見出し画像

ROBLOX がいよいよ上場! (前半)

11月19日に上場申請を行ったオンラインゲーム・プラットフォームのROBLOX(ロブロックス)。ここでは、財務分析ではなく、今年先立って上場したUnity ($U)との簡単な比較を紹介します。

ROBLOX創業のきっかけは、共同創業者のDavid Baszucki氏が、兄/弟と開発したThe Knowledge Revolutionという物理を学べるインターアクティブなプログラムでした。子供からの受けの良さに確信を得て、ROBLOXを設立(正確には起業運営していた会社の社名を変更)。

画像2

Robloxは、7歳から15歳ぐらいまでの小・中学生に人気で、無料で4000万種類ものゲームで遊べるだけでなく、Roblox Studioというゲームエンジンを使い、これも無料でゲームデザインができるのが特徴。アバターとして、友達と同じゲーム内で競い合ったりと、新しいコミュニティに参加したり、誕生日パーティを開いたりと、コロナ禍で失われたり制限された人との繋がりを、バーチャルで経験できるようになっています(この辺りの感想は、後日「後半」で紹介したいと思います。)

●エンジン: Roblox Studio
●動作環境:Windows, macOS, iOS, Android, Xbox One対応
●プログラミング言語:Lua

Robux通貨
Robuxという通貨をゲームで使用。例えば、4.95ドルを払うと、400Robuxを獲得できるというようなパッケージを購入するか、特典付きサブスクリプションで、月々一定のRobuxを受け取ることができます。ユーザーは、自分のアバター用の服や、ゲームを有利に運ぶギアなどのアイテムをRobuxで購入できます。

ゲーム内で何かが購入されると、ゲーム作成者は購入金額の18%を受け取れる仕組みになっています。この収益で、大学の授業料を払ったり、家を購入したユーザーもいるとのこと。2006年以来、これまでで、ユーザー・ディベロッパーに支払った額は、2億4,100万ドルにものぼります。

画像2

コロナ禍で急成長

●第3四半期の売上高:2億4220万ドル(前年同期比+91%)
●純損失:4800万ドル(前年の2倍)
●デイリーアクティブユーザー数 (DAU): 3,620万人
●月間アクティブユーザー数(MAU):1億5000万人+
●評価額予想:370億ドル
●プレイ時間("Hours Engaged"):87億(前年の2倍以上)

フリーキャッシュフローが、Q1ーQ3の合計が2億9,260万ドル (前年度:1,450万ドル)で、これは、ユーザーによる課金やサブスクリプションの増加と、AWSを利用することで、設備投資が節約できたためだそうです。

Unity ($U)
正式な会社名は、Unity Technologies。ここが開発したゲームエンジンの名前がUnityで、様々なプラットフォーム上で2D&3Dゲームを作成できる。190カ国で1日15万の、Unitiyエンジンを使った新しいプロジェクトが開始されているとのこと。インドで一番人気のFree FireもUnityエンジン使用。

●第3四半期の売上高:2億80万ドル(前年同期比+53%)
●純損失:1億4,170万ドル (IPO関連費用、株式寄付など含む)
●DAU:105万人
●評価額:320億ドル

Roblox IPO の記事の中には、Unityを引き合いに出すものがありますが、横並びで比べて良いのか疑問です。

Unityは、「ゲーム以外の顧客にもサービスを提供できるのではないか」という自社の技術の可能性を認識し、2019年からすでに8社以上買収。建築、建設、エンターテイメント、自動車業界など、幅広いセクターの企業と契約しています。目論見書によると、Unityの技術で「世界中のコンテンツの多くが、リアルタイムで完全に3D化される未来への道を導く手助けをする」ことを目指しているとのこと。

一方、Robloxは、「シングルプラットフォーム企業としてのこだわりを持ちながら、世界中の人々が遊び、学び、共に働くことを可能にする方法を拡大していきたい」とし、メタバースプラットフォームとしての成長を目指していると理解できます。

Unityとの競合になるのは、今の段階では、Unreal エンジンを有するEpic(未上場)かなというのが個人的な感想です。

Robloxの今後

●コロナ需要で急速に成長したことを会社側も認めていて、「最近の成長率は当社の将来の成長や市場の成長を示すものではない可能性があります。」との見解(目論見書"Risk Factors")
ワクチンが広まり、学校や課外活動が再開する可能性
ユーザー(プレイヤー)一人辺りの課金高が減少した時期もある

以上のことを念頭に、今後出てくる記事に注目して行きたいと思います。

S−1(目論見書)
https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1315098/000119312520298230/d87104ds1.htm

その他参考記事
www.fool.com/investing/2020/11/21/4-things-to-know-from-robloxs-ipo-filing/

https://investmentu.com/roblox-ipo-stock/

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?