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京都府2019年度登録販売者試験解説問101~110

医薬品の適正使用・安全対策の問題

問101 医薬品の適正使用情報に関する記述について、誤っているものはどれか。

1医薬品は、効能・効果、用法・用量、起こり得る副作用等、その適正な使用のために必要な情報(適正使用情報)を伴って初めて医薬品としての機能を発揮するものである。


2一般用医薬品は、薬剤師、登録販売者その他の医薬関係者から提供された情報に基づき、一般の生活者が購入し、自己の判断で使用するものである。

3要指導医薬品の添付文書や製品表示に記載されている適正使用情報は、医薬品の販売等に従事する専門家向けに専門的な表現で記載されている。

4医薬品の販売等に従事する専門家は、医薬品を購入し、又は使用する個々の生活者の状況に応じて、積極的な情報提供が必要と思われる事項に焦点を絞り、効果的かつ効率的な説明を行うことが重要である

正解3

3誤り

要指導医薬品又は一般用医薬品は、薬剤師、登録販売者その他の医薬関係者から提供された情報に基づき、一般の生活者が購入し、自己の判断で使用するものです。そのため添付文書や製品表示に記載されている適正使用情報は、その適切な選択、適正な使用を図る上で特に重要となります。それらの記載は、一般の生活者に理解しやすい平易な表現でなされます

 問102 一般用医薬品の添付文書に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

 a 医薬品の添付文書の内容は変わらないものではなく、医薬品の有効性・安全性等に係る新たな知見、使用に係る情報の有無にかかわらず、定期的に改訂がなされている。 

b 実際に使用する人やその時の状態等によって留意されるべき事項が異なってくるため、添付文書は必要なときにいつでも取り出して読むことができるように保管される必要がある。

 c 一般用医薬品の販売名に薬効名が含まれている場合(例えば、「○○○胃腸薬」など)には、添付文書への薬効名の記載は省略されることがある。

 d 一般用医薬品を使用した人が医療機関を受診する際には、その添付文書を持参し、医師や薬剤師に見せて相談がなされることが重要である。

 a b c d

1 正 誤 正 誤 

2 正 誤 正 正 

3 正 正 誤 誤

 4 誤 正 正 正 

5 誤 正 誤 正

正解4

a誤り

一般用医薬品を含めて、医薬品の添付文書の内容は変わらないものではなく、医薬品の有効性・安全性等に係る新たな知見、使用に係る情報に基づき、必要に応じて随時改訂がなされています。使用に係る情報の有無にかかわらず、定期的に改訂がなされているわけではないため誤りです

  問103

 一般用医薬品の添付文書に関する記述について、正しいものの組み合わせはどれか。

a「使用上の注意」、「してはいけないこと」及び「相談すること」の各項目の見出しには、それぞれ統一された標識的マークが付されている。

b「してはいけないこと」には、守らないと症状が悪化する事項、副作用又は事故等が起こりやすくなる事項について記載されている。

c「相談すること」には、その医薬品を使用する前に、その適否について専門家に相談した上で適切な判断がなされるべきである場合が記載されており、使用後の内容は記載されていない。

d「使用上の注意」には、医薬品の使用時に現れる症状のうち、容認される軽微なものについては対象外とされている。

1(a、b)2(a、c)3(b、d)

4(c、d)

正解1

a正しい

b正しい

c誤り

その医薬品を使用したあとに、副作用と考えられる症状等を生じた場合、薬理作用から発現が予測される軽微な症状が見られた場合や、症状の改善がみられない場合には、いったん使用を中止する等の記載がなされているため誤りです 

