わらない顔が持つ普遍的なメッセージ性と、周囲の変化によって引き起こされる多様な解釈を組み合わせる試み。

下図はAdobe Illustratorで制作し、それをキャンバスにトレースしてアクリル絵具で描くという手法をとる。制作手法と画風を考えれば、印刷やシルクスクリーンを使えば簡単に量産することが可能だが、アンディ・ウォーホル(Andy Warhol、1928年8月6日 - 1987年2月22日)のようにポップアートが制作したいわけではない。同じ顔の女の子を繰り返し描くことで、統一されたコンセプトの中に多様な表現の可能性を見出し、観る者に深い考察と共感を促すことを目指している。だから手で色を塗り重ね、線を引き、作品を完成させる。これにより、作品は単なる視覚的なオブジェクトではなく、感情や事象を探求し、共有するための媒体となると考える。

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