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令和元年度奈良県登録販売者試験解説問41~50

41.薬局に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a 薬局開設者が登録販売者であるときは、自ら管理者となることができる。

b 薬局では、第一類医薬品の販売に関して、登録販売者が購入者等への情報提供や相談対応を行うことができる。

c 薬局において医薬品の販売を行うためには、薬局の許可と併せて店舗販売業の許可も受けなければならない。

d 調剤を実施する薬局は、医療法における医療提供施設として位置づけられる。

 a b c d
1 正 正 誤 誤
2 誤 誤 正 正
3 正 誤 正 誤
4 誤 誤 誤 正
5 誤 正 誤 誤

正解4

a誤り

薬局の開設の許可を受けた事業者(以下「薬局開設者」という。)は、自らが薬剤師であるときは、その薬局を実地に管理しなければならない。自ら管理しない場合には、その薬局で薬事に関する実務に従事する薬剤師のうちから管理者を指定して実地に管理させなければならないこととされている(法第7条第1項)。


また、薬局開設者が薬剤師でないときは、その薬局で薬事に関する実務に従事する薬剤師のうちから管理者を指定して実地に管理させなければならないこととされている(法第7条第2項)

薬局の場合、薬局の管理者はいづれにしても登録販売者ではなれないため誤りです。

店舗販売業の店舗管理者の話と混同しないように注意する必要があります。


b誤り

薬局であれば薬剤師でなくても登録販売者が購入者等へ要指導医薬品、第一類医薬品の情報提供や相談対応を行うことができる例外はありません。

登録販売者が販売できる医薬品は、配置販売業、店舗販売業においても第二類医薬品又は第三類医薬品です。

c誤り

薬局では、医薬品の調剤と併せて、店舗により医薬品の販売を行うことが認められています。

医薬品の販売も行えるため誤りです

逆に店舗販売業では店舗により医薬品の販売を行うことが認められていますが医薬品の調剤はできません

d正しい

そのとおりの記述です。


42.医薬品販売業に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a 医薬品の販売業の許可は、医薬品医療機器等法第25条において、店舗販売業の許可、配置販売業の許可又は卸売販売業の許可の3種類に分けられている。

b 店舗販売業者は、第二類医薬品又は第三類医薬品については、薬剤師又は登録販売者に販売又は授与させなければならない。

c 医薬品販売業の許可は、5年ごとに、その更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。

d 薬剤師が従事している店舗販売業の店舗であれば、調剤を行うことができる。

 a b c d
1 誤 誤 正 正
2 正 誤 正 誤
3 正 誤 正 正
4 誤 正 誤 誤
5 正 正 誤 誤

正解5

a正しい

b正しい

c誤り

医薬品の販売業は6年ごとに、その更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。5年ごとではないため誤りです。

d誤り

薬剤師が従事している店舗販売業の店舗であっても、調剤を行うことはできないため誤りです。配置販売業でも薬剤師が調剤を行うことはできません。

薬局のみです。

43.配置販売業に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a 配置販売業者は、一般用医薬品のうち経年変化が起こりにくいこと等の基準(配置販売品目基準)に適合するもの以外の医薬品を販売してはならない。

b 配置販売業では、医薬品を開封して分割販売することが認められている。

c 配置販売業は、購入者の居宅に医薬品をあらかじめ預けておき、購入者がこれを使用した後でなければ代金請求権を生じない販売形態である。

d 配置販売業者又はその配置員は、その住所地の都道府県知事が発行する身分証明書の交付を受け、かつ、これを携帯しなければ、医薬品の配置販売に従事してはならない。

 a b c d
1 誤 誤 正 誤
2 正 誤 正 誤
3 誤 正 誤 正
4 誤 正 誤 誤
5 正 誤 正 正


正解5

a正しい

そのとおりの記述です。

b誤り

配置販売業では、医薬品を開封して分割販売することは禁止されているため誤りです(医薬品医療機器等法第37条第2項)。

医薬品を開封して分割販売できる形態は?

