2019東京都登販過去問解説問1~5

*YouTubeは当面過去問研究に専念のため更新を一旦停止しました。


問1 医薬品の本質に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 人体に対して使用されない医薬品は、人の健康に影響を与えることはない。

人体に対し使用されない医薬品でもたとえば殺虫剤をれいにすれば殺虫剤でも人体に曝されれば健康を害する恐れもあります。検査薬で検査して正しい解釈、判断がなされなければ病院などの医療機関を受診しても適切な治療を受ける機会を失う恐れがあります。
よってAは誤りです


b 医薬品は、市販後にも、医学・薬学等の新たな知見、使用成績等に基づき、その有効性、安
全性等の確認が行われる仕組みになっている。
これは正しい記述です。
ドラックストア経験してる方や薬に興味ある方ならわかる方もいるかもしれませんがコデインという主に咳止めでつかわれている成分を例にしますが厚生労働省は重篤な副作用の例が国内であり12歳未満の小児は使用を禁忌にするよう各製薬会社に通達し12才未満の小児は禁忌になりました。
このように日々添付文書など変わってます


c 医薬品について、医薬品医療機器等法では、健康被害の発生の可能性がある場合のみ、異物
等の混入、変質等があってはならない旨を定めている。


なんかおかしいと思いませんか。
医薬品は人の生命や健康に密接に関連するものであるため高い水準で均一な保証がなされていなければなりません。医薬品医療機器等法第145条で定められてますので誤りです。

正解は5の誤正誤となります。
a b c
1 正 正 正
2 正 正 誤
3 正 誤 正
4 誤 誤 正
5 誤 正 誤


問2 の問題です
医薬品のリスク評価に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
 
 問題にはいる前に解説をしていきます

医薬品は、使用方法を誤ると健康被害を生じることがあります。医薬品の効果とリスクは、薬物曝露時間と曝露量との積で表現される用量-反応関係に基づいて評価されます。投与量と効果又は毒性の関係は、薬物用量を増加させるに伴い、効果の発現が検出されない「無作用量」から、最小有効量を経て「治療量」薬の効果がでる領域にいきます。この図だと朝と昼は適切に服用しているので治療量有効域でとどまってます。治療量上限、地領域と表現されることもありますがを治療域を超えてしまうと、効果よりも有害反応が強く発現する「中毒量」図の中毒域に入り、「最小致死量」を経て、「致死量」に至ります。

図で夜のは分かりやすくするために極端な例にしてますが定められた用量以上を過剰摂取してしまい有効域の治療量を越えて期待した効果とは逆の中毒量、図の副作用の出やすい中毒域に入り命を落としてしまう致死量の危険域に入っています。

。動物実験により求められる50%致死量(LD50)は、薬物の毒性の指標として用いられる。 薬を用法用量以上に飲んでしまうと命の危険性があるのは誰でも知っていると思います。治療量を超えた量を単回投与した後に毒性が発現するおそれが高くなります。また少量の投与でも長期投与されれば慢性的な毒性が発現する場合もあるわけです
問題にいきましょうか。

a 治療量を超えた量を単回投与した後に毒性が発現するおそれが高いことは当然であるが、少量の投与でも長期投与されれば慢性的な毒性が発現する場合もある。

 aの記述はその通りです。


Bの問題にはいる前に医薬品開発のハーモナイゼーションについて解説していきます。新規に開発される医薬品のリスク評価は、医薬品開発の国際的な標準化(ハーモナイゼーション)制定されています。


個々の医薬品の用量-反応関係に基づいて、医薬品の安全性に関する非臨床試験の基準をGood Laboratory Practice(GLP)といいます。

GLPの基準に従って、単回投与毒性試験、反復投与毒性試験、生殖・発生毒性試験、遺伝毒性試験、がん原性試験、依存性試験、抗原性試験、局所刺激性試験、皮膚感作性試験、皮膚光感作性試験などの毒性試験が厳格に実施されています

動物実験で医薬品の安全性が確認されると、ヒトを対象とした臨床試験が行われます。ヒトを対象とした臨床試験における効果と安全性の国際的な評価基準をGood Clinical Practice (GCP)といいます


さらに、医薬品に対しては製造販売後の調査及び試験の実施基準をGood Post-marketing Study Practice (GPSP) いいます

さらに医薬品の製造販売後安全管理基準として Good Vigilance Practice (GVP)が制定されています。

このように、医薬品については、食品などよりもはるかに厳しい安全性基準が要求されているのです。

過去問でもよくヒッカケでGVP、GLP、GPSPのヒッカケ問題がよく出題されますので 注意しましょう

問題にいきましょうか

b 医薬品に対しては、製造販売後の調査及び試験の実施基準としてGood Vigilance Practice(GVP)が制定されています。

GVPは製造販売後安全管理基準のことを言いました。

Good Post-marketing Study Practice (GPSP) の記述をしているので誤りです。
よく出るヒッカケです。

よくでるヒッカケなので注意しましょう


c 動物実験により求められる50%致死量(LD50)は、薬物の毒性の指標の一つとして用いられる。

これは正しい記述です。
a b c

正解は3の正誤正です


1 正 正 正 2 正 正 誤 3 正 誤 正 4 誤 誤 正 5 誤 正 誤


問3 健康食品に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。


健康食品に関する問題ですね。


健康増進や維持の助けとなる食品を一般的に「健康食品」として呼ばれています。食品は、法で定める医薬品とは異なり、身体構造や機能に影響する効果を表示することはできません。

