見出し画像

BLADE ($EXPC) が上場しました

自分のアウトプット力を上げるために、銘柄紹介を書いています。もしお役に立てましたら、「好き」ポチッを宜しくお願いします☺️

Bladeの正式名称は、Blade Urban Air Mobility, Inc. で、ニューヨーク近辺でヘリタクシー&輸送サービスを提供する会社です。12月にSPACのExperience Investment Corpを通して$EXPCのティッカーシンボルで上場しました。

旅行とレジャー専門のプライベートエクィティ会社であるKSL Capitalがスポンサーになっているところが強みで、KSLが所有するRoss Aviationを通して、Bladeが発着場を新たに設置する場合に有利となると言われています。

<沿革>
2014年に、ソニーとワーナーミュージックの幹部だったロブ・ウィーゼンタールが、ヘリタクシー会社として設立。Bladeのサービスが画期的だったのは、顧客がヘリコプターを丸ごとチャーターする必要がなく、アプリで単一の座席を予約できるようにした点です。

Bladeのビジネスモデルは、アセットライト・ビジネスモデルと呼ばれ、自社で航空機を所有・運航せず、代わりにサードパーティのオペレーターと提携しています。Bladeのパートナーは、航空機の運航にかかる固定費を負担する代わりに、マーケティング、顧客サービス、予約技術などに自社のリソースを投資することなく、フライト数を増やすことができます。

<成長率>
設立当初は顧客が1,218人、その後、2020年には37,401人と、30倍に増加。売上高は$2Mから、右肩上がりで2019年には$33Mと16倍に成長(2020年は、コロナ禍で予想以下)。プレゼン資料には、EV / Adjusted EBITDAが、2024年の予想で5.5xとなっています。

画像1

2021年前半に合併完了予定で、合併時の評価額825M 。総収入が$400Mとなり、既存のヘリタクシー路線を、電動垂直離着陸機(eVTOL)に移行するなどビジネス拡大のための資金調達となります。

モーガン・スタンレーによると、エア運送市場は、2025年には  $125B に、更に2030年には$650Bへと拡大すると予想されています。Bladeのプレゼン資料では、eVTOL導入以前に、NY市は$1B、北東が$1-2B, 西海岸が$3-5BのTAM(市場規模)と主張しています。

<サービス>
1)近距離輸送サービス: 60~100マイルの距離のフライトで、主に通勤者にヘリタクシーサービスを提供。料金は1席あたり$595~795(定期だと$295ドル)。例えば、ニューヨーク市からフィラデルフィア市まで、運転すると3時間のところを、1時間10分で到着。商用旅客機でファースト/ビジネスクラスで$425のところ、Bladeなら$295。

画像3

BLADEの顧客に対しての広告効果を期待し、様々なビジネスパートナーがBLADEと提携しています。

画像4

2)BLADE空港(ラウンジ) - ニューヨークエリアの空港とマンハッタンのヘリポート内に専用ラウンジがあります。料金は1席あたり$195から(または年間エアポートパスのなら1席あたり$95ドル)。ラウンジの内装の一部はこちらの動画で見ることができます。https://vimeo.com/397990258
https://vimeo.com/378334289

画像2

3)BLADE MediMobility - Bladeは、米国北東部で最大の人体臓器輸送業者であり、競合他社に比べてコストが安く輸送時間も短いと主張しています。臓器の輸送は、eVTOLで提供する最初のサービスになると考えられていて、この事業は重要な成長戦略の一貫となっています。

4)国際的なジョイント・ベンチャー - 拡大戦略の一環として、海外市場でジョイント・ベンチャーを設立し、展開可能で一貫性のあるBlade体験のための技術、インフラ設計、従業員トレーニングを提供するもの。その第一号が、昨年末にサービスを開始したBlade Indiaで、インドのムンバイ、プネ、シルディ間を飛行するヘリコプターサービスを提供しています。

Blade Indiaの記事はこちら。

https://www.businesstoday.in/sectors/aviation/how-blade-india-finds-a-niche-between-private-jets-and-commercial-airlines/story/425841.html

超富裕層と、一般的な消費者の中間にある、「多少のプレミアムを払っても、時間を節約したり、より安全で心地よい環境を好む」顧客層をターゲットとしています。豪華なラウンジや、BMWやAudisでの自宅からラウンジまでの送迎オプションなども用意。インドだけでなく、バングラデシュ、ネパール、モルディブ、東京、バンクーバーなどにも進出する予定。

画像5


<競合>
Uberが昨年夏、ニューヨーク市で独自のヘリコプターシャトルサービス「Uber Copter」を開始。しかし、eVTOLサービス「Uber Air」の運用・技術基盤を構築するという目標は、Covid-19のために中断され、空中輸送サービス部門のUber Elevateは売却されました。このため、Bladeにとってはニューヨーク周辺のヘリタクシーサービス市場での利益を確固としたものにできるチャンスが来ていると考えられています。https://twitter.com/SiriusBlue9/status/1352337493689946112?s=20

<まとめ>
(素人の感想なので、勘違いもあるでしょうが、、、)

規模がまだ小さく、コロナ禍でビジネス拡大が難しいと思うので、UberやLyftに投資するような心持ちにはなれませんが、プライベートジェットを所有するまではいかない若手富裕層が、時間を効率よく使え、適度なラグジュアリー感と優越感も得られるサービスなので、格差が広がる米国やインドなどで伸びそうです。コロナウィルスと共存となると、空港でその他大勢の乗客に囲まれるより、プレミアムを払ってでも、より安全なヘリサービスが好まれるかもしれません。面白いビジネスだと思います。

読んでいただいてありがとうございました!

<参考文献>
https://investorplace.com/2020/12/expc-stock-13-things-to-know-about-ksl-capital-and-the-blade-spac-merger/

https://verticalmag.com/news/helicopter-booking-service-blade-goes-public-eyeing-future-evtol-ops/

https://blade.flyblade.com/investors

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?