薬局、店舗販売業及び卸売販売業では、特定の購入者の求めに応じて医薬品の包装を開封して分割販売(「量り売り」、「零売」と呼ぶ。)することができます。ただし、分割販売する場合には、医薬品医療機器等法第50条の規定に基づく容器等への記載事項、法第52条の規定に基づく添付文書等への記載事項について、分割販売する薬局開設者又は医薬品の販売業者の責任において、それぞれ表示又は記載されなければないけません。分割販売される医薬品の記載事項には、「分割販売を行う者の氏名又は名称並びに分割販売を行う薬局、店舗又は営業所の名称及び所在地」も含まれています(法第50条第15号、規則第210条第7号)。 ただし、医薬品をあらかじめ小分けし、販売する行為は、無許可製造、無許可製造販売に該当するため、認めらません

c正しい

そのとおりの記述です。

d正しい

そのとおりの記述です。

44.店舗販売業における特定販売に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a 当該店舗に貯蔵し、又は陳列している一般用医薬品に限り、販売し、又は授与することができる。

b 在庫がない場合に限り、特定販売を行う他店から直接発送することができる。

c 特定販売を行う場合であっても、一般用医薬品を購入しようとする者等から、対面又は電話により相談応需の希望があった場合には、店舗販売業者は、店舗において医薬品の販売又は授与に従事する薬剤師又は登録販売者に、対面又は電話により情報提供を行わせなければならない。

d 特定販売を行うことについて広告をするときは、第一類医薬品、指定第二類医薬品、第二類医薬品、第三類医薬品の区分ごとに表示しなければならない。

 a b c d
1 正 正 正 誤
2 誤 誤 正 正
3 正 誤 正 正
4 誤 正 誤 誤
5 正 正 誤 正


正解3

a正しい

そのとおりの記述です。

b誤り

店舗販売業者は、特定販売を行う場合には、次に掲げるところにより行わなければならない。(医療機器等法第9条第1項、第29条の2第1項、規則第15条の6、第147条の7、994 別表第1の2及び第1の3) 

 ① 店舗に貯蔵し、又は陳列している一般用医薬品を販売し、又は授与すること。

と規定されています。

店舗に貯蔵し、又は陳列している一般用医薬品でなければ特定販売してはいけないため誤りです

c正しい

そのとおりの記述です。

d正しい

そのとおりの記述です。


45.要指導医薬品に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a 要指導医薬品は、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定する。

b 要指導医薬品では、注射等の侵襲性の高い使用方法は用いられていない。

c 薬剤師が管理者である店舗では、登録販売者が要指導医薬品の適正な使用のための情報の提供及び指導をすることができる。

d 薬局開設者又は店舗販売業者が要指導医薬品を販売する場合に、情報の提供及び指導を行わせるに当たって、あらかじめ確認させなければならないと規定されている事項には、他の薬剤又は医薬品の使用の状況が含まれる。

 a b c d
1 正 正 誤 正
2 誤 正 正 誤
3 正 誤 誤 誤
4 正 誤 正 誤
5 誤 誤 誤 正

正解1

a正しい

b正しい

c誤り

薬剤師が管理者である店舗であっても、薬剤師でなければ要指導医薬品の適正な使用のための情報の提供及び指導をすることができないため誤りです。

d正しい

法第36条の6第2項において、薬局開設者又は店舗販売業者は、情報の提供及び指導を行わせるに当たっては、当該薬剤師に、あらかじめ、次に掲げる事項を確認させなければならないと規定されています(医療機器等法規則第158条の12第4項)。

年齢 

 ⅱ)他の薬剤又は医薬品の使用の状況 

 ⅲ)性別 

 ⅳ)症状 

 ⅴ)ⅳ)の症状に関して医師又は歯科医師の診断を受けたか否かの別及び診断を受けたことがある場合にはその診断の内容 

ⅵ)現にかかっている疾病がある場合は、その病名 

ⅶ)妊娠しているか否か及び妊娠中である場合は妊娠週数 

ⅷ)授乳しているか否か  

ⅸ)当該要指導医薬品に係る購入、譲受け又は使用の経験の有無 

ⅹ)調剤された薬剤又は医薬品の副作用その他の事由によると疑われる疾病にかかったことがあるか否か、かかったことがある場合はその症状、その時期、当該薬剤又は医薬品の名称、有効成分、服用した量及び服用の状況 

