ネズミの種類と特徴、そして被害について
日本にはどのような種類のネズミが生息しているのでしょうか?また、ネズミによる具体的な被害は何でしょうか?これらの疑問に答えるため、この記事ではネズミの種類、特徴、そして被害について詳しく解説します。
ネズミに関する相談件数は年々増加中
ネズミを含む害獣に関する相談件数は年々増加しています。
2018年のデータによると、日本ペストコントロール協会に寄せられた「害獣相談件数」は8,872件に達しました。
多くの人々は害獣としてゴミ捨て場を荒らす「カラス」や農作物を食べる「アライグマ」などを思い浮かべるかもしれませんが、実際に相談件数の中で最も多い割合を占めているのは「ネズミ」なのです。
2018年において、ネズミに関する相談件数は全体の57%を占めていました。また、日本ペストコントロール協会の発表によれば、ネズミに関する月別相談件数の平均は1ヶ月に421.5件であり、特に10〜12月と1月の冬季には相談が急増しています。
ネズミは冬になると暖かい場所を求めて屋内に住み着きやすくなり、冬季こそネズミ対策が重要です。
ネズミの生態について解説
ネズミは小さな哺乳動物でありながら、人間よりも優れた能力を持っています。以下では、ネズミの生態について詳しく解説します。
ネズミの五感
ネズミの視覚は他の感覚器に比べて発達しておらず、色の識別が難しくピントを合わせることもできません。
しかし、ネズミは視覚に頼ることなく、敏感な触覚を活用して行動します。特に、ネズミのヒゲや体毛は微細な振動や障害物を感知する能力が高く、迅速な反応を可能にします。これらの触覚はエサを捕らえたり、環境を探索したりする際に大いに役立ちます。
ネズミの聴覚は非常に優れており、他の動物とコミュニケーションを取るために超音波を用いることができます。ネズミ同士は高い周波数(5万Hz以上)の超音波を発することで情報を伝え合います。ただし、15〜20KHzの超音波に対しては忌避的な反応を示し、「うるさい」と感じるため、超音波ネズミ撃退器が開発されています。
味覚においてもネズミは優れた能力を持っており、殺鼠剤を感知することができます。
ネズミは日々の生活で体重の3分の1に相当する量の食物を摂取し、何でも噛み破ろうとする習性があります。
このため、防鼠剤も市販されており、ネズミが避ける、近づかないという効果が期待されています。
ネズミの嗅覚は、人間の3倍以上の優れた能力を持っており、エサの匂いや排泄物、他のネズミの分泌物などを感知します。特に異性のネズミや縄張りを識別する際に重要な役割を果たします。
この嗅覚を活かして、海外ではネズミを訓練して地雷探知や実験に利用されています。
ネズミの一生
ネズミの寿命は一般的に2〜3年程度ですが、種によって異なります。大型のネズミ種は寿命が長く、小型のネズミは寿命が短い傾向があります。また、ネズミは体内にエネルギーを蓄えることができないため、食べ物が不足すると2〜3日で餓死してしまいます。エサが豊富な環境に生息するネズミは寿命以上に長生きすることもありますが、食べ物が不足する期間が続くと生存が困難です。ネズミは食糧を求めてキッチンや倉庫などに侵入し、これらの場所を好むこともあるため、注意が必要です。
ネズミの活動時間
ネズミは夜行性であり、特に夜間に活動します。この行動パターンは天敵に見つからないための適応戦略であり、夜明け前と日没後に最も活発になります。一方で、昼間にも活動することがあり、人間の家に住み着いたネズミは昼間にも観察されることがあります。ネズミは天敵の活動リズムに合わせる能力を持っており、これによって生存率を高めています。
日本に生息するネズミの種類
日本に生息するネズミの種類はいくつかあります。以下に代表的なネズミの種類を紹介します。
キヌゲネズミ
ヤチネズミ
エゾヤチネズミ
ニイガタヤチネズミ
カゲネズミ
スミスネズミ
ハタネズミ
マスクラット
アカネズミ
ヒメネズミ
カヤネズミ
アマミトゲネズミ
クマネズミ
ドブネズミ
ハツカネズミ