例外的に特定保健用食品については、「特定の保健機能の表示」、例えばキシリトールを含む食品に対して「虫歯の原因になりにくい食品です」などの表示が許可されており、「栄養機能食品」については、各種ビタミン、ミネラルに対して「栄養機能の表示」ができます。((第4章Ⅱ-3)【保健機能食品等の食品】参照。) 近年、セルフメディケーションiiへの関心が高まるとともに、健康補助食品(いわゆるサプリメント)などが健康推進・増進を目的として広く国民に使用されるようになりました。それらの中にはカプセル、錠剤等の医薬品と類似した形状で発売されているものも多く、誤った使用法により健康被害を生じた例も報告されています。医薬品を扱う者は、いわゆる健康食品は法的にも、また安全性や効果を担保する科学的データの面でも医薬品とは異なるものであることを認識し、消費者に指導・説明を行わなくてはならないです。 また、平成27年4月より「機能性表示食品」制度が施行された。「機能性表示食品」は、疾病に罹り患していない者の健康の維持及び増進に役立つ旨又は適する旨(疾病リスクの低減に係るものを除く。)を表示するものです。

では問題にいきましょうか
元のメッセージを表示しない

a 特定保健用食品は、「特定の保健機能の表示」(例えばキシリトールを含む食品に対して「虫歯の原因になりにくい食品です」などの表示)が許可されている。
ただしいきじゅつです。
食品のばあいは法で定める医薬品と違い身体に影響する効果を表示することができません。×!!!
例外で今回のaの問題でしゅつだいされてる特定保健食品は
例外的に特定の保健機能の表示が認められてます。


b 健康補助食品(いわゆるサプリメント)には、カプセル、錠剤等の医薬品と類似した形状で発売されているものも多く、誤った使用法により健康被害を生じた例も報告されている。
正しい記述です。


c 医薬品を扱う者は、いわゆる健康食品が法的にも、安全性や効果を担保する科学的データの面でも、医薬品とは異なるものであることを認識し、消費者に指導・説明を行わなくてはならない。正しい記述です。

ちなみに、平成27年4月より機能性表示食品の制度が施行されました。
機能性表示食品は疾病にり患していない者の健康増進の維持および増進に役立つ旨または適する旨(疾病のリスクの低減に関わるものを除く)を表示するものです

正解は1です。全て正しいです


a b c

1 正 正 正 2 正 正 誤 3 正 誤 誤 4 誤 正 正 5 誤 誤 誤


問4 医薬品の副作用に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 世界保健機関(WHO)の定義によれば、医薬品の副作用とは、「疾病の予防、診断、治療のため、又は身体の機能を正常化するために、人に通常用いられる量で発現する医薬品の有害かつ意図しない反応」とされている。
正しい記述です。


b 医薬品を使用する人が、副作用をその初期段階で認識することにより、副作用の種類に応じて速やか、かつ適切に処置し、又は対応し、重篤化の回避が図られることが重要となる。

c 複数の疾病を有する人の場合、ある疾病のために使用された医薬品の作用が、別の疾病の症状を悪化させたり、治療を妨げたりすることはない。

別の疾病の症状を悪化させたり、治療を妨げたりすることもあるなら正しいのですがないという点で誤り。

解説しますが医薬品はいくつもの薬理作用があります。期待された主作用、コデインと言う成分を例にすれば咳を抑えると言う主作用以外に好ましくない喉の乾き、便秘しやすくなるといった好ましくない症状が起きたりすることを有害事象といったりします。この有害事象も副作用になります

正解は2となります

a b c

1 正 正 正 2 正 正 誤 3 正 誤 誤 4 誤 誤 正 5 誤 正 正


問5 アレルギー(過敏反応)に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

a アレルギーは、医薬品の薬理作用と関係して起こるため、薬理作用がない添加物がアレルギーを引き起こす原因物質(アレルゲン)となることはない。
添加物がアレルギーを引き起こす原因物質となることがないとしている点が誤りです


アレルギーを引き起こす原因物質をみていきます

添加物としては、黄色4号(タートラジン)、カゼイン、亜硫酸塩(亜硫酸ナトリウム、ピロ硫酸カリウム等)等が知られています


b アレルギーには、体質的・遺伝的な要素があり、アレルギーを起こしやすい体質の人や、近い親族にアレルギー体質の人がいる場合には、注意が必要である。
正しい記述です

c 普段は医薬品にアレルギーを起こしたことがない人でも、病気等に対する抵抗力が低下している状態などの場合には、医薬品がアレルゲンになることがあり、アレルギーを生じることがある。
正しい記述です

d 医薬品のアレルギーは、内服薬によって引き起こされるものであり、外用薬によって引き起こされることはない。
違います。
外用薬でも引き起こす可能性はあります。分かりやすい例で言うと湿布薬です。湿布使うと痒くなる方もいます
d は誤り

正解は3です

1(a、b) 2(a、c) 3(b、c) 4(b、d) 5(c、d)


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