ⅺ)その他情報の提供を行うために確認することが必要な事項


 

46.次のうち、医薬品医療機器等法第56条、第57条の規定により、販売、授与、製造等が禁止されている医薬品として、誤っているものを1つ選びなさい。

1 依存性・習慣性の高いもの
2 その全部又は一部が不潔な物質から成っているもの
3 医薬品の容器が、その医薬品の使用方法を誤らせやすいもの
4 疾病の原因となるものにより汚染されているおそれがあるもの

正解1

1誤り

依存性・習慣性の高い医薬品は市販薬でもあるため誤りです

(ジヒドロコデインやブロムワレリル尿素など)

*販売、授与、製造等が禁止されている医薬品は下記の規定があります

①厚生労働大臣が基準を定めて指定した医薬品であつて、その成分若しくは分量(成分が不明のものにあつては、その本質又は製造方法)又は性状、品質若しくは性能がその基準に適合しないもの

②着色のみを目的として、厚生労働省令で定めるタール色素以外のタール色素が使用されている医薬品


47.毒薬及び劇薬に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a 毒薬又は劇薬を、14歳未満の者その他安全な取扱いに不安のある者に交付することは禁止されている。

b 店舗の管理者が薬剤師である店舗販売業者は、劇薬を開封して販売してはならない。

c 毒薬及び劇薬には、薬効が期待される摂取量(薬用量)と中毒のおそれがある摂取量(中毒量)が接近しており安全域が狭いため、その取扱いに注意を要するものも指定されている。

d 毒薬又は劇薬を、一般の生活者に対して販売又は譲渡する際には、販売又は譲渡する者が、品名、数量、譲渡年月日を記載し、譲り受ける者に交付しなければならない。

 a b c d
1 正 正 誤 正
2 正 正 正 誤
3 正 誤 正 誤
4 誤 誤 誤 正
5 誤 正 正誤

正解3

a正しい

b誤り

店舗の管理者が薬剤師である場合は劇薬や毒薬を開封して販売できるため誤りです。

店舗管理者が薬剤師である店舗販売業者及び医薬品営業所管理者が薬剤師である卸売販売業者以外の医薬品の販売業者は、第五十八条の規定によつて施された封を開いて、毒薬又は劇薬を販売し、授与し、又は販売若しくは授与の目的で貯蔵し、若しくは陳列してはならない。 と規定されています

(医薬品医療機器等法第45条)


c正しい

d誤り

毒薬又は劇薬を、一般の生活者に対して販売又は譲渡する際には、当該医薬品を譲り受ける者から、品名、数量、使用目的、譲渡年月日、譲受人の氏名、住所及び職業が記入され、署名又は記名押印された文書の交付を受けなければならない

実務での例に例えます。

毒薬又は劇薬を譲り受けるもの(お客様)から、品名、数量、譲渡年月日、使用目的等を記載し、販売する薬剤師に交付しないといけません。


48.生物由来製品に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a 厚生労働大臣が、都道府県知事の意見を聴いて指定するものである。


b 現在のところ、生物由来製品として指定された要指導医薬品はない。
c 生物由来の原材料が用いられているものであっても、指定の対象になるとは限らない。d 製品の使用による感染症の発生リスクに着目して指定されている。
 a b c d
1 正 正 誤 正
2 正 正 正 誤
3 誤 誤 正 正
4 誤 正 正 正
5 正 誤 誤 誤


