見出し画像

【のりたまダービー】観戦記 ドラキーvsモコナ戦

 のりたまダービー開幕からおよそ1か月が経過しました。

 現在進捗はこんな感じです。

だいぶ埋まってきたなあ

 全21局のうち11局が終わっています。

 3戦3勝のあかりんさん(satoha2)がリードしています。

 ちょっと観戦記をサボっているうちにだいぶ進んでしまったなあ、実はこれには理由がありましてね・・・、まあこの対局には関係ないからここでは割愛します。

 さて今回はドラキーさん(Drakee)対モコナさん(kisamoko)の観戦記を書いていきます。

 軽く両対局者の紹介をしておきましょうか。

 まずはドラキーさん。

なんでヤミラミなんだろう?

 ドラキーさんは部長として競馬部を引っ張る大黒柱です。

 求心力も行動力もある頼れる存在です、今の競馬部があるのはドラキーさんのおかげと言っても過言ではないでしょう。

 しかしやはり完璧な人間というのは存在しないのですね、ドラキーさんは中飛車使いなんですよ!!!

 24のレートは974、81のレートは1738です。

 前述したとおりドラキーさんは中飛車使いです、私も何度か指したことがありますが、得意の中飛車左穴熊にさんざん煮え湯を飲まされた記憶がありますね。


 続いてモコナさん。

これはなんのキャラだっけ?

 モコナさんはVtuberで、ほのえりすとです。
 書いておいてなんですが意味はよくわかりません、Twitterでも8割オリックスのことしか言ってませんからね。

 競馬部の執行役員として活躍してくれています、Vtuberの経験を活かしてのりたま競馬部配信をやってくれているので大いに助かっています。この場をお借りして感謝申し上げます。

 24のレートは1001、81のレートは1549です。

 モコナさんは将棋に関しては何でも屋さんというイメージです、Twitterで英春流とかミサカ流とか聞きなれないワードを言っていましたから多方面に知識があるのでしょう。

 私も1度だけ指したことがありますが、変幻自在の指しまわしでひどい目にあいましたからねえ。


 さてさて例によって初心者の私だけでは心もとないですから、今回も助っ人をお願いしました。

 おちりすさんです!

これもなんのキャラかわかんないなあ

 おちりすさんは競馬部の執行役員として活躍してくれています、今回のりたまダービーには参加していませんが、解説をお願いしたら快く引き受けてくれたのです、感謝感謝。


 この対局はモコナさんの方が段位がひとつ上なので、ドラキーさんの先手番での対局となっています。
 81のルールを知らないのでよくわからないのですが、ドラキーさんの方がレートは上なのに段位は下ってどういうことなんでしょうか?

 まあいいや、おちりすさん両対局者の印象はいかがでしょうか。

おちりす「ドラキーさんは振り飛車党で主に中飛車を主に使っていますが、相手によって振る位置を変える印象があります。優勢を保っていく将棋という印象です」

 なるほど中飛車一本というわけでもないのですね。

おちりす「モコナさんは何でも指すという印象が強いです。こちらも序盤でリードをとって中盤から終盤を安定させて勝ちに行くという印象があります」
 
 ふむふむ、両者ともに序盤巧者ということでしょうか。これは楽しみですね!

な、中飛車だぁ~!

 図はドラキーさんが▲5八飛で中飛車宣言をしたところです、やはりドラキーさんといえば中飛車ですからね 。
 後手じゃないとゴキゲン中飛車とは言わないとかいろいろ聞くのですが、私にはよくわからないので、まあ居飛車と中飛車の対抗形だということですね 。
 おちりすさんは、どちらを持って指すことが多いですか?

おちりす「私は居飛車党なので、居飛車を持って指すことが多いですね。ここから居飛車側はいろいろな戦型に持っていけますが、私は超速を好んで指してます」

 超速というのはよく聞きますが、どんなものかわからないんですよね。

おちりす「超速は2010年あたりに台頭してきた、中飛車の有力な対策とされている作戦の一つです。 主に中飛車の5筋からの攻めを、銀を4六と6六まで動かして、2枚銀にしていなそうという形になっています。また、船囲いから一旦2枚銀にするだけなので、その後の囲いの発展を考えられる作戦です」

 ははーん、やはり中飛車はヘイトの高い有力な戦法ですから、いろんな対策があるんでしょうね。
 ところで居飛車側としては対中飛車でどんなことに気をつけるのですか?

おちりす「中飛車に対してはバランスを気をつけて対応しています。 玉型が不安定な時に2枚銀で崩されることがよくあるので、ある程度陣形を整えて戦うようにしています」

 先ほどの超速での説明にも2枚銀という言葉が出てきましたね、お互いの銀の動きに注目ですね!


いきなり桂馬を跳ねてくる男がいたんですよ~
な~に~!

 図は18手目にモコナさんが△6五桂でいきなり仕掛けたところです。
 まだお互いに王様も囲ってないのに、あまりにも突然の始まりです。私はこういうせっかちさんが苦手なんですよ。
 おちりすさん、これはよくある仕掛けなんでしょうか?