d誤り

「使用上の注意」には、医薬品の使用時に現れる症状のうち、容認される軽微なものについては対象となっているため誤りです。

問104 

一般用医薬品の製品表示に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。 

a 1回服用量中0.1mLを超えるアルコールを含有する内服液剤(滋養強壮を目的とするもの)については、アルコールを含有する旨及びその分量が記載されている。 

b 使用期限の表示については、適切な保存条件の下で製造後1年間性状及び品質が安定であることが確認されている医薬品において法的な表示義務はない。 

c 可燃性ガスを噴射剤としているエアゾール製品や消毒用アルコール等、危険物に該当する製品は、消防法に基づき「火気厳禁」等の表示がなされている。 

d 「使用期限」は、未開封状態で保管された場合に品質が保持される期限であり、いったん開封されたものについては記載されている期日まで品質が保証されない場合がある。 

 a b c d 

1 誤 正 正 誤 

2 正 誤 正 正 

3 正 正 正 正 

4 正 誤 正 誤 

5 誤 正 誤 正

正解2

b誤り

使用期限の表示については、適切な保存条件の下で製造後3年を超えて性状及び品質が安定であることが確認されている医薬品において法的な表示義務はないため誤りです。1年ではありません

*使用期限の表示については、適切な保存条件の下で製造後3年を超えて性状及び品質が安定であることが確認されている医薬品において法的な表示義務はないですが流通管理等の便宜上、外箱等に記載されるのが通常となっています

問105 緊急安全性情報に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。 

a 医薬品、医療機器又は再生医療等製品について、緊急かつ重大な注意喚起や使用制限に係る対策が必要な状況にある場合に作成される。 

b 厚生労働省からの命令に基づいて作成されるものであり、製造販売業者の自主決定に基づいて作成されることはない。

 c A4サイズの青色地の印刷物で、ブルーレターとも呼ばれる。

 d 医療用医薬品や医家向け医療機器についての情報伝達であり、一般用医薬品についての情報が発出されたことはない。 

  a b c d 

1 誤 正 正 誤 

2 正 誤 正 誤 

3 正 正 誤 正 

4 正 誤 誤 誤 

5 誤 誤 誤 誤

正解4

a正しい

b誤り

緊急安全性情報は厚生労働省からの命令、指示、製造販売業者の自主決定等に基づいて作成されるため誤りです

c誤り

A4サイズの黄色地の印刷物で、イエローレターとも呼ばれます。ブルーレターは安全性情報をいうため誤りです

d誤り

医療用医薬品や医家向け医療機器についての情報伝達である場合が多いですが、小柴胡湯による間質性肺炎に関する緊急安全性情報(平成8年3月)のように、一般用医薬品にも関係する緊急安全性情報が発出されたこともあるため誤りです


問106 医薬品医療機器等法第68条の10第2項の規定により、医薬品の副作用等の報告義務がある者について、誤っているものはどれか。

1薬局開設者

2登録販売者

3診療所の開設者

4獣医師

5購入者

正解5

誤り

購入者は副作用の報告の義務はないため誤りです。

報告の義務者は下記のとおりです。

薬局開設者、病院、診療所若しくは飼育動物診療施設の開設者又は医師、歯科医師、薬剤師、登録販売者、獣医師その他の医薬関係者は、医薬品、医療機器又は再生医療等製品について、当該品目の副作用その他の事由によるものと疑われる疾病、障害若しくは死亡の発生又は当該品目の使用によるものと疑われる感染症の発生に関する事項を知つた場合において、保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するため必要があると認めるときは、その旨を厚生労働大臣に報告しなければならない。

問107

 次の情報のうち、PMDAのホームページに掲載されていないものはどれか。

1厚生労働省が製造販売業者等に指示した緊急安全性情報

2要指導医薬品・一般用医薬品の添付文書情報

3医薬品等の製品回収に関する情報

4新たに許可を取得した医薬品製造販売業者の情報

5製造販売業者等や医療機関等から報告された、医薬品による副作用が疑われる症例情報

正解4

誤り

新たに許可を取得した医薬品製造販売業者の情報は

総合機構ホームページには掲載されていないため誤り。です

総合機構のホームページは、添付文書情報、厚生労働省より発行される「医薬品・医療機器等安全性情報」のほか、要指導医薬品及び一般用医薬品に関連した以下のような情報が掲載されてます。

