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2023年7月の全国企業倒産758件

倒産件数負債総額2023年7月758 件1,621億3,700万円
前年同月比+ 53.44%+ 91.71%2022年7月494件845億7,000万円前月比

▲ 1.55%+ 7.41%2023年6月770件1,509億4,700万円

7月の倒産 16カ月連続で増加、増加率はコロナ禍で最大の53.4%増

 2023年7月度の全国企業倒産(負債額1,000万円以上)は、件数が758件(前年同月比53.4%増)、負債総額は1,621億3,700万円(同91.7%増)と、それぞれ大幅に増えた。
 件数は、2022年4月から16カ月連続で前年同月を上回った。2023年に入り前年同月比の増加率が拡大し、7月は53.4%増でコロナ禍最大と増勢を強めている。
 負債総額は、2カ月ぶりに前年同月を上回った。負債100億円超の倒産が3件(前年同月1件)発生、7月としては2020年の1,008億2,100万円以来、3年ぶりに1,000億円を超えた。
 2023年7月の「新型コロナウイルス」関連倒産は271件(前年同月比56.6%増)発生した。2020年2月からの累計は6,650件に達した。

 コロナ禍の資金繰り支援が終了する時に、ゼロゼロ融資の返済や物価高、人手不足などが重なり、中小企業の資金繰りは厳しい状況が続いている。売上増に伴う資金需要への対応が、今後の倒産動向のキーポイントになる。
企業倒産は、業績回復が進まず過剰債務で金融機関の支援が難しい企業を中心に、さらに増勢をたどる可能性が強まっている。

・「後継者難」35件(前年同月25件)
 「求人難」8件(同3件)、「人件費高騰」5件(同ゼロ)
・形態別件数:破産が690件。法的倒産の構成比は95.9%
・都道府県別件数:前年同月を上回ったのが36都道府県、減少7県、同数4県
・負債別件数:負債1億円未満の構成比74.9%、100億円以上が6カ月連続で発生
・業種別件数:飲食業、飲食料品製造業・小売業、道路貨物運送業などが増加
・従業員数別件数:従業員10人未満の構成比88.3%、2カ月連続で80%台
・中小企業倒産(中小企業基本法に基づく)は2カ月連続で100.0%

産業別 10産業のうち、8産業で前年同月を上回る 

2023年7月の産業別件数は、金融・保険業、不動産業を除く8産業で前年同月を上回った。
最多はサービス業他の262件(前年同月比69.0%増)で、11カ月連続で前年同月を上回った。
月次倒産に占める構成比は34.5%(前年同月31.3%)だった。
次いで、資材高騰が続く建設業が148件(前年同月比54.1%増)で7カ月連続、円安による原材料価格や仕入コストが上昇している製造業が81件(同58.8%増)で12カ月連続で、それぞれ前年同月を上回った。
また、価格転嫁が難しい卸売業が77件(同28.3%増)で4カ月連続、小売業が79件(同58.0%増)で3カ月連続で、それぞれ前年同月を上回った。
このほか、運輸業44件(同69.2%増)が2カ月連続、情報通信業33件(同26.9%増)が10カ月連続、農・林・漁・鉱業9件(同80.0%増)が2カ月ぶりに、それぞれ前年同月を上回った。
金融・保険業2件と不動産業23件は、前年同月と同件数だった。

地区別 倒産件数、9地区すべてで増加

 2023年7月の地区別件数は、2カ月連続で9地区すべてで前年同月を上回った。連続で9地区すべてが前年同月を上回るのは、2000年2月-5月以来。
 関東298件(前年同月比43.2%増)が、15カ月連続で前年同月を上回った。このほか、九州67件(同123.3%増)が13カ月連続、近畿173件(同26.2%増)が8カ月連続、北陸13件(同44.4%増)が5カ月連続、東北40件(同66.6%増)が4カ月連続、中部98件(同78.1%増)と中国30件(同130.7%増)が3カ月連続、北海道24件(同166.6%増)と四国15件(同66.6%増)が2カ月連続で、それぞれ前年同月を上回った。

当月の主な倒産

[負債額上位5社]
1.(株)東名小山カントリー倶楽部/静岡県/不動産賃貸/175億3,100万円/破産
2.(株)茂原火力発電所/東京都/火力発電所/158億円/特別清算
3.(株)椎の森発電所/東京都/火力発電所/154億円/特別清算
4.(株)OUNH/東京都/飲食業/92億800万円/破産
5.(株)OUNJ/東京都/飲食業/88億円/破産


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