正解4

a誤り

生物由来製品は、法第2条第10項において次のように定義されています。 「人その他の生物(植物を除く。)に由来するものを原料又は材料として製造(小分けを含む。)をされる医薬品、医薬部外品、化粧品又は医療機器のうち、保健衛生上特別の注意を要するものとして、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定するもの」と定義されています。 都道府県知事の意見を聴いて指定するものではないため誤りです

b正しい

c正しい

d正しい


49.一般用医薬品のうち、濫用等のおそれのあるものとして厚生労働大臣が指定する医薬品を販売する場合、医薬品医療機器等法施行規則第15条の2の規定に基づき、薬剤師又は登録販売者に必ず確認させなければならない事項として、誤っているものを1つ選びなさい。

1 当該医薬品を購入しようとする者及び当該医薬品を使用しようとする者の他の薬局開設者、店舗販売業者又は配置販売業者からの当該医薬品及び当該医薬品以外の濫用等のおそれのある医薬品の購入又は譲受けの状況

2 当該医薬品を使用しようとする者の氏名及び住所

3 当該医薬品を購入しようとする者が、若年者である場合にあっては、当該者の氏名及び年齢

4 当該医薬品を購入しようとする者が、適正な使用のために必要と認められる数量を超えて当該医薬品を購入しようとする場合は、その理由

正解2

当該医薬品を使用しようとする者の氏名は若年者であった場合のみ確認する事項です。住所は若年者であっても確認する事項ではないため誤りです

濫用等のおそれのあるものとして厚生労働大臣が指定する医薬品(平成26年厚生労働省告示第252号)で水和物及びそれらの塩類を有効成分として含有する製剤と対象の医薬品を販売する際には確認を行ったうえで適正に使用されるよう販売する必要があるものは下記の通りです

①エフェドリン 

②コデイン(鎮咳がい去痰たん薬に限る。)

 ③ジヒドロコデイン(鎮咳がい去痰たん薬に限る。) 

 ④ブロモバレリル尿素 

⑤プソイドエフェドリン

⑥メチルエフェドリン(鎮咳がい去痰たん薬のうち、内用液剤に限る。)


50.次のうち、医薬品医療機器等法第50条の規定により、一般用医薬品の直接の容器又は被包に記載されていなければならない事項として、正しいものを1つ選びなさい。


1 指定第二類医薬品にあっては、枠の中に「2」の数字

2 効能又は効果

3 配置販売品目にあっては、「配置専用」の文字

4 製造業者の氏名又は名称及び住所

正解1

法第50条で規定されてる容器、外箱等への記載事項、法定表示事項は下記の通りです。

添付文書の記載事項と混同しないよう注意する必要があります

(a) 製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

 (b) 名称(日局に収載されている医薬品では日局において定められた名称、また、その他の医薬品で一般的名称があるものではその一般的名称)

 (c) 製造番号又は製造記号

 (d) 重量、容量又は個数等の内容量

 (e) 日局に収載されている医薬品については「日本薬局方」の文字等 

(f) 要指導医薬品である旨を示す識別表示 

(g) 一般用医薬品のリスク区分を示す識別表示

 (h) 日局に収載されている医薬品以外の医薬品における有効成分の名称及びその分量 

(i) 誤って人体に散布、噴霧等された場合に健康被害を生じるおそれがあるものとして厚生労働大臣が指定する医薬品(殺虫剤等)における「注意-人体に使用しないこと」の文字 

(j) 適切な保存条件の下で3年を超えて性状及び品質が安定でない医薬品等、厚生労働大臣の指定する医薬品における使用の期限 

(k) 配置販売品目以外の一般用医薬品にあっては、「店舗専用」の文字 

(l) 指定第二類医薬品にあっては、枠の中に「2」の数字

1正しい

そのとおりの記述です。

2誤り

直接の容器又は被包に記載されていなければならない事項ではないため誤りです

3誤り

架空の要件のため誤りです

k) 配置販売品目以外の一般用医薬品にあっては、「店舗専用」の文字とヒッカケようとしたと考えられます 

4誤り

 製造販売業者の氏名又は名称及び住所です。製造業者ではないため誤りです

*試験作成の手引や薬事日報等で入念に調査した上で作成してますが万一不備がありましても一切責任を負いません。自己責任にてお願いいたします

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