これらのネズミの中で、特にクマネズミやドブネズミ、ハツカネズミは屋内にも出現する可能性が高いです。以下では、これら4つのネズミの特徴について詳しく説明します。
ハタネズミ:臆病で神経質な性格を持ち、体長は約10〜13cmです。主に植物の葉や根、樹皮を食べます。地下にトンネルを掘るのが特徴です。
クマネズミ:好奇心旺盛で、体長は15〜23cmです。乾燥した場所を好み、高い場所や天井裏で生活します。食事は魚介類や肉を含む多種多くのものを摂取します。また、他のネズミが入り辛い場所を好む特性があります。
ドブネズミ:どう猛な性格で、体長は22〜26cmです。湿気の多い場所や下水道、植え込み、床下に生息します。食事は穀物や種子を中心に摂取します。非常に適応力が高いネズミの一種です。
ハツカネズミ:好奇心旺盛で小型のネズミで、体長は6〜9cm程度です。他のネズミが入りにくい場所に住みます。穀物類を主に食べます。
これらのネズミの特徴を理解し、適切な対策を取ることが重要です。特に、クマネズミやドブネズミは人間の住居に侵入しやすいため、注意が必要です。
ネズミの被害
ネズミはさまざまな被害を引き起こす可能性があります。
以下は、ネズミによる主な被害のカテゴリーです。
経済的被害:ネズミが農作物や食品、ケーブル、ガス管、家具などを噛み壊すことにより、経済的損失が発生します。特に農業や食品業界では作物への被害が深刻です。
精神的被害:ネズミの存在は家庭や職場での精神的なストレスを引き起こすことがあります。ネズミの鳴き声や足音、食べ物への侵入などが不安や緊張感を生むことがあります。
衛生的被害:ネズミは排泄物を撒き散らし、これにより食品や生活空間が汚染される危険性があります。また、ネズミが感染源となる感染症や寄生虫を媒介する可能性もあるため、衛生的被害にも警戒が必要です。
ネズミの被害を防ぐ方法
ネズミの被害を防ぐためには、以下の方法が役立ちます。
定期的な点検と清掃
家や建物の周りを定期的に点検し、隙間や穴を封じ、ネズミの侵入を防ぎましょう。また、食品の保存容器を密閉し、清潔に保つことが重要です。専門業者の利用
ネズミの駆除は専門業者に依頼することが効果的です。専門家は適切な方法で駆除を行い、再侵入を防ぎます。殺鼠剤の使用
ネズミが出没する場所に殺鼠剤を設置し、ネズミを排除することができます。ただし、安全に使用するための注意が必要です。衛生環境の維持
食品がこぼれないように注意し、生活環境を清潔に保つことで、ネズミの誘引を避けましょう。
ネズミの被害から身を守るためには、予防と早期の対策が重要です。適切な方法を選んで実施し、安全で快適な生活環境を維持しましょう。
ネズミ駆除対策
超音波や電磁波の利用:超音波ネズミ撃退器や電磁波ネズミ撃退器を設置することで、ネズミを嫌がらせ、退散させることができます。これらの装置は一般的には人間やペットに害を及ぼすことはありませんが、効果が現れるまでに時間がかかることがあります。
粘着板(粘着性があるトラップシート)の使用
ネズミが通りがかる場所に粘着板(粘着性があるトラップシート)を設置し、ネズミを捕獲する方法もあります。ただし、捕獲されたネズミの処理には注意が必要です。ゴミの適切な処理
ゴミを適切に処理し、ゴミ袋やゴミ箱を密閉することで、ネズミの餌場を排除しましょう。ネズミは食べ物のにおいに誘われますので、食品の取り扱いにも注意が必要です。空気孔や通気口の保護
家や建物の空気孔や通気口には金網やメッシュを設置して、ネズミが侵入できないようにしましょう。敷地の整備
庭や敷地周辺の植え込みや草を整理し、ネズミの隠れ家となる場所を減らすことが大切です。また、果物の落ち葉や害虫駆除に化学物質を使用しない方法を検討しましょう。
ネズミの被害は予防と早期の対策が重要です。自宅や職場の衛生状態を維持し、適切な駆除方法を選んで実施することで、ネズミの侵入を防ぎ、快適な生活を維持できます。
また、駆除作業が難しい場合は、専門業者に相談し、適切な対策を行うことをおすすめします。
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