 ○ 厚生労働省が製造販売業者等に指示した緊急安全性情報、「使用上の注意」の改訂情報 

○ 製造販売業者等や医療機関等から報告された、医薬品による副作用が疑われる症例情報

 ○ 医薬品の承認情報

 ○ 医薬品等の製品回収に関する情報

 ○ 一般用医薬品・要指導医薬品の添付文書情報

 ○ 患者向医薬品ガイド・くすりのしおり 

○ その他、厚生労働省が医薬品等の安全性について発表した資料 

です。

総合機構では、医薬品・医療機器の安全性に関する特に重要な情報が発出されたときに、ホームページに掲載し、その情報を電子メールによりタイムリーに配信する医薬品医療機器情報配信サービス(PMDAメディナビ)を行っている。このサービスは誰でも利用可能であり、最新の情報を入手することができる。


問108 医薬品医療機器等法第68条の10第2項の規定に基づく医薬品の副作用等報告に関する記述について、正しいものの組み合わせはどれか。

a医薬品等によるものと疑われる、身体の変調・不調、日常生活に支障を来す程度の健康被害(死亡を含む。)について報告が求められている。

b医薬品との因果関係が明確でない場合は、報告の対象外とされている。

c安全対策上必要があると認めるときは、医薬品の過量使用や誤用等によるものと思われる健康被害についても報告がなされる必要がある。

d副作用の症状がその医薬品の適応症状と見分けがつきにくい場合は、報告の対象外とされている。

1(a、b)2(a、c)3(b、d)

4(c、d)

正解2

a正しい

b誤り

医薬品との因果関係が必ずしも明確でない場合であっても報告の対象となり得るため誤りです

c正しい

d誤り

医薬品との因果関係が必ずしも明確でない場合であっても報告の対象となり得るため誤りです



問109

 医薬品医療機器等法第68条の10第2項の規定に基づく医薬品の副作用等報告に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

 a 報告様式は、PMDAのホームページから入手できるほか、医学・薬学関係の専門誌等にも掲載されている。

 b 報告様式の記入欄すべてに記入がなされる必要はなく、医薬品の販売等に従事する専門家においては、把握可能な範囲で報告がなされればよい。 

c 複数の専門家が医薬品の販売等に携わっている場合であっても、当該薬局又は医薬品の販売業において販売等された医薬品の副作用等によると疑われる健康被害の情報に直接接した専門家1名から報告書が提出されればよい。

 d 医薬品の副作用等によると疑われる健康被害の情報を把握したときは、15日以内に厚生労働大臣(実務上はPMDA)へ報告しなければならない。

  a b c d 

1 正 正 正 誤 

2 正 正 誤 正 

3 正 誤 正 正 

4 誤 正 正 正 

5 正 正 正 正

正解1

d誤り

報告期限は特に定められていないため誤り。保健衛生上の危害の発生又は拡大防止の観点から、報告の必要性を認めた場合においては、適宜速やかに、郵送、ファクシミリ又は電子メールで、法第68条の13第3項の規定に基づき、報告書を総合機構に送付するとなっている。報告者に対し、安全性情報受領確認書が交付されます。

問110 医薬品副作用被害救済制度に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

 a 給付請求は、健康被害を受けた本人又は家族が行うことができる。 

b 医学的薬学的判断を要する事項については、薬事・食品衛生審議会の諮問・答申を経て、厚生労働大臣が判定する。

 c 救済給付業務に必要な費用(事務費を含む。)は、すべて製造販売業者から年度ごとに納付される拠出金により賄われている。 

d 要指導医薬品又は一般用医薬品の使用による副作用被害への救済給付の請求に当たっては、その医薬品を販売等した薬局開設者、医薬品の販売業者の作成した販売証明書等が必要となる。

 a b c d 

1 正 正 誤 正 

2 正 正 誤 誤 

3 誤 正 正 誤 

4 誤 正 誤 正 

5 誤 誤 正 誤

正解1

a正しい

b正しい

c誤り

救済給付業務に必要な費用のうち、給付費については、独立行政法人医薬品医療機器総合機構法第19条の規定に基づいて、製造販売業者から年度ごとに納付される拠出金が充てられるほか、事務費については、その2分の1相当額は国庫補助により賄われているため誤りです

d正しい


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