おちりす「最新の研究に疎いので詳しくは知りませんが、部分的にある変化だったと思います。変化としては△6五桂、▲6ハ角、△8六歩などがありますね。本譜は△8六歩に変えて△5四歩で激しくいきましたが、これもあったと思います」

 なるほどこういう仕掛けもあるんだなあ、こんなことをされたら困ってしまいますね。


渋い一着です

 図はドラキーさんが21手目に▲7八金とした局面です。

おちりす「これは飛車先をケアをしたいという手だと思います。このルールにおいて1分52秒はかなりの長考で、工夫を凝らした一着だと思います。 ただ、この後のモコナさんの△8六歩がいい手でした。 将来的に△5五歩▲4五銀の進行になったときに、角が使いづらく銀も立ち行かなくなるので、この手でモコナさんがリードをとったかなと思います」

 私はこの時点で振り飛車側を持つのが怖いですよ、ちょっとのミスで崩壊しそうじゃないですか。


落ち着いた一着なのか

 私が気になった局面です。
 図はドラキーさんが33手目に▲3八玉としたところです。
 もはや戦いが始まっていますし割り打ちの隙もありますから、いかにも悠長な手に見えたのですが、いかがでしょうか?

おちりす「そうですね、現局面は後手が少しいいと思います。 ドラキーさんの考えとしては、居飛車側の玉が壁になっているので、一つ寄せておくことで最後固さで勝てる可能性があると考えて指した手だと思います。 ただ、シロさんの指摘通り割打ちの隙もあり、後手が角と銀を持っていることから△6九銀で崩しに行けるので、少し悠長かもしれません。 変えて▲6四飛とかで攻めていくのが良さそうに見えます」

 ▲6四飛ですかー、私には見えない手だなあ。


これはテクニカルです

 図はドラキーさんが47手目に▲5四歩と打ったところです。

おちりす「これは見えてませんでしたが、とてもいい手だと思いました。現状後手良しに見えますが、△同香には▲7四竜で香と金の両取りにできますし、本譜の▲4五銀でも玉頭の歩と香を取りに行くことができるので、後々の後手に対してプレッシャーをかけることができます」

 技巧の一着という感じですね!


ドラキー玉に危機迫る

 図はモコナさんが50手目に△4九角と打ったところです。

おちりす「この対局でモコナさんがペースを握ったのはこの手です。対局的には悪手に分類されるかもしれないですが、勝負的な意味で主導権を握ったと思います。 ▲同金△同桂成▲5四銀であれば互角近くには戻ると思います。ただ、この局面で▲5四銀はとても指しづらいものがあります。 また▲5四銀に変えて▲同玉では△5七歩成が先手陣形をかなり圧迫することになるので取りにくい。 ここから同金としにくい角打ちだと思います。 本譜も上記のペースになるのが怖かったのか取らずに▲2八玉とよけました。 これは飛車はあげるけど、陣形はそこまで崩れてないからいいよねというのが先手の主張ですが、桂馬が残っていることで後々の△4九桂成がとても重いので、ペースを握った一着だと思いました」

 ふむふむ、自玉に危機が迫ると判断することが増えて大変なんですよね。


最終盤です!

 図はドラキーさんが65手目に▲3八香と合い駒したところです。
 おちりすさん的にはこれが敗着ということですね。

おちりす「すごく些細な違いなのですが、個人的には▲4八香を推奨したいです。 3八と4八の違いは後々受けるときにスペースがあるかないかです。 3八だと現状の玉系では上に逃げるスペースがないです。 4八も上に逃げるスペースがないのは同様ではありますが、3八の拠点を空けておくことによって受けることが可能であり、この後に逆転のワンチャンスを掴みにいくのであれば4八がいいかなと思います」

 少しの違いが大違いというやつですか、やはり将棋は難しいですね。


熱戦でした

 図は投了図です、以下は取っても逃げても即詰みがあります。

 本局は手数は短いですが攻防のある熱戦でしたね、おちりすさん1局を通しての感想をお聞かせください。

おちりす「ドラキーさんとしては、かなり攻め合いで序盤から指しにくい対局だったなといった印象です。 ただその中にも自分の玉型が相手よりも優っていることからアグレッシブに攻めて、相手の陣形を壊して後1枚何かがあれば詰むという状態にもしました。 また、ドラキーさんの将棋らしいバランスの取れたものであり、負けてはしまいましたが今後の対局にも期待が持てるものだったと思います」

 最後は1手違いまで持っていきましたからね。

おちりす「モコナさんは持ち前の中盤を安定させて、勝ちまで持っていきました。 昔から段位以上に強いのは知っていましたが、本当に今回の勝ち方は強い人の将棋だなと思いました。 特に先ほど挙げた角打ちはすごく驚きましたが、とてもいい手だと思いました。 この大会においてダークホースとしての活躍を期待しています」

 とても面白い対局でしたね!

 おちりすさん解説ありがとうございました!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?